全英女王対決となったプレーオフで桑木志帆に勝利
2008&2012年の「全英女子オープン」を制している申ジエと、今年の「全英女王」の桑木志帆の対決となったプレーオフの3ホール目で4メートルほどのバーディーパットを強気でねじ込んで勝利を決めた申は珍しく両手を高々と上げる派手なガッツポーズを見せました。
「優勝して泣いたことはないけど、今日は嬉しいです」と目に涙を浮かべながら話す姿に快挙を達成した喜びと共に、正規のラウンドと合わせて21ホールを桑木との真っ向勝負した末の勝利がいかに価値あるものだったかを物語っていました。
2打差で首位の桑木を追いかけてスタートした最終日は一時3打のビハインドとなったものの、後半に3バーディーを奪って追いつき、プレーオフに持ち込みます。
2ホール目まではともにパー。
カップを切り直した3ホール目はほぼ同じ距離のバーディートライとなり、先に打った桑木がわずかにショートしたのに対して、強気のタッチで決めて「日本女子オープン」初優勝で史上初となる国内メジャー4冠を達成。さらにツアー通算30勝で史上7人目の永久シードも獲得しました。
前日から見せていた勝利へのこだわり
古江彩佳とツーサムで回った前日の3日目は「最終日を最終組で回りたくて頑張った」との言葉通り、67で回って桑木との最終組対決を実現させます。
さらにパー3が6ホールあり、153ヤードで最も短い6番以外の5ホールは平均スコアがオーバーパーになるというセッティングのコースではショット力が勝利へのカギになると予想したのでしょう。
3日目終了後は最後までドライビングレンジに残って調整をしていたそうです。
フェアウェイキープ100% パーオン逃し1ホールでも居残りで猛練習
同じようなシーンが約1年前、昨年の「三菱電機」最終日でもありました。
この日の申はフェアウェイキープ100%でパーオン逃しは1ホールだけでした。
それでも32パットしたことに到底納得できなかったようで、ホールアウト後も練習グリーンで黙々と調整していたのです。
このシーンを筆者が目撃したのは優勝した仲村果乃のクラブチェックをした際のことでした。
申のスタートは最終組より1時間超早かったのに加えて、クラブチェックが終わった後もやめる気配がなかったことを考慮すると2時間ぐらいはやっていたと思われます。
この4月で38歳になった年齢。
すでに試合は終わり、昨年は翌週の「TOTO」が滋賀での開催だったので、移動のことを考えると早く帰宅して休養する選択肢もあったはずですが、その日の課題はその日に克服しなければいけない、という強い気持ちを垣間見たシーンでした。
その甲斐あってか「TOTO」では2日目を終わって首位タイ。
73を叩いた3日目に6位に後退し、最終日は悪天候でキャンセルとなってしまいましたが、努力は結果に表れていました。
永久シード獲得を確信していた?今シーズンのスケジュール
昨年5月の「サロンパスカップ」で通算29勝目を獲得してから“足踏み”が続いていた申ですが、今シーズンのスケジュールを見ると永久シード獲得を確信していたようにも見えます。
22試合に出場した昨シーズンは「日本女子オープン」以降に5試合に出場しました。
シード選手は年間20試合(2026年の場合)出場義務試合数がありますが、今シーズンの申は「日本女子オープン」が15試合目。前週次点では「TOTO」と最終戦の「リコーカップ」に出場できるかは微妙なポイントランキングだったので、急きょ他に出場する必要が生じたかもしれなかったのが、永久シード獲得で義務試合数は発生しなくなりました。
30勝の呪縛? がなくなったことで、これからも勝利を重ねていくのか。
ツアーではこれまで延べ100人超が38歳を過ぎての優勝を達成しています。
義務試合数がなくなったことで、出場ペースを自由にできるようになった申はどこまで上積みできるのでしょうか。
(文/森伊知郎)














