今回僕が試したのは三菱ケミカルから発売となった「TENSEI 1K Pro Orange RIP+(テンセイ ワンケー プロ オレンジ リッププラス)」です。TENSEIのOrange系としては3代目となりますね。今までの名前に「RIP+」という部分が足されています。これが今回採用されたテクノロジーということになるのでしょう。

「TENSEI」の「Orange」と言えばカウンターバランスですが、今回のモデルもしっかりその性格は継承されています。その上で「RIP+」というテクノロジーが採用されているのですが、これはシャフト先端部の低トルク化によりねじれを抑制するというもの。しかし普通、トルクを締めようとすると多くの素材を使い多層化しないといけないのですが、そうすると先端側の重量が増し、「Orange」の特徴であるカウンターバランスが実現できなくなってしまいます。

そこでこの「RIP+テクノロジー」では使用するカーボンプリプレグの繊維の向きを巧みに配置し、素材を増やすことなくトルクを締めることに成功しているんです。ですから特徴であるカウンターバランスはそのままに、先端のねじれを少なくできたと言うことなんですね。

そして前作同様に「1Kクロス」が手元側に採用されています。これは細かくしなやかに織り込まれたカーボンクロスで、エネルギー効率とフィーリングの良さに定評がある素材。今作では前作よりも「1Kクロス」の位置が手元側から中間寄りに配置され、さらにスムーズなしなりを実現しています。キックポイントも前作の「元調子」から「中元調子」と変更されています。

コスメはいかにも「TENSEI Orange」という感じのもの。全体的には黒ベースで、一目でそれとわかるオレンジのワンポイントが手元側に配されたデザインです。「TENSEI」のロゴは少し大きめに変更され、ホログラムのようなキラキラしたプリントになっています。

今回僕が試打したのは「60S」。ヘッドは自分のタイトリスト「GTS3」のロフト10度に装着しました。普段は50g台のシャフトを使うことが多いのですが、今回は色々な重量を室内でのフィッティングで試させてもらって、一番しっくり来た「60S」を選びました。おそらくカウンターバランスなので、少し重めの方が僕的には振りやすかったんだと思います。

まず素振りをしてみましたが、とにかく振り感が軽い。同じような重量のシャフトを挿して振った時よりも、確実に軽い振り心地になります。総重量はそこそこあるのですが、その重さをあまり感じません。やはりカウンターバランスがバッチリと効いていますね。

ボールを打ってみてもその感覚は全く同じで、とても軽い振り心地で打つことができます。「GTS3」のヘッドはそこそこ重いはずなのですが、その重さを感じません。かといって、ヘッドが感じられないというわけでもありません。

トップから切り返しでは中間部の少し手元側あたりがグーっとしなります。このしなり方がスムーズで、前作よりも少しまろやかになっているように感じました。「1Kクロス」の位置が中間寄りに変更されたことが効いているのでしょうか。ハーフウェイダウンでは少したまるような感じがあります。

先端は走るような感じはないですが、しっかりとインパクトで戻ってくる感じはありますね。結構シッカリ感があり、左に行ってしまうような不安はありません。つかまりがいいシャフトではなさそう。
先端部のねじれが少ないので、オフセンターヒットでもヘッドのブレが少なく、曲がり幅は少なめだと感じました。インパクトでスクエアに戻って来やすく感じます。

弾道は中高弾道という感じで、上がりやすいシャフトという感じではないですね。スピン量は少なめで、強い球が出やすいと感じました。飛距離性能も悪くなく、シッカリと振り切ればそれに応えてくれるシャフトだと思います。

今回「TENSEI 1K Pro Orange RIP+」の「60S」をコースで使ってみましたが、とにかく振り感がとても軽く、気持ちよくフィニッシュまで振り切りやすいシャフトだと思いました。これなら最近の重ヘッドでも、もたつく感じがなく振れると思います。ヘッドスピードも少し上がりそうな感じがするので、ドンピシャでハマれば飛距離も伸びそうです。元々人気のある「Orange」シリーズなので、今回もかなり人気が出るんじゃないでしょうか。ぜひ皆さんもこの軽く振り切れる感じを味わってみてください。


ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。