球のつかまり過ぎが抑えられる!挙動はまるでアイアン!

初めて「UX-003」を手にした小倉はまずショットのイメージ作りに大きく影響するルックスをじっくりと吟味した。「UX-003」の構えやすさを。

「UTはロフトが増えるとどんどん出っ歯になっていくのが普通です。しかし、『UX-003』にはそのような違和感がなく、3番から7番までの5本が自然な流れになっています。とくにロフトが増えても左に飛びそうな嫌なイメージが湧かないところは上級者にとって大事なポイントです。ネックからフェースへのつながりなど作り込みがとても上手で、ショート番手でもスクエアに構えやすく弾道イメージの出しやすい顔です。使い手のことを一番に考えてくれているフォーティーンらしさがパッと見で伝わってきました」

左から3h(18度)、5h(24度)、7h(31度)。どの番手もスクエア感があって自然と真っすぐ構えられる。
大型化傾向にある昨今のUTと比べるとラインナップのすべてが小ぶり。ソール以外はマット仕上げのシブいブラックで、5本のラインナップがズラリと並ぶと存在感がある。

ミスに強いUTの長所を生かしつつ、つかまり過ぎるミスを解消

初見から「UX-003」のツカミは上々といったところ。では、実際に打ってみて小倉はどう感じたのか。“構えた印象とスイングした時のフェースコントロールのしやすさが一致してこその操作性”とフォーティーンは謳ってきたが、「UX-003」にもしっかり継承されているようだ。

「UTは一般アマチュアにとってはお助けクラブ。もちろん『UX-003』も入射角や打点がブレてもそこそこ球が上がり、キャリーが出て飛んでくれます。でも『UX-003』が並みのUTと違うのは、やさしさ一辺倒ではなくアイアンとのつながりを熟慮して作られているところです。それをもっとも感じるのは、球のつかまりが抑えられている点です。UTにありがちな左に飛ぶ球が出ないのは見た目の印象通り。まるでアイアンのような挙動でボールをとらえることができます。高弾道でミスに強いUTは多いですが、それもある程度カバーしつつ上級者が嫌うつかまり過ぎを消してくれています」

かといって難しいわけではなく、UTに求められるやさしい要素もきちんと押さえられている。バランスのよさこそ「UX-003」の真骨頂だ。

「全番手がシャフトの軸線に対して重心位置が深すぎない設定になっていると思います。振り心地が完全にアイアン寄りで、ロングアイアンやミドルアイアンを振っているような感覚です。これはフェアウェイウッドが苦手な人はもちろん、アイアン型UTやロングアイアンが苦手な人も絶対に試すべきです。やさしく前に飛んでくれるだけでなく、フェアウェイウッドとアイアンの仲を取り持ち、距離差もきれいに刻んでくれる架け橋のようなクラブです」

打点ブレに強いUTの長所と球をコントロールできるアイアンの長所を兼ね備えている。
その秘密は深すぎず、低すぎない絶妙な重心設計にある。

ちなみに「UX-003」の重心深度は24.7mmと適度に浅めで、フェースアングルはスライスフェース。造りの上でも「つかまりすぎない」という小倉の感想を裏付けている。加えて35.5mmの重心距離が操作性に貢献。ボールを上からしっかりとらえられるゴルファーが飛距離をロスしないよう重心高はやや高めの20.3mmに設定されているところもミソだ。

作り込み次第でどんなアイアンセットにもベストマッチのUTになる

ヘッド性能のみならず、純正シャフトとのマッチングも秀逸だという。

「80g台の純正シャフトはとても当てやすく、余計なことをしないスチールっぽいシャフト。長さ以上に飛ばすとか、つかまえる類の動きをしません。今のUTのシャフトはビュン!と走る感じのものが大半。また、軽いシャフトが増え、その方がやさしいと思い込んでいるユーザーも多いですが、しっかり芯でボールをとらえるにはある程度重量がないといけません。芝にも負けるし、遠心力が出きらず薄い当たりになりやすいからです。その点、『UX-003』には適度な重量のシャフトが付いているし、長すぎないので当てやすい。90〜100g台のシャフトを使っている人も、そのままハマる可能性が高いです。また、スチールを使っている人なら同じスチールを入れてもイケる。フィッター目線で見ても『UX-003』の対応力の広さは群を抜いています」

