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どっちを選ぶ!? 楽に飛ばして狙える『ZX5アイアン』vs思い通りの球筋で狙える『ZX7アイアン』

試打のスペシャリスト・高橋良明プロがスリクソンの最新アイアン2機種を打ち比べ

2020/11/21 ゴルフサプリ編集部

「Z」から「ZX」へネーミングが変わると同時にバックフェースのデザインも大刷新された『スリクソンZX5アイアン』と『スリクソンZX7アイアン』。日本の男子ツアーでは稲森佑貴と香妻陣一郎によって『スリクソンZX5アイアン』が「日本オープン」と「三井住友VISA太平洋マスターズ」で2連勝。優勝請負クラブとして話題の同アイアンとその兄貴分に当たる『スリクソンZX7アイアン』の実力を高橋良明プロが検証します。

『スリクソンZX5アイアン』の飛距離性能はアスリート系でトップクラス

「飛距離と打感のよさを両立させた『スリクソンZX5アイアン』と打感のよさと操作性を極めた『スリクソンZX7アイアン』。どちらをとってもバランスよく上手に作られたアイアンです」(高橋)

名前と見た目だけでなく中身も大幅に進化したのが『スリクソンZX5アイアン』です。稲森佑貴が2年ぶり2回目のタイトルを獲得した2020年「日本オープン」では、『スリクソンZX5アイアン』の飛びが話題となりました。ドライバーが飛ばない代わりに、第2打を遠くから先に打ってグリーンに乗せてくるのは稲森の方。同伴プレーヤーたちを驚かせたアイアンの飛距離は大きな勝因でした。

『スリクソンZX5アイアン』の飛びにはあらゆるアイアンを打ち尽くしてきた高橋プロも舌を巻きました。
「飛距離性能はアスリート系のきれいな顔のアイアンの中では間違いなくトップクラスです。ロフトが少し立っていることもありますが、とくにフェースの弾きがいいのでボール初速が明らかに速く、伸びのある強い球で飛んでくれます」(高橋)

ただ飛ぶだけでなく狙っていける『スリクソンZX5アイアン』

飛ぶアイアンは止まらないという通説は、『スリクソンZX5アイアン』には当てはまりません。「三井住友VISA太平洋マスターズ」の最終日18番ホール、首位を1打差で追う香妻陣一郎は残り230ヤードの2打目を『スリクソンZX5』の5番を使ってピンそば20センチにつけ、楽々イーグルを奪って逆転優勝しました。

遠くても狙っていきたくなるし、実際に狙えるアイアンと高橋も評価を下した。

「打感も間違いなくよくなっています。前作の『スリクソンZ585アイアン』はパチーンといかにも弾きが強い打感でしたが、『スリクソンZX5アイアン』は弾きがいいけれどやわらかさも感じられ、球がフェースにのっている安心感があります」

『スリクソンZX5アイアン』なら幅広いゴルファーが結果を出せる

「ロフトが立っている割に高い球が楽に打てます。『スリクソンZX7アイアン』ほどではありませんがスピンも適度に入ります。それに、芯が広くてミスヒットしても曲がりにくく距離のロスも少なくなっていますね。ただ飛ばすだけでなくピンを真っすぐ狙っていけます」

『スリクソンZX5アイアン』をひとことでいえば、「さらりと打って結果の出るアイアン」と高橋。

「初中級者からプロまでどんなレベルのプレーヤーでも使えますが、とくにこれから練習して上達したい人や競技志向で少し楽にゴルフをしたい人におすすめです」

フェース周辺の「スピードグルーブ」(薄肉部分)によりフェース全体が大きくたわみオフセンターヒットでも距離が落ちにくい。フェースには反発力の高いバネ鋼(クロムバナジウム鋼)を採用し、高いボール初速と飛距離性能を実現。
長すぎないブレード長と厚すぎないトップブレード。『スリクソンZX7アイアン』や『スリクソンZフォージド』とコンボしても違和感のない顔だ。適度なグース感があり楽に球をつかまえられる。トゥ側のウエイトによりミスヒットに強く直進性も高い。

クラブ名スリクソンZX-5アイアン
ヘッド素材[#4〜7]ボディ:軟鉄(S20C)鍛造+タングステンニッケルウエイト、フェース:クロムバナジウム鋼

[#8〜SW]ボディ:軟鉄(S20C)鍛造、フェース:クロムバナジウム鋼
番手/ロフト角4I/22度
5I/24度
6I/27度
7I/31度
8I/35度
9I/39度
PW/44度
AW/50度
SW/56度
シャフトカーボン:Diamana ZX for IRON(S、R)

