前半「31」で一時は首位に

最終組の3組前でプレーした河本は2番で4メートル。3番では2メートル。4番でも7メートルを決めて3連続バーディーを奪います。

6番ではグリーン左からの20ヤードをチップインさせるバーディーでこの時点では首位に駆け上がりました。

後半は11番でのボギーがひとつだけとなりましたが、逆転優勝へ向けてまずまずの位置で最終日を迎えます。

好調の理由を「いいパットをずっと打ち続けたので」と言いました。当たり前のように聞こえますが、東名CCでこう言えることに大きな意味があります。

過半数が30パット以上も「硬くて速いグリーンが好き。イメージが出る」

この日のグリーンコンディションはスティンプが12フィートでファームネスメーターが275というものでした。

それだけでなく、富士山が間近に迫ることもあってか「グリーンが読みづらいです。結構切れたり、芝目以外にも、よくわからない転がり方をすることがある」と全英女子オープン覇者の桑木志帆に言わせるほどの難コンディションで、初日は108人プレーした過半数の56人が30パット以上を記録したほどです。

ちなみに先週の「日本女子オープン」最終日での30パット以上は60人中20人だったので、多さがわかります。

そんなグリーンを河本は「ラインに乗せさせすればいいから、硬くて速いのは好きです。イメージがでやすい」と言います。

驚異的な“足裏力”で0.5%の違いも感じ取る

ここで威力を発揮しているのがエイムポイントです。

パットのラインを読む際に、傾斜とスピードに応じて指を何本か立てて曲がりを判断する姿がおなじみですが、河本は「指1.5本とか、そういう単位で見ています」と言います。

さらになんといっても大事なのが、その傾斜が指何本分かを判断する足の感覚です。

これについて河本は「0.5%単位で区別できる自信があります」と言い切ります。

0.5%は1メートルで5ミリの傾斜、ということなので、常人には到底判別できないレベルを感じ取ることのできる能力です。

その自信があるからこそ「けっこう目で惑わされるコースなので逆にチャンスだと思っています」とまで言えるのでしょう。

富士山が雄大に構え、その裾野に広がるコースでは「見た目でやられて、平衡感覚もおかしくなる」(河本)ことすらあるそうですが、練習グリーンでは常に傾斜計を使って自身の足裏の感覚と答え合わせする作業をすることで、常に感覚を研ぎ澄まさせています。

昨年最終日は濃霧で変則9ホール 今年は秋晴れの下での勝利を

昨年の最終日は濃霧に見舞われ、変則9ホールの使用してのプレーとなりました。

河本はその大会でも平均パット数は全体3位の数字を残しています。

秋晴れが予想される最終日。「ラインが良ければ10メートルでも狙っていける」パッティングで逆転優勝を狙います。

(取材・文/森伊知郎)