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ゴルフ新ルール|ドライバーに鉛1枚貼るのがルール違反になる!?

ここがわからない!新ルールの後始末 第7回

2020/07/31 ゴルフトゥデイ 編集部

R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)によって、2019年1月1日から大幅に変更されたゴルフの規則。新旧ルールの違い、知っておくべき改正点をわかりやすく解説します。

GOLF TODAY本誌 No.578/125ページより

ドライバーに鉛1枚貼るのもアブナイってどういうこと?

鉛を貼ることによって慣性モーメントや、反発係数も変わることでルール不適合になる可能性もあるということを知っておこう。

慣性モーメントがルール不適合に!?

2019年のルール大改訂において「用具規則」も大幅に表記内容が変わった。だが日本国内では、未だに出版物としては発売されていないために、一般的にはほとんど認知されていないと思う。

現在、その2020年版はJGA(日本ゴルフ協会)のホームページで、日本語訳文を確認することができる。

まあ、用具の規則といっても、信用できるメーカー品を使用すれば問題ないはず。特に知識として覚える必要もないだろう……とは言い切れない点がいくつかある。
 
今回、紹介したいのは鉛テープを貼ることについて。旧ルールから、フェース以外ならクラブのヘッド、シャフトを問わず、重量やバランス調整用に貼ることはまったく問題はなかった。

ところが「新しい用具規則」の「パート2‐クラブの適合性 セクション1クラブa通則(ⅳ)外部的付属物」では、こう書かれている。

「大きな慣性モーメントを有するドライバーヘッドに鉛テープを用いることについての詳細は、下記のセクション4b(ⅰ)を参照のこと」

そこで「セクション4クラブヘッドb寸法、体積、慣性モーメント(ⅰ)ウッド」の「慣性モーメント(MOI)」の項を確認すると、後半にこう書かれていた。

「ドライバーヘッドのMOIはその重量や重心位置が変化することに影響を受けるので、重量調整ができるようにデザインされたドライバーはすべての配置において用具規則に適合していなければなりません(セクション1b調節性を参照)」

つまり、ネジ留め式の重量物の重さの変更や、配置による慣性モーメントの変化もルール適合内でなければならない、ということだ。

「さらに、ドライバーに追加的な重量を加える場合(例えば鉛テープ)、プレーヤーはそのクラブが依然としてMOIの制限範囲内となるようにしておかなければなりません」

最近のドライバーは反発係数でも慣性モーメントでも、ルール適合のギリギリを攻めた設計で作られることが多い。そのため、たった2g程度の鉛1枚でも、そのクラブを不適合にする可能性がある、とR&Aは指摘しているのだ。

実は、反発係数もヘッド重量が増えると、数値が上昇しやすい、ということもある。

もちろん、ユーザーには判断しきれないだろうから、R&Aもメーカーには重量調節に関する注意を表記するよう奨励する方針のようだ。

他の番手では問題ないようだが、取りあえずドライバーにベタベタ鉛を貼るのは、気をつけるようにしたほうがよいということだ。

【関連】ゴルフ新ルールへ2019年改正|OB・ドロップ・パットなど変更点まとめ

・ヘッドのMOIは5900(+誤差100)g・㎠が上限。
・鉛1枚でもルール適合の上限を超えてしまうことも。
・重量物を軽くするぶんには、MOIは上昇しない。


ここがわからない!新ルールの後始末

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【シリーズ一覧】
●第1回:うっかり肩の高さからドロップしちゃったら?
●第2回:風で動いたボールなのにうっかり戻しちゃった!
●第3回:赤杭の中にある排水口に止まった球、普通に無罰でドロップして打ったけれど…え、ダメなの?
●第4回:バンカー内でボールが戻って足元に触れて止まったら?
●第5回:バンカー内で小石をどけてボールが動いてしまったら?
●第6回:サブグリーンの上はプレー禁止だけど……
●第7回: ドライバーに鉛1枚貼るのがルール違反になる!?
●第8回: ウェッジには長さの制限ができたってホント!?