“美キャビティ”の「i240」と中空構造の「i540」 まずは性能をチェック!

今回コースで試打してみたのはPINGの「i」シリーズのアイアン「i240」と「i540」です。

まずは「i240」ですが、「美キャビティ」というキャッチコピーのとおり、キャビティ構造をベースにしたアイアン。バックフェースに搭載された新バッジは、樹脂の複合素材とカーボン素材を組み合わせた新構造で、前作比約60%もの軽量化に成功。これにより深・低重心になり、MOIが向上している。さらに全番手のキャビティ部分にCTPエラストマーを搭載し、ヘッドのトゥ側には高比重ウェイトを搭載することで、究極の重量周辺配分と高い寛容性を実現しています。

見た目はシャープなのに、同サイズのアイアンと比較して約10〜20%慣性モーメントが大きく、大型ポケットキャビティと同等レベルの寛容性を持っているというアイアンに仕上がっています。

一方の「i540」は中空構造の飛び系ツアーアイアン。最大の特徴は新テクノロジー「inR-Air(インナーエアー)」。従来の樹脂や充填剤ではなく、あえて「空気(Air)」の層を設けることで、インパクト時の衝撃をコントロールするという発想。これによりフェースのたわみを最大化して飛距離を伸ばしつつ、余計な振動を吸収し、中空とは思えない「吸い付くような打感」と「重厚な打音」を実現しています。

「i240」は操作性とやさしさのバランスが絶妙! シャープなのにミスに強い

さらにインパクト時に振動が集中する部分に「i-Beam(アイビーム)」と呼ばれる梁構造を入れることで振動を抑制し、打感の向上だけでなく、高弾道と寛容性も実現しています。また4番〜7番にはソール部分にタングステンウェイトを内蔵し、低重心設計となっています。これによりロング〜ミドルアイアンでも高弾道でグリーンを狙えるアイアンとなっています。

両方のアイアンをコースに持ち込んで試打してみました。まず「i240」ですが構えてみると、とてもシャープな感じです。トップブレードも適度に薄く、目標に対しても構えやすい。

打ってみると打感は柔らかめで、とても気持ちの良いものでした。フェースに少し引っ付くような感覚もあり、コントロールもしやすい。

7番でロフトが31.5度と前作より少し立っているのですが、ロフトの数値以上に飛距離が出るように感じました。僕の感覚としてはロフト30度のアイアンに近いくらいの飛距離。しかし弾道は結構高めでスピンもしっかりと入るので、グリーンではちゃんと止まってくれます。

寛容性の高さもかなり感じました。芯を多少外しても慣性モーメントの高さからか、あまり弾道にブレがありません。曲がり幅も少ないし、ヒールヒットにも結構強いと感じました。これはかなり完成度の高いアイアンだと思います。

「i540」は飛び系なのにツアー顔! 高弾道と直進性がかなり魅力的だった

次に「i540」ですが、構えてみると、こちらもかなりシャープな顔をしています。中空の飛び系アイアンという感じはあまりないですね。

打ってみると、フェースが柔らかくたわむ感覚もありながら、パシュッと弾く感じがします。球離れは少し速いですね。中空感のあまりないしっかりした打感なので少し驚きました。これもインナーエアーのおかげなんでしょうね。

ロフトは7番で29度なので、飛距離性能はかなり高いです。「i240」と比べると半番手以上は飛んでいる感じ。しかし弾道は同じくらい高いのでキャリーもしっかり出て、グリーンでも止まってくれるんですよね。

寛容性に関してもかなり高い。とにかく曲がりが少ない感じがして、フェースの向いている方向に真っ直ぐ飛んで行くという感覚。そのため操作性という面では少しだけ「i240」よりは劣るかも。「i540」の方が少しオートマチック感を感じます。

今回PINGの「i240」と「i540」をコースでうち比べましたが、どちらもシャープな見た目のカッコいいアイアンながら、少し性格の違いを感じました。「i240」はある程度の操作性もありながらも、優しさもあるという完成度のかなり高いアイアン。中級〜上級者も満足できる仕上がりになっていると思います。飛距離も少し出るし、個人的にはかなりの名作アイアンだと思っています。

左が「i240」で右が「i540」

そして「i540」は飛距離性能や寛容性はかなり高いながら、見た目はかなりシャープ。打感や打音もとてもいいという欲張りアイアンに仕上がっていると思いました。今よりも飛距離が欲しいけど、ぽってりした飛び系や、ボールが上がらないクラブは嫌という人には最適ですね。バッグに入っていてもめちゃカッコいいし。

ということで、同じ「i」シリーズのアイアンでも少し違いがあるので、試打してみて自分に合ったモデルをぜひ選んでみてください。


ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。