ウェッジのロフトは何度が良いの？ 迷ったらPWのロフトを基準に4度刻みで考えてみよう
ゴルフライターT島が切り込む！フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情／第207回
アイアンのロフト設定がモデルによって大きく変わることで、PW以降のウェッジのロフト選びに悩む人は多い。そこで、今回のテーマは、「ウェッジのロフトは何度が良いの？」。ゴルフギアライター・T島氏と大蔵ゴルフスタジオのフィッター・金子氏が語り合います。
とりあえず52度と58度でいいや、はやめましょう
T島 この度、60度のウェッジをついに導入しました。
金子 たしか60度のウェッジを入れたいがために、FWのセッティングを「3W・5W・7W」から「4W・7W」に変えたんですよね（笑）
T島 その通りです。ウェッジは50度と56度の2本でしたが、そこに60度を追加。まだコースでは試していないのです。週末投入予定です。ちょっと試してみようかと。
金子 でも、T島さんは60度は安易にセッティングに加えるべきではない、という考え方でしたよね。
T島 はい。スコアメイクを考えると、アベレージゴルファーにとってはスコアを崩す可能性が高いクラブという認識は変わっていません。特に100切り、90切りがテーマのゴルファーにとって、危険度が高いクラブだと考えています。なぜなら、60度によるアプローチショットは、成功した時と失敗した時の落差が大きいだけでなく、失敗する可能性が高いと考えているからです。
基本的にゴルフクラブは、ロフトが小さいとボールに当てやすいですが、ボールは上がりにくい。ロフトが大きいと、ボールは上がりやすいですが、ボールに当てにくいですからね。
金子 ロフトが大きくなると、フェース面に当たる前に、歯やソールが地面に当たったり、フェースの歯がボールに当たってしまったりしますからね。フルショットと違って、アプローチではヘッドをゆっくり動かすので、特に難しくなる。
T島 はい。今回は「ウェッジのロフトは何度を入れるのが正解？」がテーマです。
金子 大蔵ゴルフスタジオのお客様からウェッジの相談を受けることはありますが「何度を入れたらいいですか？」という質問は、あまりないですね。「どんなウェッジ（ソール）が良いですか？」は、よく聞かれますけど。
T島 大方の考え方が”とりあえずビール“みたいな感じで「52度と58度でOK！」になっているからだと思います。「ゼクシオを使っておけば大丈夫！」みたいに。
金子 女性ゴルファーは、よく言われるらしいです（笑）
T島 たしかに、どちらも間違ってないのですけどね。ですが、もしも「ウェッジのロフトは何度を入れるべきか？」と疑問に思ったら、まずは自分のPWのロフト角を確認するべきです。
金子 アイアンセットのロフト角は、モデルによってかなり違いますからね。今どきの超飛び系アイアンの7番は26度だし、昔のプロモデルは36度。ロフトが4度刻みのセットだとすると、8番40度、9番44度、PW48度、だから、AWは52度になります。
T島 そうですね。最近だと、7番で30度が主流だから、8番34度、9番38度、PW42度になります。
金子 そうですね。そうしたPWのロフトに対応する形で、例えばタイトリストの「Tシリーズ」の場合は、PWの次にWと言う番手設定が設けられています。「Tシリーズ」の全番手にWと言う設定があるんですよ。
T島 48度ぐらいの単品ウェッジをフルショットしても、スピンがしっかり入るので、思いのほか飛ばなかったりするよね。
金子 そうなんです。ですから、フィッティングをしてWまで購入されるお客様が少なくありません。
T島 我々アマチュアゴルファーがプレーしているコースセッティングだったらWという番手はかなり役立つね。スピンが入りすぎてショートする心配が減るし、グリーンでもしっかり止まるでしょうから。
金子 そうです。ですから、PWの後にW（48度）を入れて52度、58度という流れにするのも良いでしょう。
T島 なるほど、私はPWが46度なので50度、56度という構成になっております。56度は58度でも良いんですけど、ロフトが小さい方が打点も距離もバラつきにくいから。ツアープロみたいに、超高速でカチカチのグリーンでプレーする機会もないですし、スピンが入り過ぎても困るので。
金子 そうですね。アプローチが苦手という方には、54度を提案することもあります。バンカーでも意外と使い勝手が良いです。飛ぶので脱出しやすいですからね。
T島 100切りゴルファーだったら、9番やPWのアプローチを練習したほうが良いですよ。とりあえずグリーンには乗せられるし、致命的なミスが出にくいですからね。
90切りゴルファーだったら50度と、54度もしくは56度でも良いですね。58度以上が必要なゴルファーは、目指せパープレーぐらいのレベルかと。
金子 そうですね。そういうわけなので「とりあえず52度と58度」という考え方は、誰にでも当てはまるものではないと思ってほしいですね。
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ウェッジの飛距離は一度きっちり計測しておいたほうが良い
T島 昔、ゴルフ雑誌で「フルショット100ヤードのウェッジを見つけよう！」みたいな企画があって、アマチュアゴルファーにアンケートしたら100ヤードは52度で打つという人が多かったのですよ。
金子 52度で100ヤードはちょっと厳しくないですか？ 届かないことはないかもしれませんけど。
T島 最近、フライトスコープからMEVO GENというコンパクトサイズの計測器を借りて、インドア練習場やコースで測ってみたら「俺の52度、そんなに飛ばないの？」って友達が驚いていました。
フライトスコープの「MEVO GEN2」（9月16日発売）を借りてウェッジの距離が揃っているかを確認した。
金子 大蔵ゴルフスタジオではアイアンセットを作っていただいたら、トラックマンで番手ごとの飛距離をチェックします。その時にウェッジを打って「アレ？」となる方は多いです。
T島 7番アイアン＝150ヤードと思っていた方が、実際に測ってみたらそんなに飛ばなくて驚かれるように、52度で100ヤードも同じぐらい机上の空論だったりしますよね。
金子 そうですね。でも「Tシリーズ」のWみたいな番手で、マン振りせずに100ヤードをキッチリ打てたら、なんて素敵ですよね。
T島 素敵だね。私も最近はウェッジのキャリーを揃える練習をやっています。フルショットだと50度ぐらいまでなら、結構距離が揃います。でも、56度、ましてや60度だと距離を揃えるのが難しい。
金子 しっかり正確な距離がわかる環境でウェッジを打ち分けてみて、「アレ？ このロフトだと距離が揃わないぞ？」と気付いたら、大蔵ゴルフスタジオでウェッジのフィッティングを体験してください。
T島 もちろん、グースの具合やバンス角、ソール形状、シャフトの違いというのは大切なんだけど、ロフト選びも再確認してほしいポイントなのです。ぜひお試しを！
T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な（笑）、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
大蔵ゴルフスタジオ
上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力／大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所：〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間：11:00〜19:00
定休日：毎週月曜日
TEL：03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/
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