フィッティングに来られる方の多くは、何かしらの悩みを抱えています。
結果が良い時やフィーリングが安定している時は、そもそもクラブは気にならないものです。

特に一番多いのが、「スコアの伸び悩み」です。

長年やっているのに100が切れない。
順調に伸びてきたが、ある時から停滞している。
90が切れない、80が切れない、シングルになれない。

この“壁”に悩んでいる方が非常に多く見られます。

私のフィッティングに来られる方でも、「85前後までは回れるようになったが、そこから先に行けない」というケースが典型的です。いわゆるシングルハンデ、あるいは片手シングルを目指しているものの、その糸口が見えない状態です。

もちろん技術的要素がゼロとは言いません。
しかし、この層に共通している大きな要因は、クラブの問題です。

ただしここで言う「合っていないクラブ」とは、単にスペックが合っていないという話ではありません。

実際には、特定のクラブだけが悪いと感じているケースが多いのですが、よく話を聞くと、問題はそこではなく、クラブ全体のつながりが崩れていることにあります。

そして厄介なのは、その状態のままクラブを変え続けてしまうことです。

調子の悪いクラブを気分で替える。あるいは誰かの評判を頼りに新しいものを試す。

目的のないクラブ変更を繰り返すと、むしろ状況は悪化します。
結果として、良かった部分まで崩れ、スコアは安定しなくなります。

また、技術論に偏りすぎているケースも非常に多く見られます。手首の角度、トップの位置、コックのタイミング。動画や情報の影響で、細部の動きばかりを修正しようとする。

しかしその結果、自分本来のタイミングを崩してしまっている人が少なくありません。

私が再三お伝えしているように、
シャフトの使い方=スイングのタイミングの取り方は、一度身体に馴染むと簡単には変わりません。

それにもかかわらず、細部の理論に振り回されてしまい、自分の自然なタイミングから外れてしまう。そのズレがミスにつながっているケースを数多く見てきました。

このタイミングは、本来クラブ側とのマッチングによって整っていくものです。
しかし一度整っても、また細部の情報に影響されて崩してしまう。

これでは上達の流れが途切れてしまいます。

さらに、この“ズレ”は一本のクラブから始まることもあります。

例えばドライバーだけを変更した結果、ドライバーは良くなったものの、他のクラブとのタイミングが崩れる。結果として、ゴルフ全体のリズムが悪くなることがあります。

長さ、重量、シャフトの種類や硬さ、これらがクラブ間でバラバラになっていると、どこかで必ずミスが出ます。そしてそのミスをきっかけに、全体の調子が崩れていくことも少なくありません。

大切なのは、クラブ全体を通して「自分のタイミングで振り”やすい状態」に揃っているかどうかです。

実際の現場でもよくあるのが、

  • ドライバーは良いがアイアンが合わない
  • アイアンが良い日はドライバーが悪い
  • UTだけが安定しない
  • ショットは良いのにパターが合わない

といった“日替わり現象”です。

しかしこれは、技術の問題というより、クラブのつながりが影響しているケースが多く見られます。クラブのつながりが整うと、良い時は全体が揃って良くなり、ミスの傾向も似てきます。そのため原因の把握も容易になります。

スコアに伸び悩んでいる方ほど、一度クラブ全体の流れを見直してみてください。

細かいスイング理論に時間を使うよりも、はるかにスコア改善につながるケースは多いはずです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。