飛距離が+10ヤード、FWキープ率も上がった理由は? 体を低くしながら肩をタテに回転!






頭の位置がフォローで一番低くなる!
久常選手の特徴はフットワーク。足をすごく使うタイプのスイングで、バックスイングの途中からすでに左足を踏み込んでいます(写真03)。トップのときには左ヒザが曲がるくらい強く地面を踏んで(写真50)、ダウンスイングでは踏み込みからの反発で左足がめくれています。アマチュアの皆さんはダウンスイングから踏み込もうとするタイプが多いのですが、それでは遅い。ダウンスイングではすでにターゲット方向に回転できる力がかかっていることが飛距離につながります。
左足がめくれるくらいフットワークを使っているのに方向性が安定しているのは体の低さと肩の回転に秘密があります。久常選手はインパクトゾーンで左足を踏み込んでから蹴っていきますが、体はどんどん低くなっていきフォローで1番低い姿勢になっている。伸び上がる動きが一切ないのでスイング軌道が安定します。
体を低くしながら、肩はタテに回転。肩はヨコ方向に回るほどフェースローテーションは大きくなりますが、久常選手はタテ方向に回すことでフェースをほぼスクエアにキープしたまま打っています。フォローでもフェースを返していません(写真07)。それが方向性の良さにつながっています。
日本の下部ツアーでブレークした久常選手ですが、当時から飛距離は出ていました。でも、タテ回転と下半身の安定感が増したことによってドライバーショットの精度が上がった。それがPGAツアーでの活躍につながっていると思います。

バックスイングではすでに左ヒザが曲がりはじめるくらい左足を踏んでいる。
トップでもシャフトが約45度

トップでもシャフトが約45度傾いていて、コンパクトなトップで打っている。

インパクト以降は左足がめくれるくらい地面からの反発力を使っている。
和製ホアキン・ニーマン! ワキ腹を縮めれば沈み込んでもダフらない!
「体を低くしていくとダフってしまうのでは?」と思う人もいるでしょう。久常選手のスイングにはダフらないためのポイントがあります。





前傾角度がどんどん深くなる
前傾角度がどんどん深くなる
トップからインパクト、そしてフォローにかけてどんどん体を低く沈み込ませている久常選手。体が低くなるとダフってしまうイメージを持つ人も多いかもしれませんが、久常選手は右ワキ腹を縮めることによって、どれだけ低い姿勢になってもダフらないスイングをしています。これはLIVゴルフでも7勝を挙げてトップ選手として活躍しているホアキン・ニーマン選手に似たタイプです。
なぜ右ワキ腹を縮めるとダフらないのか。米国では「サイドベント」と呼ばれていますが、右ワキ腹をギュッと縮めることで、体と手元の距離が近くなる。手元が体から離れているとインパクトでダフってしまうのですが、手元が体に近いことでヘッドが垂れることなく体の回転と一緒に振り抜けます。右ワキ腹を縮めることによって久常選手の前傾角度はアドレスよりもインパクトの方が深くなっています(写真07)。右ワキ腹を縮めたら、それをフォローまでキープすることでスイング軌道が安定する。
久常選手のスイングはフットワークや沈み込みは豪快ですが、ヘッド軌道やフェースローテーションは穏やか。それが飛距離と方向性を両立させています。
アマチュアは逆の動きになっている人が多いです。ダウンスイングで右ワキ腹がゆるんでしまうので、伸び上がってしまう。久常選手のように縮めることで前傾角度がアドレスより深くなる姿勢を目指しましょう。ダウンスイングで右ワキ腹を縮めるためには、バックスイングで左ワキ腹を縮めておくことが必要。久常選手は左ワキ腹を縮めることで左肩が低くなっています(写真04)。

バックスイングではフェースローテーションをほとんどしていない。
左ワキ腹を縮めながら左ヒザを曲げ、フォオローで肩の角度ほぼ直角に!
左ワキ腹を縮めながら左ヒザを曲げる

バックスイングでは左ワキ腹を縮めながら左ヒザを曲げることで、前傾角度が深くなっている。
肩の角度はほぼ直角に!

インパクトのときに両肩が地面とほぼ直角になるのはホアキン・ニーマンとの共通点。

日本の下部ツアーにいた時代はドローヒッターだったが、欧州・米国ツアーに行き完全なフェードヒッターになった。

久常 涼
ひさつね・りょう/2002年9月9日生まれ。2023年に欧州ツアーで優勝して、2024年からPGAツアーに昇格。PGAツアー3年目の今季はフェデックスカップランキング10位とブレーク中。

解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。































