③ スパッと抜けてうまく打てた時

フェアウェイからのナイスショット時によく聞く言葉で、「いい音」というのがあります。

これは、上記しましたように、フェースにボールが当たる時の音と、ソールが地面に当たる時がきれいに同期して、澄んだ音になる時に出やすいです。

そして、ソールがきれいに抜けていくため、余計な音が出ていない、という状況です。

現象を順番で考えて行くと以下のようになるでしょう。

まず、リーディングエッジ側のソールから接地します。

次に、ボールの下のリーディングエッジが入り込みます。

そして、ソールが潜っていく過程で、バウンス効果が働き、ソールが滑って前に進んでいき、抜けていく、という感じです。

スパッと抜けていく時は、この時に、抵抗感が少ないというか、するっと抜けていくように感じるのは、芝生に刺さっていく感覚がないからと言えるでしょう。

これが、ちゃんとバウンスが使えた時の感覚です。

とかく、バウンスは邪魔と言われがちですが、これはバウンスがあるからこそ起こる現象で、バウンスがヘッド(ソール)を地面に潜り込んでいくことに抵抗してくれることで、ヘッドを前に押し出すような効果が発生し、その結果、スパッとヘッドが素早く抜けていくようになるわけです。

これが、タイミングよく起こると、心地よい抜け感になる、とご理解いただけると嬉しいです。

④ バンカーでうまく出た時

同様にバンカーでうまく出た時も、先ほどのフェアウエイなどでスパッと抜けた時の様に、良い音がします。

アメリカなどのティーチングで、「サンド」は「サウンド」という教えがあるように、いい音が出るようにヘッドを入れていきましょう。というのがあります。

これは、フェアウエイの時と少し違い、ヘッドと砂で奏でる音となります。

いわゆる、バンカーショットは砂を爆発させる、エクスプロージョンという効果を使ってボールを脱出させるわけですが、このエクスプロージョンの時の音が、「パーン」、という良い音になるわけです。

これは、ソールのバウンス効果のたまもので、きちんとバウンス効果が発揮されたときの音でもあります。

リーディングエッジから入りすぎてしまったり、すくい打ちで、手前から入りすぎてしまうと、どうしても、少し濁った音になりがちです。

つまりきれいにソールのバウンス側から接地し、そのバウンス効果でヘッドが潜らずに、いい意味ではじかれるように前に進んでいく時に出る音、ということになります。

この音は、実は誰でも出すことができます。

サンドウェッジをスイカ割りのときのように、上から下にたたきつけるように砂に打ち込むと同じように、「パーン」という音を出すことができます。

つまり、このことからも、以下にソールの後ろ側(バウンス)を当てることが大事かということも同時に掴むことができるでしょう。

⑤ バンカーでボールが飛ばなかった時

逆に、バンカーからうまくボールが飛ばずに脱出できなかったときを考えてみましょう。

これは先ほどのいい音が出た時のバンカーショットとは逆に、クラブが潜りすぎてしまって、砂が掘れてしまった時に起こりやすいです。

つまり、バウンスが足りずにボールに対して力が伝わらず、ボールが思ったより飛ばないという現象です。

どんなに力いっぱい振っても、ヘッドが砂に潜ってしまってはボールが飛びません。

これが典型的なバウンスが足りていない症状です。

よく、バンカーのレッスンで、「砂を飛ばしましょう」というのがありますが、これはそういうことを示しています。

ソールのバウンスを使って、砂をしっかりと前方向(進行方向)に飛ばすことができれば、効率よくボールにも力が伝わり、バンカーからボールを脱出させることができる、という仕組みです。

そのためには、しっかりバウンス効果を発揮させる必要があるということになっていきます。

とはいえ、それを意識しすぎるとすくい打ちになりやすいので要注意。

あくまでもダウンブローは基本で、上記しましたように、良い音が出るようにソールを当てていくというのが必要になってきます。

一方で、この飛ばないショットは、実は、バンカーでの距離感の作り方のヒントにもなります。

つまり、砂の中にクラブを潜り込まして、ボールに力が伝わりにくくすれば、飛ばないバンカーショットがやりやすい、というように考えることもできます。

たとえば、ピンがバンカーのすぐ上に立っていて、なるべくボールを飛ばしたくない時に有効です。

いつもより大きめにヘッドを上から打ちこむ(アタックアングルを大きくする)ことで、ヘッドをボールの下に潜り込ませることができれば、短い距離のバンカーショットになりやすいです。

これは、バウンス効果をコントロールする一つの方法で、バウンス効果は、アタックアングルと相関関係があり、アタックアングルが大きければ大きいほど、バウンス効果は減ります。

その結果、砂に対する抵抗が減り、ヘッドが潜りやすくなるということになります。

目玉の時に、さらに飛ばさない方法として、フェースをかぶせて打ち込むということを教わることもあると思います。

これも、まさにバウンス効果をさらに減らす方法で、リーディングエッジからしっかりと砂に接地しやすくし、かつ、アタックアングルを大きくすることで、さらに潜りやすくするというものです。

その結果、ボールに伝わるエネルギーが減少し、ボールが飛びにくくなるというものです。

このようなことを覚えておくと、バンカーショットの距離感をヘッドスピードのコントロールだけではなく、ヘッドの入れ方だけでも作ることができるようになります。

という感じで、様々な現象や、ナイスショットするための要素、距離感を調整するための要素として、バウンスの効果を理解することは非常に重要です。

今一度、ご自身のウェッジのバウンスを確認していただき、そのウェッジをどのように使ったら、バウンス効果が発揮しやすいのか?どのようにソールが当たると心地よい音がするのか?などを試してみてください。 きっと、ショートゲームの引き出しが増えることにつながると思います!

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。