専用シャフトのFT-80uは、セミアスリート向けにクセのない挙動を追求したモデルだ。
3種類のスリーブ(±1度=標準、±0.5度、±1.5度)と専用ウェイト(1〜16g)によりライ・ロフト角の微細な調整と振り心地のカスタマイズが可能。

上級者はもちろん、ミドルアイアンに苦手意識のあるゴルファーも試すべき

「UX-003」は上級者仕様という触れ込みだが、具体的にどんなゴルファーに向くのだろうか? 小倉はセッティング次第でかなり幅広いゴルファーにフィットする可能性を感じるという。

「ドライバーのヘッドスピードでいうと、3、4番は最低でも40m/sはほしいですが、5〜7番は30m/s台でも打てると思います。『UX-003』が素晴らしいのは、“カチャカチャ”用のカスタムスリーブとウェイトはたくさん用意されていて、ロフトも重さもきめ細かく調整できるところです。これが何を意味しているかといえば、どんなゴルファーにも、どんなアイアンにもベストマッチのUTが作れるんです。今のアイアンは7番でロフト25度もあれば35度もあります。『UX-003』ならどんなアイアンを持ってきても飛距離の差をしっかり分けたセッティングに作り込めます。本来ある程度ミートできる人のためのクラブですが、作り込むほど光るし、幅も広がるクラブだと思いますね」

「アイアンがストロングロフト化し、ミドルアイアンが打てない人が増えている中、ちゃんと番手をつなげられるよう7番まで用意してくれているところに、フォーティーンがゴルファーに寄り添ってくれているメーカーであることを感じます」(小倉)

クラブフィッターと「UX-003」を軸にしたクラブセッティングについて考えてみた

最後に小倉と「UX-003」とアイアンの推奨セッティングを考えてみた。フォーティーンの「TB-5フォージド」や「TB-7フォージド」であれば同じ番手でロフトが1度ずつ寝ている「UX-003」はそのまますっぽりハマって適正な飛距離の差が作れるが、小倉は飛び系アイアンと組み合わせるのも面白いと提案する。

「例えば、7番でロフトが25〜28度くらいの飛び系アイアンと組み合わせる場合は、それより上の番手では絶対に球の高さが欲しいので、7番アイアンのすぐ上に「UX-003」を入れたい。7番と6番のどちらを持ってくるかはアイアンの飛距離次第ですが、いずれにせよ高い球が打てる「UX-003」を入れれば一気に楽になります。アイアンでは狙えなかったグリーンを狙えるようになるでしょう」

飛び系アイアンで高さの出ない人でも「UX-003」の6番(6h)や7番(7h)なら楽にキャリーが出せる。

逆に「UX-003」の3、4番を有効に使えるのはどんなセッティングなのか?

「クラブの長さが苦手な人は3Wや5Wが打てませんが、実はある程度重量があると当たるようになる人が一定数います。かといってフェアウェイウッドを重くするのはみんな怖いですよね。そうなると少し短くてミートもしやすく、ライナー性の強い球が打てる『UX-003』の3、4番が武器になります。とくに狭いコースや風の強いコースでのラウンドが多い人にはアドバンテージになるでしょう。もちろん、ある程度ヘッドスピードは必要ですが決して難しくはありません。普通に振れば適度な長さなので当たるし、つかまらないわけでも、つかまりすぎるわけでもありません。フォーティーンの取り扱いショップならフィッティングもしっかりやってくれますから、頼ればもっといいセッテイングができるはずです」

「UX-003」の3番、4番はFWのミート率がよくない人にオススメ。

UTはフェアウェイウッドとアイアンの“いいところ取り”をしたやさしさが売り。しかし、熟練プレーヤーにはそれが裏目に出る一面もある。その最大の原因がアイアンとのつながりだ。UTとアイアンは形も素材も違うクラブだから仕方ないと割り切ることなく、アマチュアのために一から企画し作り込まれたのが「UX-003」というわけだ。「UX-003」を一度試してみると自分の中でUTの概念が塗り替わるに違いない。

「UX-003」はUTの寛容性にアイアンの操作性をプラス。フィッティング次第でアベレージから上級者まで幅広いゴルファーが使える新世代のUTといえる。(写真は5h)