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ゴルフ新ルールへ2019年改正|OB・ドロップ・パットなど変更点まとめ

2021/04/02 ゴルフサプリ編集部

ゴルフ新ルールへ2019年改正|OB・ドロップ・パットなど変更点まとめ

2016年にゴルフがオリンピック競技に復帰後、以前から問題視されていたルールの複雑さと、プレー時間の長さに対する改善の気運が高まり、2019年にルールの大改正に踏み切ったR&AとUSGA。

元々、ゴルフ規則はプレーヤー全員に公平なプレー条件を提供するためのもの。たとえば自打球のように、プレーヤーに利益が生じないミスに対する罰打など、本来は必要ないはず。

このように、不要な罰打や救済処置を簡便化すれば、プレーもスピードアップする。 旧ルールから新ルールへどのように変わったのか確認してみよう。

GOLF TODAY本誌 No.559 168〜173ページより

[目次]

2019年ゴルフ新ルール|改正後の変更内容について

新ルールへ改正でプレーがスムーズに!

  • ドロップの高さが低くなり、再ドロップの可能性が激減。
  • 旗竿を立てたままでパット、カップインが認められる。
  • バンカー、ペナルティーエリアで小石や枯れ枝を取り除いていい。
  • 同伴競技者の立ち合い不要でボールの確認、交換ができる。
  • “遠球先打”にこだわらず、準備できたプレーヤーから打てる。

ドロの付いたボールの確認の時も同伴競技者を呼ばなくてよくなった!

新ルールへ改正で初心者にもやさしく!

  • バンカー内のアンプレヤブルで、2罰打を払えばバンカー外にドロップできる。
  • チョロしてもティーイングエリア内なら無罰で再ティアップできる。
  • コンペなどで、各ホールの最大スコア(上限)を決めることができる。

かすって落ちたボールはティーイングエリア内ならもう一度ティアップして打つことができる

新ルールへ改正で不要な罰打が減った!

  • 打球が自分やキャディ、カートに当たっても無罰でプレー続行に。
  • ボール探しでうっかり自分のボールを蹴飛ばしても、無罰でリプレース。
  • グリーン上でうっかりボールを動かしても無罰でリプレース。
  • ペナルティーエリア(赤杭、黄杭)内でソールしても無罰に。
  • 「2度打ち」でも無罰、1ストロークに。

林の中で打ったボールが木にはね返り自分に当たっても無罰になった

2019年のゴルフルール改正でコースの呼び方が変わった!

ティーイングエリア
旧ティーインググラウンド。ティーマーカーを結んだラインの2クラブレングス後方までのエリアのみ示し、それ以外はジェネラルエリアとなる。

ジェネラルエリア
旧スルーザグリーン。フェアウェイ、ラフ、カラーなど、他のエリア以外のすべて。打球が埋ったら、どこでも無罰で救済を受けられる。

ペナルティーエリア
旧ウォーターハザードと、新たにブッシュなどプレーが困難な場所を赤杭、黄杭で囲んだエリア。救済処置は、黄杭は以前と同じ。赤杭はラテラル処置と呼ばれ、対岸エリアの処置がなくなった。

バンカー(呼称変更なし)
バンカーの呼称は変わらないが、ペナルティーエリアとの区別が明確に。ソールできないのは以前のままだが、ルースインペディメントは取り除けるようになった。

パッティンググリーン(呼称変更なし)
パッティンググリーンも呼称は変わらず。救済ではドロップの処置はなく、プレースかリプレースで処置する。

ゴルフ新ルールへと改正後は膝の高さからドロップがOKに!

救済処置といえばドロップ。その作法が大きく変わる。肩の高さからではなく、膝の高さから落とすようになるのだ。

落とす位置が低くなったことにより、ボールが跳ねたり転がったりして救済エリアから外れる可能性は激減。そのため、以前の「2クラブレングス以上転がったら再ドロップ」という条件はなくなり、救済エリアから外れた場合のみ再ドロップ、となる。

つい旧ルールのやり方でドロップしてしまっても、無罰でやり直せる。だが、もしそのままストロークしてしまうと1罰打となる。

《ヒザの高さからドロップ》

《跳ねて足に当たってもOK》

ドロップしたボールが跳ねて、偶然足などに当たっても、救済エリアから外れない限り、再ドロップは不要。そのままプレー続行でいい。

《救済エリアはほぼ変更なし》

救済エリアは基本的に以前のまま。ただし、ホールと元のボールの位置の後方線上にドロップする場合も線上に基点を設け、そこからホールに近づかない1クラブレングスの範囲が救済エリアとなった。つまり、線の左右に余裕ができたわけだ。

《救済エリアの計測はドライバーで》

救済エリアの計測は、バッグ内にあるパター以外で最も長いクラブ、通常はドライバーを使用することになった。パターだけが長さの上限規制がないため、除外されている。

ゴルフ新ルールへと改正後はボールを探せる時間が5分から3分に!

