2019全英オープンゴルフ レポート|タイガーらのメジャー優勝を支えた名キャディが、J・デイにメジャー2勝目をもたらすか
ゴルフライダーKの全英オープンレポート【その2】
北アイルランド・ロイヤルポートラッシュにて開催の“全英オープン”レポートをお届け。
どうしても欲しい!2015全米プロ以来のメジャー勝利!!
7月初旬の3Mオープンからタッグを組み、全英オープンの予行演習を行なったデイ
スティーブ・ウイリアムズ。ゴルフファンなら誰もが知る、名キャディだ。タイガーのメジャー15勝のうち13勝でバッグを担ぎ、2013年のアダム・スコットのマスターズ優勝を支えるなど、メジャー大会を知り尽くした男と言ってもいいだろう。
そんな“優勝請負人”とジェイソン・デイが、この全英オープンでも再びタッグを組むようだ。さっそく、月曜日の練習ラウンドに臨む彼らに帯同し、デイから話を聞かせてもらった。
「全米オープンの後、3Mオープンでもバッグを担いでもらったんだ。とにかく全英では、低くてラインを出すショットを打つ必要があるとアドバイスされたよ」(J・デイ)
3Mオープンでは、ドライバーもアイアンも、普段の半分くらいの高さに抑えて打っていたというデイ。この試合から、全英オープンの予行演習のようなラウンドをしていたということなのだろう。別の試合で予行演習までしてくるあたり、かなり気合を入れてメジャーを獲りにきているようだ。
「ロイヤルポートラッシュゴルフクラブは、リンクスコースの中でもトップクラスに難しくタフだと、スティーブは言うんだ。たしかに、フェアウェイの起伏は、本当に激しい。良いショットを打ったとしても、落ちどころがちょっとでも悪ければ、大変なところに転がってしまう。だから、スティーブは、外しちゃいけないところと外していいところを細かくジャッジしてくれるんだ」(J・デイ)
そんな彼らの練習ラウンドを見ていると、ウェッジを持ったデイに対して、「ここはパターのほうがいい」といったふうに、スティーブがクラブを持ち替えさせるシーンが多々見られた。ティショットでは、「ラインを出していこう」と低い弾道のショットを要求することも。
そして、二人の会話の中からは、「スロープ(傾斜)」という単語が頻繁に聞こえてきた。デイは、普段は高い弾道でキャリーを出していく選手だ。だが、このフェアウェイの狭いロイヤルポートラッシュでは、キャリーを出すよりも「狙ったポイントへ正確に運ぶ」ショットが求められる。そして、どこに落とすべきかの判断力も重要。そうした状況判断を、歴戦の強者であるスティーブに任せ、自身の力を発揮させたいという思惑が、デイにはあるのだろう。
ラウンド後、優勝するためには何が必要かを聞くと、デイは「とりあえず、ロースコアだろう(笑)」と、冗談交じりに答えてくれた。だが、名キャディを“招聘”するあたり、2015年の全米プロ以来のメジャー制覇をなんとしても成し遂げたいという、強烈な欲求を持っているはずだ。気合い十分のデイと名キャディ・スティーブのコンビが、どんな活躍を見せてくれるのか。要注目しておきたい。
●取材・文・撮影/ゴルフトゥデイ編集部 角田柊二
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