完全復活! タイガー・ウッズ、現地取材陣が語ったテレビに映らない真相(1/5)
タイガー・ウッズ マスターズ詳細|TIGER IS BACKの裏側 Part1
タイガーの最終組が15番をプレー中、首位タイには5人が並ぶ混戦状態だった。
過去14勝のメジャーではすべて逃げ切りだったタイガーはいかに初の逆転で、復活優勝を飾ったのか?
TIGER IS BACKの裏側
●Part1:タイガー・ウッズ 完全復活!
●Part2:テレビに映らなかった全18ホールのドラマ
●Part3:運命のパー3
●Part4:10年前とは別人!
●Part5:新ライバル
完全復活!タイガー・ウッズ
1997年 21歳の史上最年少でマスターズ初制覇
96年にプロ転向したタイガーは、翌年の「マスターズ」を21歳3カ月の史上最年少で制覇。同年にはPGAツアーの賞金王も獲得し、ゴルフ界の若きスーパースターの道を歩みはじめた。
2008年 全米オープンの死闘から、11年!
11年間、メジャータイトルから遠ざかっていたタイガー、前回の優勝は伝説の死闘と呼ばれている08年の「全米オープン」。左ヒザのケガを抱えていたタイガーは、ときおり左足を引きずりながら、ロッコ・メディエイトとのプレーオフを含めた91ホールを制した。
ケガ、スキャンダル、長期欠場で世界ランク1199位に
2009年 交通事故から不倫スキャンダル発覚
2010年 プロ入り以来、初の優勝なし
2011年 賞金ランクが128位と低迷
2012年 2年半ぶりの優勝で年間3勝!
2013年 年間5勝で、4年ぶりの賞金ランク1位
2014年 マスターズ、全米オープンも欠場
2015年 自身初の最下位で予選落ち
2016年 1年間、全試合を欠場
2017年 運転違反で逮捕、世界ランク1199位
2018年 本格復帰で最終戦「ツアー選手権」優勝
2019年 11年ぶりのメジャー優勝マスターズで5勝
優勝の雰囲気は、初日から感じられた。
現場でのタイガーは「見る」ではなく「聞く」だった。1日、5万人以上のパトロンが訪れた今年のマスターズは、タイガーの組には常に何重もの人垣が出来ていた。オーガスタは記者やカメラマンもロープ内には入れない。さらに、コース内では携帯電話の持ち込みも禁止されているので、コースに出ると取材班もスコアボードだけで試合状況を確認することになる。最終日はタイガーがバーディをとって、手作業によってリーダーズボードが更新されると大歓声が何度も上がった。だから、コース内のどこにいてもタイガーの活躍が聞こえてきたのだ。
現地にレポーターとして訪れていた加瀬秀樹は、初日からタイガーの変化を感じていた。
「昔に比べて、初日から最終日まで、とにかく静かで穏やかな雰囲気でプレーしていた。初日は2アンダーですが、それでも優勝しそうな雰囲気がありました。バーディを奪っても、ボギーを叩いても、ほとんど喜怒哀楽を出さない。完璧なメンタルコントロールをしていると、あういう状態になるかもしれませんが、淡々とショットを打ってパターを沈めている。個人的には、あの雰囲気が優勝につながったと思います。派手なガッツポーズをしたのは、優勝を決めた後でしたからね」
最終日のコース内は熱狂状態だったが、大歓声の嵐の中でもタイガーだけが穏やかな空気を身にまとっているようだった。
GOLF TODAY本誌 No.564 142〜147ページより