「VENTUS TR ブルー」は「軽硬」。「26 VENTUS TR ブルー」は「重軟」

ベンタスはそもそもハード系のシャフト。フレックスで言うなら普通のシャフトより1フレックス上と見た方がいいです。Sなら通常のX、Rなら通常のSということですね。今回のテーマは5Rの比較ですから実質的には5Sと考えた方がいい。Rだからといって簡単とは思わない方がいいでしょう。とはいえ、「26 VENTUS TR ブルー」(以下、26TR)は、既存モデルの「VENTUS TR ブルー」(以下、TR)よりもかなり打ちやすくなりました。今作もレッド、ブラックと併せた3色展開ですが、前作との違いという点ではブルーが一番大きいと言えます。

では、何が変わったのか見ていきましょう。まずは重さ。TR、26TRとも同じ5Rですが重さが違います。前者は表示の通り50グラム台(58グラム)ですが、26TRは3グラム重くなって61グラムです。わずか3グラムではありますが、重くなると難しい印象になります。ところが26TRは振りやすくなりました。そのカラクリは振動数の大きさで26TRの方が軟らかいのです。ざっくり言うと、TRはいわゆる“軽硬(カルカタ)”なのに対して、26TRは“重軟(オモヤワ)になりました。

そのぶん26TRはシャフトのしなりを感じやすい。トルクもそこまで大きくなく、先端部分がしっかりしているのでヘッドが暴れません。キックポイントは新旧ともに中元調子ですが、打ってみると双方ともにシャフト全体がしなるイメージです。ただ、TRの方が硬いので、それなりのパワーが必要になります。そこまでパワーがなくてもシャフト全体のしなりを使えるようになったのが26TRです。

「26 VENTUS TR」シリーズのレッドとブラックは6月4日発売予定。

「26 VENTUS TR ブルー」は70点のスイングでも80点の結果にしてくれる

しなりやすくてヘッドが暴れない。この2つの要素が打ちやすさを演出していますから、26TRの5Rが合うアマチュアの方は多いでしょう。タイミングがとりやすく、しなりもわかりやすいし、滑らかにゆったり切り返せます。TRの5Rが打てなかった人でも26TRの5Rは打てる。打てるというのはボールがつかまるし、飛ぶということ。そこが一番違うところです。

注意して欲しいのは、冒頭でも述べた通り、ベンタスがハード系のシャフトだということ。5Rでもしっかりしていますからナメてはいけません。ボールがつかまりやすくなってはいるものの、シャフトがオートマチックに仕事をしてくれるわけではないので、フェースローテーションはある程度自分でやらなければいけません。TRはしなりが少なく、なおかつフェースローテーションもしないといけなかった。そのため、ボールが特につかまりやすいというシャフトではなかったですが、26TRは効果的にしなるようになった。フェースローテーションさえ同じようにできれば飛びますから、ある程度自分でフェースローテーションができるプレーヤーで、例えばTRでしなりを感じなかった人が26TRを使うとドンピシャでしょう。

「26 VENTUS TR ブルー」/スペック表

モデル フレックス 製品長
[inch]
重量
[g]
トルク
[deg.]
Tip径
[mm]
Butt径
[mm]
調子 価格
26 VENTUS TR BLUE 5 R 46.0 61.0 3.6 8.50 15.35 中元 ¥55,000
税抜価格 ¥50,000
S 61.0 3.4 15.35
X 61.0 3.4 15.35
26 VENTUS TR BLUE 6 S 69.5 3.1 15.35
X 69.5 2.9 15.35
26 VENTUS TR BLUE 7 S 79.5 2.9 15.40
X 79.5 2.7 15.40

「VENTUS TR ブルー」/スペック表

モデル フレックス 製品長
[inch]
重量
[g]
トルク
[deg.]
Tip径
[mm]
Butt径
[mm]
調子 価格
VENTUS TR BL 5 R 46.0 58.0 3.5 8.50 15.40 中元 ¥55,000
税抜価格 ¥50,000
S 58.0 3.3 15.40
VENTUS TR BL 6 S 68.0 3.1 15.40
X 68.0 2.9 15.40
VENTUS TR BL 7 S 77.5 2.9 15.40
X 78.5 2.7 15.40

ヘッドスピード帯で言うと、TRは最低でも42m/sくらいは欲しいところですが、26TRなら40m/sでもイケると思います。結局のところ硬いシャフトをしならせるにはヘッドスピードが必要ということです。TRはパキッとした感じのシャフトですから、スイングタイプ的にはシャープに振るタイプ、切り返しからスピーディーに下ろしてくるプレーヤーに合います。

一方、そのタイプのシャフトはタイミングをとるのが難しいため、ゆったり振るタイプには合いません。その点、26TRはちょっと間を作って下ろす人にいい。切り返しから滑らかに下ろしやすくなっています。自分でフェースローテーションができないといけないのでビギナーにはちょっと難しいですが、ローテーションできる中上級者はだいぶ楽になると思います。

TRは100点に近いスイングをしないと、ボールのつかまりや飛距離に反映されませんでしたが、26TRは70点のスイングでも80点の結果にしてくれるような一面があります。ベンタスを使っている、あるいは使おうか悩んでいるゴルファーは、上級者レベルの人が多いと思います。5Rと聞くと「やわらかすぎるんじゃない?」なんて思うかもしれませんが、26TRの5Rについては食わず嫌いせずに打ってみることをおすすめします。芯に当たりやすく、打球の伸びもいいですから。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。