「全米女子オープン」後に、人生初の体験
河本は今シーズン2勝目を挙げた「リゾートトラスト」以来、3週間ぶりの日本ツアー出場となりました。
その間に参戦した「全米女子オープン」は通算10オーバーで予選落ち。
ここから帰国した後は10日間もクラブを握らなかったそうです。
これがひとつ目の初体験。
渡米した時点で疲労を感じていたこともあり「夏場は4日間大会も続くので、夏を乗り切る体力を戻すことが目的です」と理由を説明しました。
そうは言っても「ゴルフ人生で初めて」の10日もの間クラブを握らないと感覚も鈍ります。
当然予期せぬミスも出ましたが「なんか楽しい。アマチュアの人ってこういう感じなのか」という発見を笑顔で説明します。
とはいえその副作用?で初日はフェアウェイキープがわずか4回。
パーオン10回というものでしたが、その原因は「悪いと左に突っ込む癖があるんです。どんどんカット(軌道)が強くなる」と自覚していました。
さらにミスが出ることへの周到な計算もありました。
「昨日出たそのミスって、今後も疲れてきた時に絶対出るんです。その癖を試合中に修正するのってめちゃくちゃ大事。それが今日できて、すごく手応えのある一日でした」(河本)。
トッププロともなればラウンド後の練習でミスの原因はある程度は修正できます。
それがこの日の試合中ですることができたのは、シーズン終盤の女王争いで疲労が蓄積した時に必ず役立つはず、というものです。
スタッツを見ると毎日計測されるドライビングディスタンスは初日と比べて30ヤードもアップ。
フェアウェイキープは9回に。パーオンも12回に増えました。
もうひとつの初体験で気づいた、「ファンにどういう気持を届けられるか」
先週日曜日の14日にはもうひとつの初体験をします。
それは「初めて、ゴルフ中継を見ました」と先週の「宮里藍サントリーレディス」最終日の中継を見たことでした。
試合勘を忘れないように、が目的だったものの、そこでは河本らしい気づきもありました。
「優勝争いを楽しむ気持ちもわかりましたし、そういう場面で、どういう風に自分がプレーしたらギャラリーのみなさんにいいプレーを見せられるか。どういう気持ちを届けられるかというのも勉強になって本当にいい時間でした」(河本)。
トップクラスのプロが1年間のシーズンで打つショットとパットの合計は約8000回。
「そのうちの1回しか見る機会がなかった方でも『河本結のプレーを見て良かった』と思っていただけるプレーがしたい」を信条とするだけに単にいいスコアで回ったというだけでなく、そのプレーがファンにどう感じてもらえたかが大事。
桑木志帆と永井花奈の優勝争いを客観的に見たことで、ここまで視野を広げ、収穫を得ることができました。
一日8アンダーも出る
「ニチレイ」では昨年の女王で今シーズンもポイントランキング首位を走る佐久間朱莉が予選落ち。
2位の桑木志帆は来週の「全米女子プロ」に備えて欠場しているので、2人とも獲得ポイントゼロが確定。3位の河本にとっては差を詰める大きなチャンスです。
11アンダーで首位の荒木優奈を4打差で追う最終日に向けて「このコースは一日8アンダーも出る。5打差以内なら全然(逆転優勝のチャンスは)ある」とシーズン3勝目に意欲満々です。
すでに頭の中では、ミスが起きた時にどう修正し、どうやってギャラリーを楽しませて、自分が優勝するかのイメージが出来上がっているのかもしれません。
(取材・文/森伊知郎)












