ゴルファーを魅了する、引き締まったブラックヘッド

今回、試打に協力してくれたのは梅津秀樹さん(59)。平均スコア90のアベレージゴルファーで、長年悩まされているのがアイアンショットの左右のブレだ。ヒッカケが出る日もあれば、突然シャンクに見舞われる日もある。そんな不安定な状態が7~8年も続いているという。
コースに到着した梅津さんは、キャディバッグに収まった「G740」を手に取り、地面にソールした。いつもなら何気なく行う一連の動作だが、その瞬間から新鮮な驚きを覚えたという。

「何といってもブラックヘッドがカッコいいですね。私はこれまでシルバーのアイアンしか使ったことがなかったので、とても新鮮です。キャディバッグの中にブラックヘッドのセットが並ぶ様も壮観で、気分が上がります。
よく見るとソールはかなりワイドで、ダフリに強そうですし、低重心でボールも上がりそうなイメージが湧きます。ブレードも長く、ヘッドサイズ自体は大きめなはずなのですが、構えてみると過度な大きさは感じません。ブラックの効果で輪郭が引き締まって見えるからでしょうね。大型ヘッドにありがちな鈍重さがなく、すっきり構えられます」(梅津さん)
「G740」にブラックが採用された背景には、ピンの緻密な狙いがあると石井は分析する。
「これだけキャビティが大きく、ソール幅も広い、最大級の寛容性を備えたアイアンを従来のシルバーで作ると、光の反射や膨張色の効果によって、実際のサイズ以上に大きく見える可能性があります。大きなヘッドは安心感につながる一方で、人によっては構えにくさを感じることもあります。

そこでヘッド全体をブラックにすることで、輪郭をシャープに引き締めているのでしょう。最大級の寛容性を備えながら、スタイリッシュに見える。機能とデザインが高い次元で両立しています。しかも、このブラックヘッドは日本限定です。アイアンの顔つきや所有感に強いこだわりを持つ日本のゴルファーに向けて作り込まれたモデルと言えるでしょう」(石井)
シルバーとブラックのコントラストが打点を明確に見せる
梅津さんは、フェースのスコアライン部分がシルバーで、その両側をブラックで仕上げたカラーコントラストにも注目した。

「ボールを当てたいフェース中央部だけがシルバーで、その両側がブラックになっているので、視線を打点に集中させやすいですね。“ここに当てればいいんだな”“ここに当てたいな”という目標が自然に見えてきます。
ターゲットに対してフェース面をスクエアに合わせやすく、アドレスした瞬間に“これなら打てそうだ”という安心感が得られます。ブラックにしたのは見た目をカッコよくするためだけではなく、アドレス時のストレスを軽減する効果もあるように感じました」(梅津さん)

光の反射を抑えたブラックヘッドと、フェース中央部を際立たせるシルバーのスコアライン。精悍な見た目の中に、構えやすさと打点への集中を促す視覚的な工夫が盛り込まれている。
大型ヘッドの安心感は欲しい。しかし、構えたときに大きく見えすぎるアイアンは苦手。そんなゴルファーにとって「G740」のブラックヘッドは、機能面でも心理面でも大きなメリットをもたらしそうだ。
圧倒的な低重心が生む高弾道。芯を外しても飛距離と方向性が残る
フェアウェイから実際に「G740」を打ちはじめると、梅津さんが抱いた第一印象は、すぐに確信へと変わった。特に目を見張ったのが、打点が安定しない場面でも高さと飛距離が大きく落ちないことだった。

「しっかり当たったときは、驚くほど飛距離が出ます。普段のアイアンより明らかに弾道が高く、キャリーが伸びていることも実感できます。
ただ、それ以上に驚いたのは、芯を外したときです。私の場合、ラウンド中は芯に当たらないショットのほうが多いのですが、いつものアイアンなら左右に大きく曲がって、隣のホールまで行ってしまうことがあります。それが『G740』では、多少左右にズレてもラフに収まってくれる。方向性のブレが本当に少ないですね。
打点がフェースの下側になったときも、ボールが低く飛び出してすぐに落ちるのではなく、クラブがボールを持ち上げてくれます。完璧な当たりではなくても、高さとキャリーが出てくれるので、結果としてグリーンの近くまで運べる。ミスショットを完全になくすというより、ミスしたときの損失を小さくしてくれるアイアンだと思いました」(梅津さん)
石井も、数球打っただけで「G740」の低重心性能と高い慣性モーメントの効果が表れていると指摘する。

