ゴルフクラブの中で、一番重要なクラブは何でしょうか。おそらく多くの方は、

「ドライバー」

と答えるかもしれません。

確かにドライバーは魅力的です。飛距離も出ますし、新商品も多いですし、新製品が出る時は話題にもなりやすいです。ゴルフショップでも、一番目立つ場所に並んでいます。

おそらく、ドライバーが重要だと思っている方ほど、「ゴルフの調子はドライバー次第」と考えているのではないでしょうか?

それだけドライバーのミスがスコアの足を引っ張っている、と感じているのだと思います。

しかし私は、アマチュアゴルファーの「スコア」という観点で考えると、ドライバーだけを重要視するのは、ゴルフを難しくしている要因の一つだと考えています。

アマチュアのスコアアップはミスを減らすこと

まず最初にお伝えしたいのは、アマチュアゴルファーにとってのスコアアップは、「スコアを崩す要素」を減らすことだということです。

スコアアップというより、スコアダウンしないようにするということになります。ナイスショットを増やすことだけを目指していても、なかなかスコアは良くなりません。

例えば、ティショットでOBや林に打ち込んでしまうような大きなミスを減らすこと。

例えば、3パットを減らすこと。

例えば、アプローチのトップやざっくりを減らすこと。

こういったことの積み重ねが、スコアアップにつながります。

その考え方で重要度ランキングを考えてみると、順位は大きく変わります。

ダグ三瓶が考えるクラブの重要度は?

第1位 パター

私の中では迷うことなく1位です。ゴルフはパターから始まり、パターで終わります。

1mのパットが入る。3パットが減る。これはそのままスコアになります。

ドライバーが数ヤード飛ぶようになっても、スコアはほとんど変わりませんが、1mのパットが1回多く入れば、スコアは確実に変わります。そしてパターが良くなると、アプローチが楽になります。

ショートパットに自信がないと、「絶対にOKに寄せなくてはいけない」「なるべく近くに寄せたい」になります。

しかし、1~2mくらいのパットに自信があると、「1ピンくらいに寄れば十分」となります。

するとアプローチのプレッシャーが減り、結果としてアプローチのミスも減っていく流れになりやすいのです。

第2位 ウェッジ

パターの次はウェッジです。

近い距離のアプローチ、特にバンカーなどのグリーン周りのショットで、大きなミスをしないことは非常に重要です。

例えば、トップしたり、ざっくりしたり、バンカーから自信を持って脱出できることで、スコアは大きく変わります。(スコアを崩す要素が減ります)

そしてこれもパターが良くなると他が楽になるという原理は同じです。

ウェッジが良くなると、今度はセカンドショットが楽になります。

グリーン周りのアプローチに自信がないから、グリーンに乗せなくてはいけない、ピンの近くを狙わなくてはいけない、考えがちですが、アプローチショットに自信があれば、多少外しても良くなりますし、無理にピンを狙っていかなくても、アプローチのしやすい場所に外れていれば何とかなる。

ボギーでは上がれる、そういう基本的なイメージが、アプローチショットが良くなると浮かぶようになります。

これは、例えば、林からの脱出や、パー5のセカンドショットなどでも同じです。

次のウェッジで乗せることができるとなれば、例えば50ヤード以内に運べれば十分になり、そう考えられるようになると、セカンドショットの選択肢は一気に広がります。

第3位 アイアン

アイアンはクラブセッティングの要です。

アイアンは、狙った方向に打ち出せることと、把握できる距離が打てること、そして番手ごとの距離差がきちんと出せることが重要です。

これらが揃って初めて機能する、つまり、セットで考えるものになります。

3位にはしましたが、クラブセッティングを考える上では、まず最初に整えたい、セッティングの要になるクラブです。

アイアンはグリーンを狙うために欠かせないクラブです。しかし役割はそれだけではありません。

ハザードの手前に刻んだり、障害物を越えたり、番手ごとの距離を打ち分けることで、ゴルフ場で起こる様々な状況に対応する必要があります。

アイアンは、まさに汎用性が求められるクラブと言うことになります。もちろん1本でそれらすべてを実現するわけではありません。アイアンセット全体で、それを実現できるようにしておくことが重要です。そしてアイアンがそこそこ安定すると、ティーショットが非常に楽になります。

近くまで行かないと自信がないとならなければ、1ヤードでも前にという感じで、無理に飛ばさなくてもよいので、ティーショットはそこそこで良い、と考えられるようになるからです。

第4位 ドライバー

ドライバーに求めることは意外と少ない。ドライバーに必要な要素は二つだけです。

① 普通に振って、自分のクラブの中で一番飛ぶこと

② ティーショットの結果でセカンドショットが打てる場所にあること

これだけです。

私はよく、「ドライバーを含めたすべてのクラブのフルショットは8番アイアンのように振ってください」とお話しします。

ドライバーだからといって、さらに力まなくて良いですし、飛ばそうとしなくて良いはずです。

普通に振れば結果として、自分のクラブの中で一番飛ぶクラブですから、それ以上のことを求めないことが重要になります。

そして、その結果として、セカンドショットが打てる場所にあることが最重要ですね!

林の中や、OBなどのハザード、もしくはもっと曲がって、隣のホールに行ってしまったり、フェアウエイバンカーに入ったりしてしまえば、1打以上、スコアを崩すことにつながります。

そういう場所に行ってしまえば、飛距離の意味はなくなりますから、飛ばなくても、例えばラフでも、セカンドショットが打てるところにある、ということが非常に重要です。

だから私は、ドライバー選びに必要以上に時間をかけすぎる必要はないと思っています。

もちろん大切です。

ドライバーはそこそこの結果が出ればよい、となれば、選択肢がググっと広がってくると思います!

1mのパットが入る。

アプローチのトップが減る。

アイアンの大きなミスが減る。

これらは確実にスコアが変わります。

ドライバーが数ヤード飛んでも、スコアアップには直結しません。。。

でも本当の1位は……

ここまでランキングを作ってきました。

しかし本当は、もっと大切なものがあります。

クラブ単体のお話ではなく、実は、クラブ全体のつながりです。

パターが良い。

ウェッジが良い。

アイアンが良い。

それでも、ドライバーだけ別物。UTだけ別物。そんな状態では、ゴルフは難しくなります。

私はフィッティングをパターから始めています。

それは、ゴルフがパターから始まり、パターで終わる競技だからです。

そしてスコアもまた、パターから逆算して考えるべきだと思っています。

パターから考えると、ウェッジ選びの幅が広がります。

続いて、ウェッジを考えると、アイアン選びの幅が広がります。

そして、アイアンを考えると、ドライバー選びの幅が広がります。

つまり、どんどんどんどん、クラブ選びの幅が広がるわけです。

ドライバーから考えるのではなく、
パターから考える。

それが、

クラブを14本でひとつのセットとして考える第一歩ではないでしょうか。

ご参考になれば幸いです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。