スチール:N.S.PRO950GH DST(S、R*)、N.S.PRO MODUS3 TOUR105 DST(S、R*)*は特注対応
長さ(5I)38インチ
バランス/重さ(#5)Diamana ZX for IRON(S):D0/373g
N.S.PRO950GH DST(S):D2/408g
N.S.PRO MODUS3 TOUR105 DST(S):D2/411g
価格●Diamana ZX for IRON
6本セット(#5〜9、PW):132,000円+税
単品(#4、AW、SW):22,000円+税

●N.S.PRO950GH DST
6本セット(#5〜9、PW):118,000円+税
単品(#4、AW、SW):19,800円+税

●N.S.PRO MODUS3 TOUR105 DST
6本セット(#5〜9、PW):125,400円+税
単品(#4、AW、SW):20,900円+税


『スリクソンZX7アイアン』の真骨頂。打感がやわらかくフェースに球が乗る

中上級者の打点分布に合わせてキャビティの肉厚を設計。オフセンターでもやわらかく厚みのある打感が得られる。軟鉄の中でも軟らかいS20Cを採用、さらに表面が硬化しにくい熱処理を加えることで球がフェースに吸い付くような打感を実現している。
いかにも操作しやすそうなコンパクトなヘッド。球筋をイメージしやすくアドレス時の集中力を高めてくれる。トゥ側にタングステンニッケルウエイトを配置してスイートエリアを拡大。アスリートモデルながらミスヒットにも強い。

『スリクソンZX7アイアン』は正統派の軟鉄鍛造アイアンですが、バックフェースのキャビティ部分がかなり凝ったデザインになっています。ねらいはオフセンターヒット時の打感の向上です。

「『スリクソンZX7アイアン』の打感もすごくよくなりました。素材自体は先代までと同じなので、キャビティ部分のデザインが打感のやわらかさをもたらしているのでしょう。そのため、フェースに弾きのいいバネ鋼を採用している『スリクソンZ585アイアン』に比べて、球がフェースに乗っている時間がさらに長い印象です」

上から打ち込むほど気持ちよく抜ける『スリクソンZX7アイアン』

打感のよさには新しいソールの形状も貢献しているそうだ。

「ワイドソールの『スリクソンZX5アイアン』はヘッドを手前から入れても滑ってくれるので払い打つ人向き。これに対して『スリクソンZX7アイアン』はヘッドを少し上から入れたときにV字ソールの頂点のところにしっかり当たって気持ちよく抜けていきます。ヘッド自体コンパクトだし、トゥやヒールのひっかかりがないので、フェースを返して球をつかまえたり逃がしたりといった操作もやりやすくなっています。ある程度テクニックのある人なら球筋を自在に操れるでしょう」

「『スリクソンZX7アイアン』はロフトが寝ている分『スリクソンZX5アイアン』よりも高弾道で、スピンもよくかかります。飛距離は1番手くらい違いますが、球はすごくよく止まります」

『スリクソンZX7アイアン』をひとことでいえば、「最高の打感を堪能できて、高弾道・高スピンで狙えるアイアン」(高橋)だ。

飛びの『スリクソンZX5アイアン』と操作性の『スリクソンZX7アイアン』、どちらを選んでも期待を裏切らない出来映えだ。

「新・TOUR V.T.SOLE」は各モデル専用デザイン。『スリクソンZX5アイアン』(写真右)はソール幅が広めで手前から入れたときにダフりにくくきれいに滑る。『スリクソンZX7アイアン』(写真左)はトゥとヒールがひっかかりにくく、上から入れたときの切れ味が鋭い。

クラブ名スリクソンZX-7アイアン
ヘッド素材[#3〜7]軟鉄(S20C)鍛造+タングステンニッケルウエイト

[#8〜SW]軟鉄(S20C)鍛造
番手/ロフト角3I/20度
4I/22度
5I/25度
6I/28度
7I/32度
8I/36度
9I/41度
PW/46度
AW/51度
SW/57度
シャフトスチール:ダイナミックゴールドDST(X100*、S200)N.S.PRO950GH DST(S、R*)、N.S.PRO MODUS3 TOUR120(X*、S)*は特注対応
長さ(5I)37.75インチ
バランス/重さ(#5)ダイナミックゴールドDST(S200):D2/424g
N.S.PRO 950DST DST(S):D2/408g
N.S.PRO MODUS3 TOUR120(S):D2/414g
価格●ダイナミックゴールドDST
6本セット(#5〜9、PW):118,800円+税
単品(#3、4、AW、SW):19,800円+税

●N.S.PRO950GH DST
6本セット(#5〜9、PW):118,000円+税
単品(#3、4、AW、SW):19,800円+税

●N.S.PRO MODUS3 TOUR120
6本セット(#5〜9、PW):125,400円+税
単品(#3、4、AW、SW):20,900円+税

テスター
高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ。東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門紙やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

撮影/相田克巳
取材・文/吉田宏昭
協力/サザンヤードカントリークラブ


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