「アマチュアゴルファーのアイアンショットは、常にフェース中央に当たるわけではありません。特に多いのがフェース下部の打点です。一般的なアイアンでは、打点が下にズレると打ち出し角が低くなり、キャリーも大きく落ちてしまいます。
その点、『G740』は新しいヘッド構造によって生まれた余剰重量をソール側へ集中させ、徹底的な低重心化を図っています。多少トップ気味に当たっても、ヘッドがボールを空中へ押し上げるように働く。そのため、打点が下にズレたショットでも高さとキャリーを確保しやすいのです。
さらに、周辺重量配分によってヘッドの慣性モーメントも高められています。トゥ側やヒール側に打点がズレても、ヘッドが過度にブレにくい。梅津さんのショットが大きく曲がらず、ラフの範囲に収まっていたのは、この高い寛容性によるものです」(石井)
ダフってもヘッドが刺さらない。ワイドソールが前へ抜ける
梅津さんが見た目から予想した通り、「G740」のワイドソールはダフリに対しても高い効果を発揮した。
「一目見たときからダフリに強そうだと思いましたが、実際に打つと予想以上でした。結構手前から入ったと思ったショットでも、ヘッドが地面に突っかからず、そのまま前へ抜けてくれます。
普段なら地面の抵抗で手に強い衝撃が伝わり、ボールもほとんど飛ばないような当たりでも、『G740』はボールを前に運んでくれます。多少飛距離は落ちても、大きなミスにはなりにくい。少し噛んだ程度なら、ほとんど影響を感じないほどです。
何球か打っていくうちに、少しくらい手前から入っても大丈夫だと思えるようになりました。その安心感があるから、必要以上にボールをきれいに拾おうとせず、最後まで振り切れますね」(梅津さん)

「G740」のソールには、前後左右にキャンバー(湾曲)を持たせた「ディュアル・キャンバーソール」が採用されている。単にソール幅を広くしただけでなく、地面との接触をコントロールし、さまざまなライからヘッドがスムーズに抜けるよう設計されているのだ。
石井は、その機能を次のように解説する。
「ワイドソールのアイアンは、地面に刺さりにくい一方で、ソールが跳ねたり、抜けが鈍く感じたりすることもあります。しかし『G740』は、前後左右に適切な丸みを持たせることで、地面との接触面積をコントロールしています。
ソールの手前側が地面に当たっても、リーディングエッジが深く潜り込まず、丸みを使って前方へ滑っていく。私も意図的にかなり手前からヘッドを入れてみましたが、何事もなかったかのようにスコーンと前へ抜けました。地鎮祭の鍬入れのように、相当深く地面を掘らない限り、簡単には刺さらないのではないかと思うほどです。
インパクト時の過度なトゥダウンによるダフリを防ぐため、トゥ側のキャンバーを強めながら、ヒール側は抑えめにしてあります。抜けのよさを高めつつ、スクエアに構えやすい形状に仕上げている点も巧みです」(石井)
打ち続けるほど実感した「ミスしても結果が残る」という性能
試打を重ねるにつれて、梅津さんのショットには一定の傾向が表れはじめた。完璧なインパクトばかりではない。フェース下部やトゥ側に当たることもあれば、ヘッドがボールの手前から入ることもある。それでも、打球は一定以上の高さを保ち、ターゲット方向へ飛んでいった。
「打っている本人には、“今のは少し薄かった”“ちょっとトゥ側だった”“手前から入った”という感触があります。でも、顔を上げて弾道を見ると、自分が想像したよりもずっと普通のショットになっているんです。
ナイスショットとまでは思っていなかったのに、同伴者から見れば十分にナイスショット。そういう球が何度も出ました。芯を外したことをクラブがなかったことにしてくれるというより、ミスの程度を小さくして、次のショットにつなげてくれる感覚ですね。
調子が悪い日は、アイアンのミスが次のミスを呼びます。でも『G740』なら、多少ミスしてもグリーンの近くまで運べるので、気持ちを切り替えやすい。スコアを大きく崩さないためのアイアンだと思います」(梅津さん)

石井は、この結果こそ「G740」が持つ寛容性の本質だと語る。
「クラブがどれほど進化しても、すべてのミスが完璧なショットに変わるわけではありません。重要なのは、打点や入射位置がズレたときに、飛距離や方向性の損失をどこまで抑えられるかです。
『G740』は、低重心設計によって打球の高さを確保し、高い慣性モーメントによって方向性のブレを抑え、ワイドソールによってダフリによる減速を軽減します。つまり、アマチュアに多い複数のミスに対して、それぞれ異なるテクノロジーが働く設計になっています。
フェース周辺部を中心部より薄くしたVFT設計も大きなポイントです。打点が中央からズレてもフェース全体が効率よくたわみ、ボール初速を確保してくれます。梅津さんが“少し外したのに飛距離は十分に出ていた”と感じたのは、こうした機能が複合的に働いた結果でしょう」(石井)
キャビティとは思えないソリッドな打感と心地よい打音

