1959年、滋賀県初のゴルフ場として開場した琵琶湖カントリー倶楽部。日本オープンや日本女子プロゴルフ選手権、日本シニアオープンなど、数々の主要競技の舞台になってきた歴史あるゴルフ場だ。
2019年にグレッグ・ノーマン・ゴルフコースデザインを設計パートナーに迎え、改修プロジェクトが始動。伝統を受け継ぎながら、現代のゴルフに求められる戦略性とプレーのしやすさを追い求めてきたという。

テーマは日本の「里山」

ノーマンが設計で大切にしたのは、人と自然が共生する「里山」の考え方。自然の中にコースを押し込むのではなく、まるで昔からそこにあったかのように景観に溶け込ませる。既存のホールレイアウトを尊重し、自然への影響を抑えながら、特に力を注いだのがグリーンとその周辺だという。

琵琶湖コースと三上コースは、地形も個性も異なる。ノーマンはその違いを均一にするのではなく、グリーンの造形やバンカーの特徴、戦略性と自然景観の関係に共通の思想を持たせることで、18ホール全体に統一感を生み出した。個性はそのままに、一本の筋が通っている。回ってみると、その意図が自然と伝わってくる。

実際に回って感じた「やられた!」の連続

今回、実際にラウンドをさせていただいた感触としては、かなり手強いゴルフ場ということ。以前よりバンカーが増え、ティショットの時点から気が抜けない。「ここは大丈夫でしょ」と思った場所に、ちゃんとバンカーが待ち構えていた。

というのも、「考えてプレーするコースにしたかった」という設計の思いどおり、ショットの一つひとつに丁寧なマネジメントが求められる。だからこそ、1ホールごとに新鮮な発見があり、18ホールを通して飽きることがない。

ただ難しいだけでなく、遊び心もたっぷり。琵琶湖を模した池が現れたかと思えば、ハート形のバンカーまで登場。思わず写真を撮りたくなる可愛さだが、入れたら現実に引き戻される(笑)。

しかし、バンカーも池も、ミスを罰するためだけに置かれているわけではない。攻めるのか、刻むのか、リスクとリターンを天秤にかけさせる戦略的な配置だと、回るほどに実感した。ピンの位置やアプローチの角度で攻め方が変わるグリーン周りや、ポテトチップスグリーンと呼ばれるグリーンが多く、むしろ楽しくなってしまうほどだった。

最後に待つ、ドラマチックな3ホール

ノーマンが特に注目してほしいと語るのが、三上コースの最終盤。新しいシグネチャーコースでは、7番パー5、8番パー3、9番パー4が、それぞれ16番、17番、18番として生まれ変わった。

琵琶湖の池に寄り添う3段グリーン

フィニッシングホールとなる18番パー4は、ドラマが生まれる仕掛けが満載。ティイングエリアの延長で距離を変えられ、広いフェアウェイは積極的な攻めを誘っている。ところがグリーンに近づくにつれてフェアウェイは絞り込まれ、ショットの正確性が一気に問われる展開に。

待っているのは、琵琶湖を模した池に隣接する大きな3段グリーン。池が迫るプレッシャーに加え、ピンの位置や段によって、クラブ選択も変わってくる。ノーマンは「複数の攻略ルート、リスクとリターン、記憶に残るドラマ」を備えたホールこそ素晴らしい最終ホールだと語っているのだが、最後の一打まで目が離せない、まさにその言葉どおりのホールだった。

どこを切り取っても絵になる景色

難しさの合間に目に飛び込んでくるのは、美しく整えられた景色。木々に囲まれたフェアウェイが続き、「これぞ日本のゴルフ場!」と言わんばかり。苦戦しているのに、気づけばずっと笑顔。ある意味、これが一番の魔法かもしれない。

練習場も本格的!

こちらは朝7時から利用可能な練習場。距離は250ヤードもあり、全21打席(または16〜21打席)を完備。

パッティンググリーンに加え、アプローチ・バンカー練習エリアも併設されており、ラウンド前のショートゲームの調整も可能。

ちなみにパッティンググリーンはこんな感じ。「押」ボタンを押すと、カップに入ったボールがパッと地面に飛び出てくるところも新鮮で、楽しかった。

「また来たい!」ーー難しさも、きっと思い出になる

新しいコースを造るのではなく、その土地の魅力を引き出して、長く愛される場所にする。ノーマンの哲学が、細部まで息づいたコースだった。

バンカーに苦しみ、池にハラハラし、絶景に癒やされる。そんな一日が過ごせるのが、新生・琵琶湖カントリー倶楽部。11月のオープンに合わせて、ぜひ自分の目と腕で確かめてみてほしい。

おまけ

 朝食は、鮭魚の和定食で、お昼は、鰻重&牛丼をペロリ。ご飯も美味しくて大満足の1日となった。

琵琶湖カントリー倶楽部

〒520-3005 滋賀県栗東市御園513番地
Tel:077-558-0121