ヒールヒットのミスに強い

歴代のキャロウェイドライバーをトラックマンで計測してきた石井良介は、キャロウェイの魅力について次のように語った。

「昨年の『エリート』も、一昨年の『パラダイム Ai-SMOKE』も、ボールスピードはNo1でした。今年の『クアンタム』もその流れを継承していて、やっぱりボールスピードはトップクラスだと思います。注目すべきはミスヒットしたときのボールスピードです。打点がズレても、ほとんどボールスピードが落ちませんでした」

石井良介(いしい・りょうすけ)/1981年生まれ。PGAのA級ティーチングプロとしてレッスン活動を行いながら、様々なゴルフメディアの試打企画でも活躍。「令和の試打職人」とも言われている。自身が出演するYouTubeチャンネル「試打ラボ しだるTV」は総再生回数1億5000万を超える人気チャンネル。

チタン、ポリメッシュ、カーボンの三層フェースになった効果はボールスピードだけではない。チタン部分が薄くなったことによって、AI設計によるコントロールポイントの効果が上がった。コントロールポイントとはミスヒットしたときの打ち出し方向、スピン量を補正してくれるテクノロジー。その効果が大きくなっている。

「特にヒールヒットしたときでもスピン量が安定してくれることに驚きました。私は試打をしてすぐに『トリプルダイヤモンド MAX』を購入しました。今年のエースドライバー候補の1本です」

それでは1モデルずつ、トラックマンで計測しながら打っていきましょう!

クアンタムMAX

ここ数年、キャロウェイのドライバーはボールスピードが常にトップクラスでした。三層フェースになった『クアンタム MAX』もその流れは継承しているので、しっかりボールスピードが出ています。このドライバーはヘッドスピード40m/sでも43m/sでも38m/sでもミート率が1.48以上でした。打ち出し角はやや低め。強い中弾道ボールでランで稼げるタイプのドライバーです。どちらかと言えば『エリート』よりも『パラダイム Ai-SMOKE』に似ていると思いました。

三層フェースは打感とボールスピードにギャップがあります。打感はモチっとしていてフェースに乗っている感じがする。過去の経験では、そういう打感のドライバーはボールスピードが遅くなる傾向があったのですが、『クアンタム MAX』はボールスピードが速い。乗り感とスピード感を両立しているのが一番の魅力です。上級者やプロゴルファーは弾き系を嫌う傾向があるので、この打感は好きだと思います。

クアンタムMAX D

キャロウェイの『MAX D』と言えばドローバイアスの象徴的なモデルとですが、『クアンタム MAX D』は今までの『MAX D』とはイメージが違いました。

トラックマンのデータで言えばスピン量が違います。ドローボールとフェードボールだと、ドローボールはスピン量が少なめ、フェードボールはスピン量が多めです。しかし、『クアンタム MAX D』はドローボールを打っているのにバックスピン量は常に2500回転以上ありました。バックスピン量があることによって高弾道のドローが打てます。ただし、ボールスピードは『MAX』の方が上でした。

もう一つの違いはドローの軌道です。今までの『MAX D』は曲がり幅が大きいドローで、ミスヒットしたときは左につかまり過ぎてしまうことがありました。でも、『クアンタム MAX D』はストレートボールに近い弾道で、極端に左に行くボールが出ません。ドローボールが打てるというよりは、右に行かないドライバーです。

クアンタム トリプルダイヤモンドMAX

第一印象として、過去10年くらいの『トリプリダイヤモンドシリーズ』の中で1番カッコイイ。それはデザイン性だけの話ではなく、構えたときの顔もスマート。

打ったときの性能も文句なしでした。通常の『トリプルダイヤモンド』はミスヒットにシビアですし、ドライバーを打つときは常にプレッシャーがありました。

でも、『トリプルダイヤモンド MAX』は寛容性があって、極端なロースピンタイプではない。バックスピン量が2200回転前後をキープしていたのが、私にはちょうど良かったです。ミート率が1.48で、ボールスピードも63m/s前後出ていたので、データとしても申し分ありません。

購入して使いはじめた印象としては『MAX』の寛容性を感じるときもあれば、『トリプリダイヤモンド』らしい飛距離性能が出るときもある。

名前の通り、『MAX』と『トリプルダイヤモンド』の良さを融合したモデルになっています。

クアンタム トリプルダイヤモンド

決してやさしくなったとは言えませんが、歴代の『トリプリダイヤモンド』に比べると少しだけマイルドになっています。ただし、ヘッドスピードとしては45m/s以上ないとスピン量が2000回転を超えてこないと思います。ミスヒットしたときの飛距離ロスや曲がり幅は大きいですし、そもそもボールをつかまえられない人は真っすぐ飛ばせない。つかまり過ぎに悩んでいる人に使って欲しいドライバーです。

1番の魅力はやはりボールスピードです。芯をとらえたときの“一撃”はミート率が1.51まで出て、今回の53本でボールスピードトップクラス、飛距離も260ヤードを超えていました。

打感も三層設計の影響なのかさらにやわらかくなった。フェースに乗ってボールをコントロールできる感覚がありますし、そもそもヘッドサイズがコンパクトなのでフェースコントロールしやすい。ドロー、フェードなど球筋を打ち分けたいパワーヒッターには理想的なドライバーです。

クアンタム MAX FAST

クラブ総重量が280グラム前後なので、基本的にはヘッドスピード40m/s未満のドライバーだと思います。でもヘッドスピード42m/s、45m/sで打ったときでもスピン量は2500回転前後でおさまっていて、吹け上がることもありません。打ち出し角も15度以内でした。

高く上がりすぎない要因としてはヘッド構造が360度カーボンシャーシという『トリプルダイヤモンドシリーズ』と同じになっている影響が大きい。軽量なのにロースピン系のドライバーです。純正シャフトは40グラム台になりますが、60グラム台以上のシャフトをつければ男子プロでも使えるモデルだと思います。ボールスピードが速いというより、軽量ヘッドによって、ヘッドスピードを上げやすい。その恩恵はヘッドスピードが遅いシニアゴルファーだけではなく、アスリートゴルファーにもあると思います。他メーカーの軽量モデルに比べると、ヘッドがシャープに見えます。それもアスリートゴルファーが使えるという要因です。

クアンタム MINI

ミニドライバーは短くて、ヘッドも小さいので、通常のドライバーに比べると飛距離も出ないし、ボールスピードも遅い。でも、『クアンタム ミニ』は歴代のキャロウェイのミニドライバーの中で1番飛距離が出ました。短くて芯に当てやすいこともあり、ミート率は1.46。ミニドライバーで1.45を超えるモデルはなかなかありません。ロフトが11.5度ということもあって、打ち出し角も17度以上ありました。

打感としては『エリート ミニ』と『パラダイム Ai-SMOKE ミニ』の中間的なフィーリング。『エリート』は弾き感が強くてボールスピードが速かった。『パラダイム Ai-SMOKE ミニ』はフェースに乗ってくれる打感で球持ちが良くて、ボールをコントロールしやすかった。『クアンタム ミニ』はその2モデルを融合した感じで、『エリート』の弾き感と、『パラダイム Ai-SMOKE ミニ』の球持ち感をミックスしている感じ。それを可能にしたのが三層フェースなのかもしれません。


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