高い寛容性を備えた大型キャビティアイアンは、打感や打音が犠牲になるというイメージを持つゴルファーも少なくない。しかし、「G740」はその点でも梅津さんを驚かせた。
「芯を食ったときの打感が、大型キャビティらしくないですね。フェースにボールが当たった瞬間の感触がぼやけず、しっかりと手に伝わってきます。
打音も“カチン”という軽い金属音ではなく、重みのある落ち着いた音です。飛距離性能や寛容性を重視したアイアンは、打感についてはある程度割り切るものだと思っていましたが、『G740』は気持ちよく打てる。見た目だけでなく、打ったときにも高級感があります」(梅津さん)

「G740」には、インパクト時の不要な振動を抑える「PURFLEXバッジ」が搭載されている。
また、「G740」では3ピース構造となっており、軽量化を実現。そのぶん生まれた余剰重量を低重心化や周辺重量配分に活用しながら、心地よい打感と打音も追求している。
「大型のキャビティ構造は、インパクト時にバックフェースが大きく振動し、不快な高音や余分な振動が発生しやすくなります。『G740』ではPURFLEXバッジがその振動を効果的に抑え、ソリッドで落ち着いたフィーリングにチューニングしています。
単に振動を消すだけではなく、ボールをしっかりとらえた感触は残している。寛容性の高いアイアンでありながら、打った人が満足できるフィーリングを両立している点も完成度の高さを感じさせます」(石井)
ラフもバンカーも関係なし。「アプローチが好きになる」ウェッジラインアップ
続いて試打したのは、PW、UW、50度、56度からなる「G740」自慢のウェッジラインアップ。特にグリーン周りからのアプローチで多用する56度を重点的に打ってみた。

「“ウェッジこそ”と言うべきか、ものすごくソールの抜けがよくて、ストレスなく気持ちよく振り抜けます。クラブを上げて下ろすだけでボールがポーンと高く上がり、距離もイメージ通りにコントロールできました。
花道はもちろん、深いラフに沈んだボールも打ってみましたが、芝の抵抗を強く感じることなくヘッドが抜けてくれます。構えた瞬間から“これなら打てそうだ”という雰囲気があり、アプローチで感じるプレッシャーが少ない。アプローチが好きになりそうなウェッジです」(梅津さん)

一方、石井は「G740」のウェッジについて、「フェース面全体が芯のように感じられる」と評価する。
「非常に大きな12度のバウンスとワイドソールが効いていて、多少手前から入ってもヘッドが深く潜りません。フェースのどこに当たっても大きなミスになりにくく、“どこに当たっても大丈夫”という感覚を持たせてくれます。
アマチュアゴルファーがアプローチの際に感じる、“ボールを上げなければいけない”“ダフったらどうしよう”という心理的なプレッシャーを、クラブが引き受けてくれる。見た目も、セットウェッジにありがちな不格好さがなく、輪郭のきれいな単品ウェッジのような顔立ちです。そこに程よい肉厚感と高い寛容性が加わり、ブラックヘッドが存在感を際立たせています」(石井)

アマチュアゴルファーは、ウェッジを選ぶ際、プロが使うようなシャープな単品ウェッジに憧れがちだ。しかし石井は、「スコアを崩さないために、ドライバーとウェッジこそ、プレーヤー自身が最も寛容性を感じられるものを使うべき」と主張する。
「G740」のウェッジは、見た目のカッコよさを損なうことなく、ミスに対する高い寛容性を備えている。梅津さんにとっては、スコアを守る新たな武器になりそうだ。
ゴルフを「自分を責めるスポーツ」から「楽しいレジャー」に変える「G740」
最後に、今回の試打企画を通して見えてきた「G740」の魅力を石井にまとめてもらった。
「通常、番手ごとの飛距離とは平均飛距離を指します。しかしアマチュアゴルファーに飛距離を聞くと、その番手で一度だけ出た最大飛距離を答える人も少なくありません。本人にそのつもりがなくても、実際の平均値とは差が生まれてしまいます。
ところが『G740』は、最大飛距離に近い結果を平均的に出せる可能性を感じさせます。独自のブラックヘッドによる引き締まった美しさと安心感、打点がブレても初速を維持するフェース、ダフリによる損失を軽減するソール、そして高弾道と飛距離をもたらす低重心設計。アマチュアに起こりやすいミスを多方面から補ってくれるアイアンです。
ミスをしたプレーヤーを責めるのではなく、クラブ側ができる限り助ける。その考え方には、“ゴルフをもっと楽しもう”というピンの『PLAY YOUR BEST』の哲学が詰まっています。ブラックヘッドのカッコよさに惹かれた人も、まずは実際に打って、この圧倒的な寛容性を体験してほしいですね」(石井)

