真正面、右縁、左縁と入り口を変えて打つ青木瀬令奈のハイテク練習法!

今回は青木瀬令奈プロが実践しているパットの練習法についてお話ししたいと思います。青木プロはもう何年も女子ツアーでトップクラスのパットの名手として知られる存在ですが、ボクが12~13年前に青木プロと初めて出会った頃からパットが天才的にうまいプレーヤーでした。

うまいだけでなく日頃からのパット練習でもさまざまな工夫を取り入れて、いっそうのレベルアップに精進していました。実をいえばスイングについては常にアドバイスを送っていましたが、パットに関してはボクから教えることは何もありませんでした。そのくらいパットの技術が高いのが青木プロの強みです。

その青木プロが必ずやっているのが3つのラインの練習です。カップに対して真正面から入れるラインとカップの右縁から入れるライン、左縁から入れるラインという具合にカップの入口の狙いを変えて打つ。ストレートなラインでも入口を変えてカップインさせるということです。

青木瀬令奈のパットの技術はハイレベルな練習法で磨かれてきたものだ。
青木はカップの真正面、左縁、右縁の3つの方向から入れる練習を欠かさない。

多くのアマチュアゴルファーはカップのど真ん中から入れる意識しかないことと思います。真っすぐなラインならそれでもいいですが、グリーンには傾斜がありますから大抵はスライスラインかフックラインのどちらかです。スライスラインならカップの左縁寄りから、フックラインは右縁寄りから入れるイメージとなります。

極論をいえばラインによって、カップの入口は無数にあるといってもいいくらいです。カップの真正面から入れる一辺倒の練習だけでは、スライスラインやフックラインの対応力が身につきません。ストレートなラインでも右縁や左縁を狙って打つ練習を多く積んでこそ、本当の意味での実戦的な技術が身につきます。

フックラインはカップの右縁側(左)、スライスラインは左縁側から入れるイメージ(右)。

カップのいろいろな場所から入れる練習を積むとカップへの集中力が高まる

3つのラインの練習は、ティショットを打つときにピンポイントでターゲットを絞る感覚に通じます。青木プロはドライバーのフェアウェイキープ率もトップレベルですが、「フェアウェイの右端のあの木から左側4番目の木の方向に打とう」とか、「フェアウェイの芝が逆目で光って見える場所を狙おう」というように、ターゲットを絞って決め打ちをしているのです。

スライスラインはカップの左縁から入れるイメージですが、同じスライスラインでもタッチによって入口が変わります。少し強めのタッチならカップの真正面からやや左手前寄りとなるし、ジャストタッチはさらに左斜めの角度から入れるイメージとなります。ちょっと直線的に入れたり、流し込むような打ち方もできるようになり、パットのテクニックのバリエーションが広がるわけです。

ストレートなラインでもターゲットを変えて打つ練習で集中力アップにもつながる。
カップの右縁から入れたり(左)左縁から入れたり(右)する練習で出球の管理能力も高まる。

そんな具合にカップインが目的の練習でも真正面狙い、右縁狙い、左縁狙いとターゲットを変えて打つ訓練を積んでおくとラインによっての出球の管理がしやすくなるし、カップやラインに対しての集中力も高まります。真正面から入れる練習しかしていない人はプレッシャーがかかったときにカップが小さく見えてしまいますが、3つのラインの練習を磨いてきた人は本番のプレーではカップが実際よりも大きく見えてきます。

極端な話、直径10.8センチのカップがバケツに見えるといってもいいほどです。精神的な安定感がカップイン率の大幅アップにつながります。青木プロが難しそうなラインでも簡単に入れているように見えるのは、3つのラインの練習からくる自信の裏付けなのです。

3つのラインの練習を積んでおくとパットに自信がつき、実戦でもカップが大きく見える。

大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。