毎日記録を作り続けての完全優勝 アニカの記録もふたつ更新!

今大会の安田は、毎日記録を作り続けての完全優勝でした。

まず初日は大会コースレコードを更新する61(11アンダー)で回って2打差の首位発進でした。

2日目は64で、通算125ストロークはパー72での36ホールでの最少ストローク記録を1打更新しました。

さらに最終日も6バーディー(2ボギー)の68で回ってトータルバーディー数を26とすると、54ホール競技での最多バーディー記録も更新します。

2日目と最終日はアメリカLPGAツアー通算72勝のレジェンド、アニカ・ソレンスタムが持っていた記録を更新してのものですから、いかにすごいことかがわかります。

通算23アンダーも、2008年大会で原江里菜が作った21アンダーを更新して、54ホール競技での「日本人最多アンダー」となり、まさに記録づくめの優勝でした。

所属企業が主催する大会で勝つことの重要さ

この優勝を本人と共に喜んでいるのが、今大会の主催者でもあるNECでしょう。企業からすれば、主催する大会で所属契約する選手が活躍するのは最高のこと。

優勝となればなおさらです。

来年の大会に向けた告知ポスターでは、ディフェンディングチャンピオンとして前面に「NEC」と大きく入ったキャップを被った安田の画像が使われることになります。

こうなれば企業としても「トーナメントをやって良かった」「これからも続けよう」となるでしょうから、同じケースが増えるのはツアーの隆盛が今後も続くのに欠かせないことだといえます。

宮里藍、福嶋晃子、古江彩佳などが達成 ホステス大会Vは大飛躍へのきっかけになる!?

プロゴルファーが所属契約する企業が主催する大会のことを「ホステス大会」と呼びます。

安田にとってNECはルーキーイヤーから所属契約を結んでもらっていることもあり、今大会は「1年で最も緊張する大会」とホールアウト後のインタビューで打ち明けていました。

過去にホステス大会での優勝を達成した主な選手を見ると、「NEC軽井沢」で通算4勝(1996、2002、2003、2007)を挙げている福嶋晃子の実績が光っています。

この1勝目を挙げた1996年には賞金女王に輝きました。

宮里藍さんも実質ルーキーイヤーだった2004年に「サントリーレディス」で達成しています。

安田とは滝川二高(兵庫)で同級生になる古江彩佳は2021年と2022年に「富士通レディース」を連覇。その後、2024年の「エビアン選手権」でメジャー制覇を成し遂げました。

安田がコメントしたように、“企業の顔”としてプレーする重圧の中で優勝という最高の結果を出せたことは、その後のゴルフ人生で大きく躍進するきっかけになり得るものです。

最終ホールで見えた、安田祐香のプロ意識

最終日の18番パー4で2打目を打つ前に、安田はサングラスを目元から外し、キャップの上に乗せました。

最終ホールの“ウィニングショット”は、来年の大会まで使われることの多いシーンです。

安田は大きなサングラスをプレー中の多くの場面で着用していますが、勝負を決定づける時は素顔の方が見栄えがいいもの。

18番のティショットまでは着用していたのを、2打目以降は外すようにしていたのも高いプロ意識の表れでしょうか。

優勝会見で「今年は複数回優勝を目標にしています。まだまだチャンスはあるので頑張りたいです」と話すなど後半戦で勝利を重ねることへの意気込みを語っており、今後の躍進が楽しみです。

(文/森伊知郎)