体幹を鍛えたことでヨコ振りでも体が傾かない
元々、綺麗なスイングをする選手でしたけれど、今シーズンはスイングが力強くなりました。昨シーズンの平均飛距離は231ヤードでしたが、今シーズンは239ヤードまで伸びています。オフシーズンには体幹を鍛えるトレーニングを相当やっていたそうです。
スイングタイプとしてはフラットな軌道で、クラブを横に動かしています。吉田選手の身長は153センチ。一般的に小柄な選手だとドライバーをアップライトにタテ振りする選手が多いのですが、吉田選手はかなりヨコ振り。アマチュアゴルファーがヨコ振りになってしまうと、ヘッドが垂れたり、フェースが開きやすいのですが、吉田選手は安定したスイング軌道でインパクトしています。その違いはヨコ振りでも体が全く傾いていないからです。体幹を鍛えた成果が出ていると思います。ヨコ振りのメリットとしてはフェース面のローテーションが少なく、シャットフェースで打てること。フェース面が安定することでインパクトの再現性が高くなります。
もう一つ、飛距離が伸びた要因はタテ方向のパワーを使っていることです。スイング軌道はヨコ振りですが、インパクトでは足元をしっかり蹴って上下方向のパワーをボールに伝えています。ハーフウェイダウン(写真04)からインパクト(写真05)にかけてはヒザを伸ばしながら地面反力を使っている。それが飛距離につながっています。
小柄ながら飛距離を伸ばせたのは、ヨコ振りの安定感とタテ方向のパワーを上手く融合させているからです。
男子プロのバックスイングに近い


フォローまで前傾キープ

全盛期のセルヒオ・ガルシアを彷彿させる切り返し! 沈み込んでも右腰が高い。だから軸が安定する
カカト体重になると右腰が下がってあおり打ちになる
吉田選手は沈み込む動きを使いながら、タテのパワーを最大限に活用しています。アドレス(写真01)のときはほとんどヒザを曲げていませんが、トップ(写真02)のときに軽く曲げて、切り返し(写真03)ではさらに低く沈み込んでいく。頭の位置はかなり低くしています。そしてインパクトでは一気にヒザを伸ばしてボールを打っています。
「沈み込んでから、地面を蹴る」というのは他の女子プロもやっていますが、吉田選手の素晴らしいところは切り返しで沈み込んだときでも右肩、右腰という右サイドが高い位置にあること。ここがセルヒオ・ガルシアに似ています。右サイドを高くすることで、ヨコ振りでも体が傾いたりシャフトが寝てしまうことがなく、ダウンブローで強く叩ける。これは体幹がしっかりしていないとできないスイング。軸がブレないのでシャフトがしなってくれます。
アマチュアは右腰が低くなりがちなのですが、それを解消するには吉田選手のように切り返しからインパクトにかけてツマ先側を踏むこと。専門用語で「底屈(ていくつ)」という動きなのですが、ツマ先を踏ん張ると右腰が低くならない。逆にカカト側に体重が乗ってしまうと、右腰が低くなって「あおり打ち」「ロフトが寝る」「フェースが開く」という悪循環につながります。
方向性重視のコンパクトトップ

右足に体重をかけることで右腰が下がらず、シャフトのしなりを最大限に使える!!

軸をキープしたまま腕を長く使っている!



吉田 鈴
よしだ・りん/2004年2月21日生まれ。153cm。6歳からゴルフをはじめて姉・優利とともにジュニア競技で活躍。2024年に4度目のプロテストで合格。2026年の「ヨネックスレディス」でツアー初優勝。

解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。




















