アジアシリーズ3戦で日本勢が2勝 今週の「TOTO」も過去10年で5勝

今シーズンのLPGAツアー秋のアジアシリーズは全4戦のうちの3戦が終了しました。

初戦の「ビュイックLPGA上海」では地元中国のイン・ルオニンが勝ちましたが、その後の「BMW女子選手権」(韓国)と「メイバンク選手権」(マレーシア)は吉田優利と山下美夢有の日本勢が2週連続しています。

吉田は“アウェイ”の韓国で世界ランキング3位のユ・ヘランとの4打差を逆転するという強烈な印象を残しました。

アジアシリーズのラストを締めくくる「TOTOジャパンクラシック」(5~8日、茨城・太平洋クラブ美野里コース)は直近の10年で、コロナ禍による渡航制限によって日本ツアーの単独開催となった2大会(2020、2021年)を除いた8大会で、日本勢が5勝と圧倒的な強さを誇っています。

さらに山下は先月のヨーロッパ女子ツアー「アラムコ韓国選手権」でも優勝しています。

昨年は上海で勝みなみが女王ティティクルと大激闘

昨年も「メイバンク選手権」で山下が。

「TOTO」は畑岡奈紗が荒木優奈とのプレーオフを制して優勝しました。

「ビュイック」では勝みなみがジーノ・ティティクルと5ホールに及ぶプレーオフの末に惜しくも敗れました。

年間女王となったティティクルは昨シーズン3勝しており、他の2勝はいずれも2位に4打差をつけています。

つまりLPGAツアーの選手で女王を最も追い詰めたのは勝だった、という見方もできます。

この試合では山下も4位に入っていました。

アジアシリーズで年間女王争いが大きく動く!?

LPGAツアーが年間女王を獲得ポイントで決めるようになったのは2022年から。

以後の4シーズンの女王で最もポイントを稼いだのは2024年のネリー・コルダで4368.319ポイントでした。

逆に獲得ポイントが最も低かった女王は2023年のリリア・ヴで3161.968ポイントでした。

通常のLPGAツアーの試合では優勝すると500ポイントを獲得することができます。

もしアジアで2勝できたらそれだけで1000ポイントですから、女王争いに向けて大きく加算できることになります。

昨年の山下は「メイバンク選手権」で勝った翌週の「TOTOジャパンクラシック」は3位でしたが、これは最終日のラウンドが悪天候で中止になったことで前日までの1打差3位がそのまま最終成績になったものでした。

もし最終日が行われていたら、本当に2週で1000ポイントを稼いでいたかもしれません。

予選落ちがないことも活躍を後押し?

出場人数が絞られる秋のアジアシリーズには予選落ちがありません。

ともすれば「まずは確実に予選通過」と考えがちなのが、出場して棄権や失格がなく“完走”すればポイントと賞金が確実に得られるということで思い切って攻めるプレーに徹して好結果につながっているのかもしれません。

こうした状況が続けば年間女王を狙う選手にとって日本勢が脅威になるとともに、アジアシリーズを軽視することができなくなります。

ティティクルが4年ぶりに「TOTO」に出場 山下と女王争いで真っ向勝負!

今年の「TOTO」にはティティクルがルーキーだった2022年以来、4年ぶりの出場をするのもその影響かもしれません。

直近は7試合連続トップ10入りで2勝を挙げる好調です。

アジアシリーズは「BMW」と「メイバンク」をスキップしましたが、その2試合で日本勢が勝ち、ランキングで山下に抜かれて3位に後退しただけに、抜き返してフロリダ2連戦につなげる気概で美野里に乗り込んでくるでしょう。

日本勢が猛威をふるうことで女王争いが日本で見られるようになる。

その女王争いをしているのが日本選手なのですから、ファンには嬉しい限りです。

(文/森伊知郎)