■サイトラインのパターンが全く違う!
ウィンダム・クラークのPGAツアー初優勝は2023年5月の「ウェルズ・ファーゴ選手権」。そして6月に行われた「全米オープン」に優勝して、一気にトップフレーヤーの仲間入りを果たした。
実は「ウェルズ・ファーゴ選手権」の直前に、リッキー・ファウラーが使用していたパターを気に入り、同じパターを手に入れて初優勝を果たしていた。そして、ツアー初優勝の翌月に同じパターで初メジャーを獲得した。
2026年の「全米オープン」では、ウィンダム・クラークは前回優勝した時と同じコースでの開催にもかかわらず、前回とは違うパターで試合に臨み、2度目のメジャー優勝を果たした。
結果から言えば正しい選択だったといえるけれど、初メジャーを獲ったコースで「ゲンのいい」パターを替えてしまうというのは、通常では考えられないことだ。

「オデッセイ O-WARKS TOUR JAILBIRD MINI」(写真上)
2026年の「全米オープン」勇収支に使用したパターは
「ピン スコッツデールTEC ALLY BLUE ONSET」(写真下)
どちらのパターも角型の大型マレットで、フェースバランスという共通点はあるものの、サイトラインのパターンが全く違うところに驚かされる。
パターのサイトラインは、ターゲットのラインに直角のパターンと平行のパターンに二分され、各個人に合うのはどちらか一方とされるのが通説なのだが、2023年は直角、2026年は平行パターンになっている。

■いろいろ試して現在のものにたどり着いた?
2026年の「全米オープン」の前日にピンとパター契約をしたとの情報から、急にパターを替えたような印象を受けていたが、2023年以降の使用パターを調べたところ、突然、今のパターに替えたわけではなかった。
2023年、2024年は同じパターを使用していたようだが、2025年は、SGパッティング66位、平均パット数24位とパッティングスタッツが悪くなっていた。そして2025シーズン中はパターを「とっかえひっかえ」していて、ひとつの試合でもパターが日替わりとなっていたシーンも見受けられ、ツアー未勝利に終わった。
2026年5月の「CJカップ・バイロン・ネルソン」で約2年ぶりに優勝。この優勝パットを決めたのも「スコッツデールTEC ALLY BLUE ONSET」だった。前月にツアーで優勝して、同じパターで「全米オープン」優勝というのは、2023年と同じパターン。2025年にパッティング不調に陥り、NEWパターで復調したということだった。
■サイトラインの視覚効果を実感
それでは、最後にウィンダム・クラークのパッティング復調とメジャー2勝目をもたらしたパターはどんなものなのかを確認しておこう。
「ピン スコッツデールTEC」シリーズの最大の特徴は、視覚効果で集中力が増す「EYE-Q(アイキュー)」と名付けられた、白いヘッドに黒い点と線によるサイトラインとなっている。
「視覚効果で集中力アップ」というフレーズは、これまでにも複数のメーカーから、様々なものが発売されていたけれど、あまり効果を実感できないというのが筆者の正直な感想だった。そこで、「スコッツデールTEC ALLY BLUE ONSET」の写真を撮って、画像加工でラインを消したものとの比較をしてみた。


写真の比較でも視覚効果が十分に確認できるはずだ。「ボールにラインを入れていない」という人にも、視覚効果はある。次の写真を見て欲しい。

「芯」で構えて「芯」で打つことが自然と出来る。メーカーの謳い文句通りの効果が得られそうに感じるはずだ。
2023年はウィンダム・クラークの「全米オープン」優勝で「JAILBIRD」が復刻されヒットモデルとなった。今度のパターもヒット作となりそうな気配が濃厚だ。
文/大塚賢二(ゴルフギアライター)
1961年生まれ。大手ゴルフクラブメーカーに20年間勤務。商品企画、宣伝販促、広報、プロ担当を歴任。独立後はギアライターとして数多くのギアに関する記事を執筆。有名シャフトメーカーのシャフトフィッターとしての経験も持つ。パーシモンヘッド時代からギアを見続け、クラブの開発から設計、製造に関する知識をも有するギアのスペシャリスト。











