低くコロがして寄せることをまず考えよう

プロたちはグリーン周りからのアプローチを打つとき、状況に応じてボールを低くコロがしたり高く上げて止めたりと、さまざまなテクニックを駆使しています。コロがしが得意な人もいれば上げるのが得意という人もいますが、私の考えとしてはコロがせるなら絶対にコロがしたほうがいいです。

高く上げるのはミスの不安がともなうけれども、コロがしは究極はパターでもいいわけですから一番ミスヒットが少ない。
たまに手前の芝を噛んでダフリ気味に当たりになっても、トップとかシャンクは絶対に出ません。それだけピンの近くに寄る確率が高いといえます。

これまで色々なツアープロのキャディバッグを担がせていただきましたが、山下美夢有プロのようにアプローチが得意な人は、コロがしが圧倒的にうまいです。25年はアプローチの巧さに定評のある森田遥プロのキャディもつとめました。彼女は52度と57度のウェッジを使い分けていて、コロがせる場面では必ず52度をチョイスしていました。それがほとんどベタピンなのには舌を巻いたものです。

「コロがせる状況ならできるだけコロがすべし」。アプローチがうまいプロほどこの鉄則に従っている。

プロたちはサンドウェッジのフェースを開いてボールを高く上げて止めるテクニックを駆使しているイメージをお持ちかもしれませんが、アプローチがうまい人ほど実際は低くコロがしています。ミスしないのはミスが出にくい打ち方を実行しているからです。上げてコロがすピッチエンドランは、「ボールが宙に浮いているから上げているじゃないか?」などという人もいます。でもプロたちの感覚としては上げる意識はなくて、低くコロがしているのです。

ボールが花道上で手前のグリーンエッジまでは20ヤード、ピンの位置が手前側でピンまで25ヤードという場面では高く上げてピンの手前に止めたくなりますが、こうした難しいショットはプレッシャーが大きいし、トップや大ダフリ、シャンクなどのミスと背中合わせです。PWやAWを使ってグリーン手前からコロがすほうがイージーで、成功率が断然高いと思います。


清水重憲(しみず・しげのり)
1974年生まれ、大阪府出身。97年にプロキャディとなり、谷口徹、上田桃子、イ・ボミらの賞金王、賞金女王獲得に貢献するなど第一人者として活躍。プロキャディ最多の通算40勝を誇る。


スコア80台でラウンドするためのゴルフ学


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