MIDの「95」と「115」はアベレージゴルファーの頼れる受け皿になる
ダイナミックゴールド(以下DG)といえば、かつてはアイアン用スチールシャフトの代名詞的存在。私もDGでアイアンを磨いた口でした。他メーカーから優秀なスチールシャフトが多数登場している今でも一目置かれる存在であり続けています。ただ、多くのニーズに応えて販売競争に打ち勝つべく種類が多くなっていることも事実で、そのぶん何を使ったらいいのか迷いやすくなったともいえます。
例えばDG85やDG95となると、重さ的には軽量スチールですが、DGらしい元調子の感じが残っています。メーカーの表記では85は中調子、95は中元調子ですが、打ってみるとDG特有の元調子感を引き継いでいるのです。そのため重量が軽くなっていても、しなる感じがあまりありません。当然、元調子のDG105にもいえることで、そうなるとちょっと中途半端な感じがあることも否めません。
ですから、軽量シャフトといえども、これまでDGを使ったことがない人がいきなり投入するのではなく、DGを長年使っていて振れなくなってきた人が、その対策として重さを落としていくイメージの選び方がしっくりきます。ショットに大転換を求めず、同じフィーリングを残しつつ打てるところが最大のメリット。DGが大好きな人たちの受け皿としては最適ですし、DGに対する憧れがあるベテラン世代のゴルファーもトライしてみる価値があると思います。
さて、そうなるとアベレージゴルファーに向くDGはどれか? という問題になりますが、私の感覚でいうとDGのしなりは重量とワンセットです。独特の“粘っこいしなり”によって生まれる軟らかい打感は重さがあっての賜物で、シャフト重量が軽くなるほど希薄になっていきますから、基本的にはDG120だと思います。ただ、DG120はS200で118g、X100で120gですから重いと感じる人も多い。元調子なのでなおさらです。
そこで注目したいのが「DG MID」という機種です。このモデルには95、115、130の3種類があります。MIDの名の通り、こちらは感覚的にも中調子。重さ的に130(TOUR ISSUE)は除くとして、95(R300=96g、S200=98g)と115(R300=114g、S200=115g、X100=116g)はアマチュアゴルファーにとって頼れる受け皿になります。前述したようにDG85、95には従来のDGっぽさが根強く残っていますが、MIDは中調子に完全シフトされているので“しんどさ”がありません。DG95と95MIDを比べると前者は“軽カタ”ですが後者にはクセがない。115でもイケる人が多いでしょう。
ヘッドスピード帯も広くて40m/s以下、36m/s(ともにドライバーのヘッドスピード)くらいでもMIDなら十分に打てる。DG85、95、105では硬い金属の棒を振っている感じだったものが大幅に緩和されているからです。元調子を売りにしてきたDGが、中調子のMIDを送り込んできたのはすごく画期的なことだと思います。確かに今までのDGとは一味違いますが、インパクトでボールを包み込む感じは受け継がれているので私は支持しています。
まとめると、DG本来の良さを享受するならやはりDG120。重量的に難しいアベレージゴルファーやシニアゴルファーにはDG MIDがおすすめです。MIDを試す場合には、軽いものから手をつけないと感覚がボヤけるので、95→115の順に打ちましょう。それでもイマイチなら同重量のDG(95か115)も打ってみてください。というのも、レベルやキャリアに関わらず、スイングタイプによっては“軽カタ”スチールがフィットする人もいるから。リシャフトするかはさておき、打ち比べてみるだけでも、わかりづらいとされているスチールシャフト内での違いが明確にわかるはずです。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。














