女王・佐久間朱莉は「5円玉」に勝機を見出す

18番パー5で3メートルのバーディーパットを決めて首位に並んだ佐久間は力強く右の拳を握りしめました。

昨シーズンは年間女王となり、今年は開幕戦「ダイキンオーキッド」で優勝する上々のスタートを切るも、その後は優勝なし。

「ニチレイ」と「北海道meiji」では予選落ちし、先週の「NEC軽井沢72」は約2か月ぶりのトップ10でした。

女王としては物足りない現状を「一番の課題はパッティングです」と話すように1ラウンドの平均パット数が昨シーズンの7位(29.0042)から50位(29.5333)に落ちてしまっています。

これを改善するために採用したのが5円玉を使った練習器具です。

シャフト部分に付けた器具の先にひもで5円玉を吊るした状態でパッティング。

「リズムが速いとひもがたわんでしまうので」(佐久間)ということがないように気をつけて練習しています。

佐久間のオリジナル練習器具(写真/森伊知郎)

2勝目狙う吉田鈴は、練習ラウンドせず その理由は?

6月の「ヨネックスレディス」以来の2勝目を狙う吉田鈴は「プロアマでラウンドする以外は練習ラウンドをしない」ルーティンを採用しています。

疲れがたまりやすくなる夏場だけに「省エネ」「体力温存」といったイメージをしがちですが、そうではありませんでした。

「将来のために身体を大きくするトレーニングが必要だと思って、心拍数を挙げたまま持続するメニューをやったりしています」と、長いスパンでの取り組みを吉田は説明します。

これをするようになったのは初優勝の前ぐらいから。

「それから、最終日のスコアの下がり具合がなくなりました」と本人が言うように、「ヨネックス」以後の最終ラウンドの平均スコアは69.75と「ヨネックス」前までの72.77から大幅に改善されています(いずれも予選落ちした試合は除く)

それだけに最終日に体力勝負に自信ありげです。

吉﨑マーナは練習“マシマシ”

吉田とは対照的に練習量を大幅に増やしているのが吉﨑です。

「今週は(優勝に)フォーカスしています」との言葉通り、通常は18ホール回った翌日は9ホールにとどめたりする練習ラウンドを、今大会前は2日続けて18ホールラウンドしました。

さらにその後の練習量も「いつもの倍ぐらい」と、まさに“マシマシ”です。

「フォーカスして」いるのは、第1回リランキングの節目だった「ニチレイ」でもそうでした。

獲得ポイントわずか9。暫定リランキング77位で迎えた試合は惜しくもプレーオフで敗れたものの、105ポイントを稼いで一気に24位に浮上しました。

今シーズンの目標は11月に茨城県で開催されるアメリカLPGAツアー「TOTOジャパンクラシック」に出場すること。

そのためには10月の「富士通レディース」終了時点でポイントランキング35位以内に入る必要があります。

現在は70位で、35位の加藤麗奈とは約256ポイントの差があり、優勝(3日間大会は200ポイント)でも足りません。

それでもポイントの約9割は「ニチレイ」と「明治安田」の2試合で稼ぐ勝負強さがあります。

先週までは3試合連続で予選落ちでしたが、「ニチレイ」は4試合連続予選落ちの後でした。

さらに1打差の7位タイにはメジャー覇者となった桑木志帆も控える最終日は、目の離せない熱い戦い必至となりそうです。

(取材・文/森伊知郎)