苦手だった「エビアン選手権」で自己ベストの16位 シーズンポイントの3割弱を稼ぐ

渋野は過去4回「エビアン選手権」に出場して最高成績は2024年の51位。

予選落ちが2度あり、計12ラウンドでアンダーはわずか2回という相性の悪さでした。

開催コースが変わらないメジャーでこれは好ましくないこと。

それが今年は3日目まで連日の60台で通算8アンダーの16位と、一気に苦手意識を払しょくしました。

獲得した62.4ポイントは今シーズントータルの3割近くになります。

シーズンではこれまで12戦に出場していますが、メジャー3試合(「シェブロン選手権」は出場しておらず)で稼いだポイントの比率は約6割にもなります。

メジャーに強い渋野 2024年はポイント獲得比率が83%!!

渋野のメジャーでのポイント獲得比率が高いのは今シーズンに限ったことではありません。

下表のように、アメリカLPGAツアーに本格参戦した2022年以降、今年を含めた5シーズンで、2023年を除いで軒並み多くをメジャーで稼いでいます。

「全米女子オープン」で2位。「全米女子プロ」でも7位になった2024年には比率が8割を超えました。

渋野日向子の年間とメジャーでの獲得ポイント数&比率

シーズン 年間 メジャー 比率
2022 997.888 476.13 47.71%
2023 353.127 35.66 10.09%
2024 664.143 556.73 83.83%
2025 191.717 134.96 70.4%
2026 221.080 131.43 59.45%

※2026年は「エビアン選手権」まで

「エビアン」はパットが7位 「全米女子プロ」はフェアウェイキープ率4位

渋野がメジャーに強いのはなぜなのでしょう?

「エビアン選手権」でのスタッツを見ると4日間のパット数が112。1ラウンドあたりでは28でシーズンの29.85より大幅に良くなっており、全選手でも7位でした。

最終日は31パットだったので、3日目までの平均は27パット。

たら、ればですがこの数字を大会でのランキングに当てはめると2位に相当します。

「全米女子プロ」ではフェアウェイキープ率が80.36%で4位にランクインしていました。

好スタッツはメジャー制覇に不可欠

今シーズンのメジャー覇者はネリー・コルダ(シェブロン選手権&全米女子オープン)とユ・ヘラン(全米女子プロ&エビアン)の2人です。

ユはフェアウェイキープ率が「全米女子プロ」で1位。「エビアン選手権」では2位でした。

コルダも「シェブロン選手権」でフェアウェイキープ率が1位。

「全米女子オープン」では平均パット数が5位。

メジャーを制するためには何かの部門でトップクラスになることが必要、ということを考えると渋野が好スタッツをマークしているのは、2019年大会を制している次のメジャー「AIG全英女子オープン」に向けて頼もしいことです。

今シーズンの躍進に欠かせなかった勝みなみの“友情オファー”

今シーズン序盤の渋野は7試合のうち4試合で予選落ち。

「全米女子オープン」は前年トップ10。

「AIG全英女子オープン」は歴代優勝者の資格で出場できることがきまっていたものの、「全米女子プロ」と「エビアン選手権」は出場を考えられる状況ではありませんでした。

そんな渋野に「ダウ選手権」でペアを組むオファーをしたのが勝みなみでした。

シーズン唯一のペアマッチは、出場資格のある選手がパートナーを指名します。

2人は昨年、一昨年もペアを組んだとはいえ、ここでの成績はシーズンの獲得ポイントに直結します。

勝のシーズン序盤はトップ10が2回と好調。

昨年10月の「ビュイックLPGA上海」でジーノ・ティティクルと5ホールのプレーオフの末敗れた悔しさを払拭して初優勝をめざすことが明確な目標のシーズンにも関わらず、不調にあえぐ1998年生まれの同級生に声をかけました。

その友情オファーに応えるように、大会では5位になる健闘を見せました。

17位だった前週の「全米女子オープン」と合わせて137.5ポイントを稼いだことで、資格のなかったメジャー2戦に出られることになりました。

個人スポーツのゴルフで“チームワーク”のおかげでメジャーの出場機会を増やし、ポイントランキングもシード圏内の80位に上がることができました。

「エビアン選手権」後には「ショットはまだ伸びしろがあるし、グリーン周りもやらなければならないことがある」と話していました。

友情に感謝し、メジャーでの強さを発揮して再来週の「AIG全英女子オープン」でも好成績を収めてほしいものです。

(文/森伊知郎)