過去18回の勝者は、アメリカツアー優勝経験者と初優勝が6人ずつ

1983年に「紀文レディースクラシック」として始まったこの大会が武蔵丘GCで行われるようになったのは2004年から。

一時開催コースが変わったことがあったものの、これまでに18回が武蔵丘で行われています。

過去の大会を振り返ってみると複数回優勝はおらず、アメリカLPGAツアーで優勝経験がある選手が6勝(※日本開催の「TOTOジャパンクラシック」を含めると7人)。

一方でツアー初優勝を挙げた選手も6人いるという、珍しいバランスになっています。

なぜ、このような現象が起きるのか?

大会のゼネラルプロデューサー(GP)を務める戸張捷さんに聞いたところ「ピンポジションの決め方は『リスクアンドリワード』。リスクを恐れず、なおかつ正確にピンを攻めることができた選手がバーディーを取れるようにしているから』との答えが返ってきました。

「リスクアンドリワード」のピンポジション

とりあえずグリーンに乗せてパットが入ればバーディー、というのではなく、チャンスに付けるためには風向きなどによって時にはグリーン左右の危険なエリアからピンを狙う必要がある。

その攻め方を選んで、かつ正確に実行できた結果としてバーディーが取れる、というのがセッティングの意図です。

首位タイの3人は佐久間が7バーディー、ノーボギーで65。

山路が7バーディー、1ボギーの66で小祝は日5バーディー、1ボギーの68でした。

それだけに伸ばし合いの日かと思いきや、カットラインの50位タイは初日のイーブンのままで変わらずでした。

このスコアにきっちり正確に攻められた人は伸ばして、そうじゃない人は伸ばせないか落としたので、カットラインは変わらなかったことが表れています。

なぜ初優勝することができるのか?

そうなるとLPGAツアーでの優勝経験がある実力者が勝つのは納得です。

一方で同じ人数の初優勝者が出ているのはなぜ?と思うところ。

その疑問に戸張GPは「怖いもの知らずで攻めていくからではないでしょうか」と答えてくれました。

最終日最終組の顔ぶれを見ると、昨シーズンの年間女王の佐久間と、通算12勝を挙げている小祝。そして初優勝を狙う山路と、まさに実力者VS初優勝狙い、の対決になりました。

地元埼玉での優勝を狙う佐久間が「地元で勝ちたいという気持が強いので、明日もいいプレーを皆さんにお届けしたいと思います」と言えば8番パー3で「なんで入らなかったんだろう?」と振り返るほどのスーパーショットでバーディーを奪った小祝も昨年7月の「明治安田」以来の勝利に意欲を見せています。

現在ポイントランキング55位でシード獲得(50位以内)圏外の山路も「優勝をめざして、皆さんが楽しめるゴルフをしたいです」と一気にジャンプアップすることを狙います。

トップ10に初優勝を狙う選手が7人も!

他にも1打差の4位には野澤真央。

3打差の5位タイにも藤本愛菜、鳥居さくらと初優勝を狙う選手がトップ10内に7人もいます。

こうした選手が怖いもの知らずで攻めてきてバーデイーラッシュとなるのか。

あるいは実力者がさすがのマネジメントをしてくるのか。

単純にスコアを追うのではなく、選手たちがどんな攻め方をしているのかを注目すると、最終日がより面白い見方ができそうです。

(取材・文/森伊知郎)