ゴルフ新ルール|バンカー内で小石をどけてボールが動いてしまったら?
ここがわからない!新ルールの後始末 第5回
どうせ1罰打ならアンプレヤブルにしたいけれど、ダメなの?
①小石を取り除かないと打てないケースでは、アンプレヤブルがオススメ。同じバンカー内なら1罰打で救済エリア内にドロップできる。
②小石などのルースインペディメントがバンカー内でも取り除くことができるようになった。しかしその際にボールが動いてしまうと1罰打となる。
小石をどけた時に球が動いてしまったら1罰打でリプレース
2019年からの新ルールでは、ペナルティーエリアとバンカー内でもルースインペディメント(自然物)を無罰で取り除けることになった。
バンカー内の整備が行き届かず、小石が混じっている場合、そのまま打つとクラブが傷ついたり、思わぬケガをしてしまう危険性もある。
以前は、ローカルルールで「動かせる障害物」扱いにして、無罰で取り除くことができるようにする手段があったが、現在のルールではそれはできない。
ルースインペディメントの1つとして無罰で取り除けるようになった代わりに、ローカルルールで「動かせる障害物」とすることが原則的にできなくなったのだ。
一見、どちらにせよ無罰で取り除けるのだから問題はない、と思えるかもしれないが、実際に小石をどけた時に、球が動いてしまうと1罰打となる。「動かせる障害物」とは、ここが大きく違う。
無罰で取り除けるようになったのだから「自然物(ルースインペディメント)」と「人工物(動かせる障害物)」の扱いは明確に分けたいというR&Aのスタンスはよく理解できるが、小石にピッタリ球がくっついて止まっている場合はどうすべきか。
オススメは、アンプレヤブルだ。同じバンカー内なら1罰打で救済エリアにドロップできる。
さて、問題は、くっついた小石をなんとかどけようとして、結局球を動かしてしまった場合。小石はどけたままで構わないが、球は1罰打で元の位置にリプレースしなければならない。
ここで「同じ1罰打ならアンプレヤブルを宣言すれば、次のストロークの前だし、球を動かしたことは〝なかったこと〟にして、もっといいライにドロップできるかも」と考える人もいるかもしれないが、もちろんそれはNG。
自然物の取り除きは動作を起こす前にアンプレヤブルを
後付けで、別の救済処置を受けても、罰打を受けた行為は消えない。ドロップなどの処置ミスのやり直しとは、まったく違うのだ。
たとえば、ペナルティーエリアでそのまま打つつもりで近くの枯れ葉を取り除いた際に、球を動かしてしまった場合も同様。打つのを止めて、1罰打で赤杭の外にドロップしたとしても、球を動かした1罰打が消えることはない。
もし〝なかったこと〟にしてドロップし、プレー続行したらどうなるか。1罰打分の過少申告で競技失格となる。
くれぐれも、明らかに球を動かしてしまいそうな小石や枯れ葉、木の枝などに密着している場合は、取り除く動作を起こす〝前〟にアンプレヤブルを検討してほしい。
今回のポイント
・バンカー内でも小石や枯れ葉は無罰で取り除ける。
・取り除く際に球を動かしたら、1罰打でリプレース。
・後付けでアンプレヤブルにしても1罰打は別に加算。
GOLF TODAY本誌 No.576 127ページより
【関連】ゴルフ新ルールへ2019年改正|OB・ドロップ・パットなど変更点まとめ
【シリーズ一覧】
●第1回:うっかり肩の高さからドロップしちゃったら?
●第2回:風で動いたボールなのにうっかり戻しちゃった!
●第3回:赤杭の中にある排水口に止まった球、普通に無罰でドロップして打ったけれど…え、ダメなの?
●第4回:バンカー内でボールが戻って足元に触れて止まったら?
●第5回:バンカー内で小石をどけてボールが動いてしまったら?
●第6回:サブグリーンのカラーにある球は“あるがまま”で打ってもいい?
●第7回:ドライバーに鉛1枚貼るのがルール違反になる!?
●第8回: ウェッジには長さの制限ができたってホント!?