“チームワーク”を象徴するプレーでバーディー締め
同じ1998年生まれの2人がコンビを組むのは3年連続。
そのチームワークの良さを象徴するプレーが最後の18番パー3でした。
先に打った渋野が左8メートルに乗せると、果敢にピンを狙った勝のショットはあわや池でグリーン手前のラフへ。
ここからのアプローチを50センチに寄せると「お先に」でタップインします。
これでチームのスコアがパー以下になることを確定させたことで、続く渋野のパットがどれだけオーバーしようがスコアを落とす心配はなくなる状況を作りました。
勝みなみの“好アシスト”で渋野の強気のパットが復活!?
外れた場合のことを気にせず、入れることだけに集中できた渋野のバーディーパットは最後に加速する難しいラインを読み切って見事にカップイン。まさにチームワークで得たバーディーで4日間の戦いを締めます。
渋野といえばかつては強気のパッティングが持ち味でした。
最後のようにバーディーが欲しい状況でも、通常の個人のストロークプレーだと外れた場合にどんなパットが残るかも想定しなければなりません。
それがチーム戦だからこそ強気に打つことだけに集中できたのは、今後「絶対に決めたい」という状況になった時に役立つでしょう。
一見、何気ない「お先に」のパーも、実はその状況を作ってくれた勝の“好アシスト”だったのです。
開幕直後絶不調だった渋野を勝が誘って3年連続のペアが実現
LPGAツアーで唯一のペアマッチで行われるこの大会は、出場資格を得た選手がパートナーを指名して“チーム”が決まります。
勝が渋野に声をかけたのは4月。
2人は昨年、一昨年もコンビを組んだとはいえ、今シーズンの渋野は初戦の「ブルーベイLPGA」で50位の後は3戦連続で予選落ち。
その間に出た日本ツアーでも予選落ちする絶不調でした。
そんな状態でも「これから先の切磋琢磨具合がもっと上にいける」と3年連続のチーム結成を持ちかけてくれた勝の心意気に渋野も「今年調子よくなかったので、誘ってくれたかっちゃんに感謝です」。
そしてチームとしても3年目で初のトップ10入りを果たし「初めてのトップ10で嬉しいし、悔しいのもあるので来年こそはリベンジだねともう話しました」(渋野)。「来年こそはトップを目指そう」(勝)と、1年後もコンビを組んで優勝を目指すことを明言するよう結果となり、まさに「切磋琢磨具合がもっと上に」という勝の目論見通りになりました。
渋野はポイントランキングもシード圏内目前までアップ!
5位タイで今シーズン最高の72.5ポイントを獲得した渋野はポイントランキングも109位からシード獲得(80位以内の「カテゴリー1」)が目前となる84位に浮上しましたが大事なのはここからです。
ここ2年の渋野は「ダウ選手権」後は調子を落とす傾向で、昨シーズンは9試合で予選通過はわずか2試合。計9.95ポイントしか稼げずにシードを獲得できませんでした。
一昨年もトータル664.143ポイントのうち、「ダウ選手権」以降に稼いだのは1割未満となっています。
「ダウ選手権」以降、2年連続で失速しているのを繰り返さないように
渋野は17位だった前週の「全米女子オープン」との2試合で今シーズンのポイントの9割近くを稼ぎました。
次のメジャー「全米女子プロ」は出場資格がなかったのが「全米女子オープン」でのポイント獲得によって出られることに。
この勢いでさらにポイントを稼いで一気にシード獲得に近づきたいものです。
(文/森伊知郎)