ボール探しでは、自分でうっかりボールを動かすと1罰打になることから、慎重になりすぎることもあったはず。

新ルールでは、それがすべて無罰でリプレースできるようになる。探せる時間は5分間から3分間に短縮されるが、ロストボールの判断もスムーズになるだろう。

また、バンカーやペナルティーエリアでもルースインペディメント、たとえば小石や枯れ枝を無罰で取り除けるようになる。クラブの損傷やケガの危険性も減るし、救済を受けずにあるがままでプレーを続行できる可能性も広がるだろう。

《ルースインペディメントを取り除ける》

以前は禁止だった、バンカーとペナルティーエリア内でのルースインペディメント(小石、枯れ枝などの自然物)の除去が可能に。また、ペナルティエリア内でソールしても無罰となる。救済を受けずにプレーできる機会が増えそうだ。

《ボール探しは3分間に》

ボールを探せる時間は5分間から3分間に短縮。暫定球などを活用してスムーズな進行を心掛けよう。

《うっかり蹴飛ばしても無罰に》

ボール探し中に自分のボールを偶然動かしても無罰になった。ボールを元の位置に戻すだけでいい。

ゴルフ新ルールへと改正後は旗竿(ピン)を立てたままパットできる!

今回のゴルフルール改正で一番話題となったのは、旗竿(ピン)を立てたままパットできるようになったことだろう。セルフプレーを楽しむプレーヤーが増えつつある昨今、スムーズな進行を考えると、合理的になったといえる。

注意してほしいのは、ストロークの前に旗竿の扱いを同伴競技者に明確にアピールすることだ。立てたままか抜いておくか、または同伴競技者やキャディに付き添ってもらうか。いずれにせよ、ストローク後に変更することはできない。

タップインの短い距離で、ストローク直後、ホールイン前に自分で引き抜くというのもNGだ。

【参考】2019年ゴルフ新ルール「旗竿(ピン)を立てたまま」パットしてみた!|野村タケオのゴルフ実験室

《旗竿(ピン)をどうするか要アピール》

通常、同伴プレーヤーやキャディは親切に旗竿に付き添おうとするはず。意思表示を明確にしよう。

《抜かないなら触らない》

「お先に」でタップインする際、間口を広げようと旗竿を手で押さえたりすると2罰打。先に抜いて、片手に持ったまま打つのは問題ない。

《グリーンの傷、直せないのは?》

改正された新ルールではスパイクや旗竿での引っかき傷など、ほとんど修復OKになった。ただし、エアレーションの穴だけは直せないことに。

2019年に改正されたゴルフ新ルールでは、こんなことも変更された!

新ルールではバンカーから2罰打で外に出せるように

以前は、バンカー内のボールを外に出せる救済は、アンプレヤブルの1罰打で前打地点に戻る場合と、水たまりか動かせない障害物でバンカー内では救済を受けられない場合の特例しかなかった。

だが、実際にはバンカーの土手から戻ったボールが手前のアゴ下に転がり込んだ場合など、対処しようがないケースもある。

そこで、新ルールでは2罰打で、ホールとボールを結んだ後方線上のバンカー外にドロップできるようになった。

新ルールでは「2度打ち」も自打球もおとがめなし

1ストロークで2回以上クラブが当たる「2度打ち」は、以前 は1罰打加算だったが、新ルールでは無罰になった。また、林の中で打球が木に跳ね返って自分に当たるなどの自打球も、1罰打から無罰になった。

いずれも”ボールの動きに影響を与えた“とはいえ、プレーヤー自身にプレー上の利益となることはなく、むしろデメリットになる事象という判断から、罰打がなくなったのだろう。“泣きっ面にハチ”となっていたルール上の問題点が解消された。

新ルールでは距離計測器は使ってもいいが“競技モード”で

以前はローカルルールで使用の可否を決めていた距離計測器が、全面的に使用可能になった。逆に、ローカルルールで使用制限をかけるようになる。

ただし、計測できるのは2点間の直線距離のみ。高低差や風力などはNGのままだ。

各メーカーもそれに対応しつつあり、高機能を生かす“通常モード”と、機能を制限する“競技モード”に切り替えられ、LED発光などで同伴プレーヤーからも見分けられるようになっているものも登場している。

新ルールでは“前進4打”に代わる新たなローカルも提案

海外にはほとんどなく、日本でよくみられるローカルルールの1つに“前進4打”がある。

OBやロストボールの際、ティーイングエリアまで戻ることなく、セカンド地点からプレーする方法だが、本来のルールでは“ストロークと距離の罰” の観点から邪道とされていたものだ。

ところが新ルールでは、これを容認。“プレーのペース、その他の深刻な低いプレーレベルだけで使用することを意図して”という条件とともに、具体的な処置方法を提案している。