アマチュアゴルファーは、朝、ゴルフ場へ向かうときには期待に胸を膨らませている。それがラウンドを終えた帰りの車内では、数々のミスを思い返して自分を責めてしまうことも少なくない。
「G740」は、そんなゴルフの世界観を変えるために作られたアイアンなのかもしれない。ブラックヘッドのカッコよさに所有する喜びを感じ、最大級の寛容性に支えられながら、ミスを恐れずショットを楽しむ。ゴルフを苦しい反省の連続ではなく、純粋に楽しいレジャーへ戻してくれる“ブラックの助っ人”だ。
ピン「G740」アイアン 基本スペック
| モデル名 | G740 アイアン |
|---|---|
| 発売日 | 2026年7月16日 |
| ヘッド素材 | 17-4ステンレススチール |
| 仕上げ | ブラックPVD仕上げ |
| 製法 | 鋳造 |
| 左右 | 右用/左用 |
| 価格・カーボン | 1本 34,100円(税込) |
| 価格・スチール | 1本 31,900円(税込) ※DG EX TOUR ISSUEを除く |
| 価格・DG EX TOUR ISSUE | 1本 34,100円(税込) |
ピン「G740」アイアン 番手別スペック
| 番手 | 5I | 6I | 7I | 8I | 9I | PW | UW | 50 | 56 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロフト角(度) | 21 | 24.5 | 28 | 32 | 36 | 40 | 45 | 50 | 56 |
| ライ角(度) | 62 | 62.5 | 63 | 63.8 | 64.5 | 65 | 65 | 65 | 65.25 |
| バウンス角(度) | 7 | 8 | 9 | 10 | 10.5 | 11 | 12 | 12 | 12 |
| 標準クラブ長(インチ) | 38.5 | 37.75 | 37 | 36.5 | 36 | 35.5 | 35.5 | 35.5 | 35.25 |
※ライ角はスタンダード(ブラック)の数値です。ライ角はグリーンからオレンジの範囲で調整可能です。ロフト角の調整はできません。
※表記されている総重量およびバランスは目安です。
標準装着シャフト
| シャフト名 | 素材 | フレックス | 重量 | トルク | キックポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| ALTA J CB BLUE | カーボン | R/SR/S | R:54g SR:64g S:74g |
R:4.8度 SR:4.5度 S:3.2度 |
R:先 SR:中先 S:中 |
| PING TOUR 2.0 CHROME I | カーボン | S | 77g | 2.7度 | 中元 |
| FUJIKURA SPEEDER NX GREY 35 | カーボン | ― | 38g | 4.7度 | 先 |
| FUJIKURA SPEEDER NX GREY 40 | カーボン | ― | 40g | 4.5度 | 先中 |
| AWT 3.0 LITE | スチール | R/S | R:84g S:95g |
R:3.1度 S:2.9度 |
R:先 S:中 |
| N.S.PRO 750GH neo | スチール | S | 78g | 2.3度 | 先 |
| N.S.PRO 850GH neo | スチール | S | 88g | 2.0度 | 中 |
| N.S.PRO 950GH neo | スチール | S | 98g | 1.7度 | 中 |
| DG EX TOUR ISSUE | スチール | S200 | 131g | ― | 元 |
クラブ重量・バランス
| N.S.PRO 750GH neo・S | 約385g・C9(7I) |
|---|---|
| ALTA J CB BLUE・R | 約367g・C8(7I) |
標準グリップ
| グリップ | GP360 LITE TOUR VELVET ROUND |
|---|---|
| バックライン | なし |
| 標準グリップサイズ | AQUA |
※FUJIKURA SPEEDER NX GREYシャフトの標準グリップは、IOMIC STICKY SL AQUAです。
※カスタムフィッティングにより、クラブ長、ライ角、シャフト、グリップなどを調整できます。
※価格、仕様は変更される場合があります。最新情報はメーカー公式サイトをご確認ください。




























