「X フォージド アイアン」は打っただけでメーカーやブランドがわかるフェースの乗り感
まずは「X フォージド アイアン」から。発売以来高い評価を獲得し続け、今でも信奉者の多い前作。それを受けての登場だ。
「X フォージド アイアンについては、正直なところ前作の完成度がすこぶる高かったので、一体どこが変わるのだろう? と思っていました。目新しいところではヘッドのメッキが変わって見た目が変化しています。個人的にはピッカピカだった前作より、サテン仕上げになった今作の方がスッキリしたように感じます。ソールの形状についてはリーディングエッジ側を落とし、トレーリングエッジ側はトゥからヒールへ一定の幅で面取りして真ん中が台地のようになり見た目がシャープな印象。構えてみた感じでは、ヒール部分が微妙に高くなったかな、くらいの違いがありますが、コンパクトなヘッドながら安心感があって構えやすいところは前作と同様です」

石井が感じたように、構えたときの見た目は前作同様にコンパクト。ただ、今作では番手別設計がリニューアルされ、ロフトが大きくなるにつれてブレード長が一定の割合で短くなっている。また、トップブレードは薄いが、オフセットの度合いは番手が大きいほど控えめ。ということで、あからさまではないものの、番手ごとに構えやすさや安心感、狙いやすさを視覚的に感じとれる作りになっている。
「見た目の変化は少ないですが、打ってみると変わった、というか新たに感じたことがありました。メッキの違いのためか、はたまた新採用となった軟鉄素材S15Cのせいかわかりませんが、メーカーのコピーにもある通りボールがフェースに乗る感じがします。もっと言うと打っただけでボールのメーカーやブランドがわかるくらいフェース乗りがいい。当然球持ちもいいですからコントロール性能も高い。それでも打球の上がり方や弾道は前作と変わらずロフトなりで、イメージした弾道と重なりました」
ヘッド素材の変更は今作最大のトピックで、前作を上回る心地よいインパクトフィーリングはキャロウェイのヒューマンテストでも実証済み。「前作よりはるかに軟らかい」、「ボールに食いつくような感触」といった感想が多く寄せられているという。打感、打音もよりピュアでクリアになったという触れ込みだ。
リニューアルされた「X フォージド アイアン」は熟成された正統後継モデル

「振り抜きも相変わらずいいですね。ソールの削り方がシャープになったぶん上積みがあるようです。打感については表現するのが難しくて、モチッとした感じもあり、ちょっと乾いた感じもありますが、基本的には“美味しい”打感です。劇的に飛ぶわけではありませんが、そもそもX フォージドはそういう機能は求めていないモデル。プロからの評価も高く、すでに仕上がりつつあるアイアンなので、変化と言っても極めて微細な部分、例えばバウンスの角度をプロの要望で何度か変えた、くらいなのではないかと想像します。いずれにしても変化は細部に関してのものなので最終的にはユーザーの好みの問題。でも支持するゴルファーは多いでしょうね」

打感や打音はブラッシュアップされたバックフェースのデザインも一役買っている。前作はフェース下部中央でボールをとらえるエリートプレーヤーの傾向に合わせ、バックフェース下側に中央を頂点とした三角形状の肉厚部分を設けたが、今作ではその形状を見直した。すなわち、下辺の両端を近づけて肉厚部分を中央に集約。センター下部でインパクトした際にはS15Cの軟らかさと相まって、マッスルバックのようなソリッドな打感を得られる。
「リニューアルされたX フォージドは前作の正統な後継モデルです。メーカーとしては、高い評価を得ているモデルを大幅には変えづらいと思いますが、そこはマイナーグレードアップという感じで細部を突き詰めてきました。素材やメッキを変えたところもメーカー的にはチャレンジだったはずで、トライしながらも熟成度が進んだ。それが今作だと思います」
「X フォージド アイアン」の番手構成は前作と同様3~9番とPWの8本。ロフトも7番で33度のクラシカルな設定を継続している。セット販売は6~9番とPWの5本で、5番より上は単品での展開となっている。※なお、カスタムで全番手の単品販売もスタートしているので、コンボでのセッティングも可能になりました
「X フォージド スター アイアン」のダフリにくい秀逸ソール
お次は「X フォージド スター アイアン」。「X フォージド アイアン」よりトップラインとソールをやや厚めに設計したやさしさ重視の作りだ。全番手のブレード長をX フォージド アイアンの3、4番の中間程度の長さに統一したのも特徴の一つ。全ての番手で一様に安心感を得られるだけでなく、同じフィーリングで打てるため、スイングの再現性向上にもつながるという。だが、石井によれば「X フォージド スター アイアン」の進化はそれ以上に凄まじいものらしい。

「熟成されたX フォージド アイアンに比べるとX フォージド スター アイアンは劇的に変わったと思います。一番印象的で秀逸なのはソールで地面に刺さりません。まるでウェッジで打っているように“トゥルン”とソールが抜けてびっくり。わざとダフってみても大きな影響はありませんでした。特に日本のゴルフ場のようにフェアウェイが硬くないシチュエーションでは、ヘッドが多少手前に入ってもダフりません。まさに日本のゴルファー向きで、日本でゴルフをしている限り、これを使えば困らないと思うくらい。ダフり癖のあるゴルファーには絶対に助けになる、自転車の補助輪のような、本当によく考えられたソールです」

「打球も簡単に浮いてくれますが、同時に前に行く力もちゃんとあって、そこはX フォージド アイアンと比べると全く異なるところ。飛距離は1番手ぶん違うでしょう。ソールのバウンスのおかげでロフトが立って当たるので前に飛ぶようになった、と理解していただけばいいと思います。ヘッドはやや大きめですが、僕的にはこの大きさは嫌いではありません。他メーカーのカテゴリーのアイアンに比べても特に大きいわけではないし、見た目がシャープでカッコいいですからね」

現場での使い方までちゃんと考えて作られたアイアン
「X フォージド スター アイアン」のバックフェースは「X フォージド アイアン」に準じたデザインだが、三角形の肉厚部分は「X フォージド アイアン」よりも薄く設計されている。そうして余った重量をソールやトップブレードなどヘッドの外周に再配分して低重心化を推進。これがオフセンターヒットも許容する、やさしいモデルとなった所以だ。

「確かにバックフェースを見ると周辺に重量を配分してやさしい感じがしますが、シャープなデザインなので野暮ったいクラブには見えません。そのあたりはネック側を絞るなど細かい部分できれいに見せる工夫も奏功していると思います。トップブレードも厚すぎないので、もし“これが新しいX フォージド アイアンです”と言われても、“そうですか”と頷いてしまうくらいネガティブな要素が見当たりません。見た目はまさに本格派のカッコよさなので女子プロは普通に使うでしょうね。アマチュアの方なら、“カッコいいフォージドを使いたいけど、フォージドって難しい”と思っている人たちにはぜひ打ってほしいです。ちょっとすくい打ち傾向の人でも、刺さり気味の人も、ソールの助けで思った以上のショットが打てると思います」

参考までに「X フォージド アイアン」と「X フォージド スター アイアン」のショットデータを紹介しておこう。クラブは7番。ともにドライバーのヘッドスピードを40m/sと想定して石井が打ったショットのものだ。
「X フォージド アイアン(#7)」の参考測定値
| クラブスピード | 35.3 m/s |
| ボールスピード | 48.7 m/s |
| ミート率 | 1.38 |
| 打出角 | 17.8° |
| スピン量 | 5771 rpm |
| キャリー | 149.7 yds |
| トータル | 156.2 yds |
| 最高到達点 | 25.9 yds |
| 着地角 | 44.8° |
「X フォージド スター アイアン(#7)」の参考測定値
| クラブスピード | 35.5 m/s |
| ボールスピード | 48.7 m/s |
| ミート率 | 1.37 |
| 打出角 | 17.0° |
| スピン量 | 4934 rpm |
| キャリー | 152.7 yds |
| トータル | 163.0 yds |
| 最高到達点 | 24.0 yds |
| 着地角 | 42.0° |
「今回のX フォージド スター アイアンに関しては、ちょっとした革命が起きているくらいのインパクトがあります。前々作あたりのモデルではロフトが立っている割には飛ばなかった記憶がありますが今作はしっかり飛んでいます。本格派なのに距離も出るやさしいX フォージド スター アイアンになって間違いなく守備範囲が広がったので、X フォージド アイアンに憧れていながら手を出さかったゴルファーは絶対に試した方がいい。このソールのよさは打ってみないとわかりません。僕も掛け値なしに、すごくいいと感じています。見た目がカッコいいだけでなく、現場での使い方までちゃんと考えて作られたアイアンです」
ロフトは「X フォージド アイアン」より3~4度ストロング。ボールの上がりやすさは、前述した低重心設計によりしっかりカバーされている。バックフェースの肉厚部分の三角形にはシェブロンマークのみで、キャロウェイのロゴはホーゼルに刻印。すっきりとして精悍な見た目になった。番手構成は4~9番とPWの7本。セット販売は6~9番とPWの5本となっている。
正統派フォージドの進化を体現した「X フォージド アイアン」と、やさしさを大きく広げた「X フォージド スター アイアン」。両モデルは同じシリーズでありながら、明確に異なる方向性を持った完成度の高い2本に仕上がっている。

「X フォージド アイアン」は、前作の完成度をベースに素材や形状を磨き上げた熟成モデル。S15C素材による軟らかい打感とフェースに乗る感触は、操作性を重視するゴルファーにとって大きな魅力だ。一方で「X フォージド スター アイアン」は、ダフりにくいソールと低重心設計により、フォージドアイアンの難しさを感じていた層まで守備範囲を広げた意欲作といえる。
見た目はどちらも本格派だが、求める性能は対照的。打感や操作性を重視するなら「X フォージド アイアン」、やさしさや飛距離、ミスへの寛容性を求めるなら「X フォージド スター アイアン」という選び方になるだろう。
同じフォージドでもここまで性格が分かれたことで、より多くのゴルファーが自分に合った1本を選べるシリーズとなった。キャロウェイ「X フォージド」シリーズは、正統進化と革新性の両面からフォージドアイアンの新たな基準を提示している。
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