ブリヂストン「ツアーB 201CB」VS「ツアーB 202CBP」|どちらもアスリートモデルだけど、違いはどこにある!?
試打のスペシャリスト・高橋良明プロが「ツアーB」アイアン2機種を打ち比べ
日本を代表するアスリートブランドで大勢のツアープロが愛用している「ツアーBシリーズ」。2020年秋モデルの中からアマチュアにも使いやすそうなキャビティアイアンの『ツアーB 201CB 』とポケットキャビティアイアンの『ツアーB 202CBP』をピックアップ。それぞれの特色と使い勝手を高橋良明プロが検証する。
この2機種は2020年モデルの中でも白眉の出来映え
毎年出る新製品のほぼすべてを試す高橋プロによると2020年はアイアンの当たり年。その中でも抜きん出た存在として『ツアーB 201CB 』と『ツアーB 202CBP』を挙げる。
「いいアイアンが多かったけれど、その中でも『ツアーB 201CB 』と『ツアーB 202CBP』は抜きん出ています。両方試して迷う人もかなり多いでしょう」(高橋)
では、甲乙付けがたい2機種からどう選んだらいいのだろうか。
軟鉄鍛造のよさはそのままに飛距離性能が加わった『ツアーB 201CB』
「『ツアーB 201CB 』はプロモデルの王道です。打感はすごくやわらかいし操作性もあるので、競技志向の人やフォージド好きなら何の不満もないでしょう」(高橋)
しかし、ただそれだけで終わっていないところが『ツアーB 201CB 』の魅力だ。
「ふつうの軟鉄鍛造なのにけっこう飛ぶんですよ。ロフトが少し立っているせいかわかりませんが、ボール初速が上がって1番手くらいは飛ぶ感じです。先に外したときは球が少し弱くなりますが、ネック側に当たればけっこう強い球で距離が稼げます。中上級者の打点に合わせて重心がヒール寄りに設計されているのでしょうか、とにかく上手く作られています」(高橋)
『ツアーB 201CB』は操作性と飛距離性能のバランスがとれている
「『ツアーB 201CB』は上下の打点のブレに強いですね」(高橋)
もちろんただ遠くへ飛ぶだけでもない。そこはいわゆる飛び系アイアンと一線を画している。
「スピンがしっかり入って球が上がります。それでも球が前に行くので、正しく飛んで止まるアイアンといえます。また、打点が上下にずれたときでも距離のブレが少なく、軟鉄鍛造のカテゴリーの中ではかなりやさしい部類です」(高橋)
『ツアーB 201CB』は現役バリバリのアスリートはもちろん、これから80台、70台を目指す上昇志向のゴルファーにもおすすめできるアイアンだ。
『ツアーB 202CBP』の飛距離性能は飛び系アイアン並み
『ツアーB 202CBP』もヘッドが割とコンパクト、トップブレードの厚さも適度なので『ツアーB 201CB』から持ち替えてもそれほど違和感がない。そしてロフトが0.5〜2度立っているので飛距離はさらに出る。
「『ツアーB 201CB』よりも球が強いけれど、決してロースピンの棒球にはなりません。適度なスピンが入ってきれいな球筋で飛んでくれます。また、ポケットキャビティらしくフェースの下側がすごく強いです。リーディングエッジぎりぎりで打っても弱い球にならず距離も出ます。飛距離性能は飛び系アイアンに近いですね。見た目の格好いい飛び系といった感じです」(高橋)
適度につかまって、左右のミスに強い『ツアーB 202CBP』
「左右に打点がズレても飛距離ロスやスピンの変動が少ない」(高橋)
飛ぶアイアンの多くは中上級者にとってつかまりがよすぎる。だが、『ツアーB 202CBP』には当てはまらない。
「飛ぶ代わりに極端につかまるアイアンも多いけれど、『ツアーB 202CBP』は勝手に球がつかまってしまうような怖さはありません。また、フェースの弾きがよく球離れも速いけれど、出球のイメージはつかみやすく曲がりも少ないので、ある程度の方向に打ち出していけばあとはクラブがなんとかしてくれるという安心感はあります」(高橋)
ツアーモデルの中では芯が広く、左右のミスに強いのも『ツアーB 202CBP』の長所だ。
「『ツアーB 201CB』が上下のミスに強いのに対して、『ツアーB 202CBP』は左右のミスに強いアイアン。トゥやヒールに外したときの距離のロスや曲がりが少なくなっています」(高橋)
キャリアが浅く打点がばらつく人から少し楽に飛ばしたいベテランまで、『ツアーB 202CBP』はかなり幅広いゴルファーをカバーしてくれる。
ブリヂストン|ツアーB 201CBアイアン
クラブ名 | ツアーB 201CBアイアン |
---|---|
ヘッド素材 | 軟鉄(S20C)鍛造 |
番手/ロフト角 | 4I/21.5度 5I/24.5度 6I/27.5度 7I/31.5度 8I/36度 9I/41度 PW/46度 |
シャフト | カーボン:— スチール:N.S.PRO MODUS3 TOUR120、N.S.PRO MODUS3 TOUR105、Dynamic Gold |
長さ(#5) | 37.75インチ(N.S.PRO MODUS3 TOUR120)、38インチ(N.S.PRO MODUS3 TOUR105) |
バランス/重さ | N.S.PRO MODUS3 TOUR120(S):D2/416g(#5)、D2/430g(#7) N.S.PRO MODUS3 TOUR105(S):D2/408g(#5)、D2/422g(#7) |
価格 | ●N.S.PRO MODUS3 TOUR120 6本セット(#5〜9、PW):132,000円(税込) 単品(#4):22,000円(税込) ●N.S.PRO MODUS3 TOUR105 6本セット(#5〜9、PW):132,000円(税込) 単品(#4):22,000円(税込) ●Dynamic Gold(特注専用) 1本:22,000円(税込) |
ブリヂストン|ツアーB 202CBPアイアン
クラブ名 | ツアーB 202CBPアイアン |
---|---|
ヘッド素材 | [#4〜7]ボディ:軟鉄(S20C)鍛造、フェース:SAE8655クロムモリブデン鋼 [#8〜SW]軟鉄(S20C)鍛造 |
番手/ロフト角 | 4I/21度 5I/23.5度 6I/26.5度 7I/30度 8I/34.5度 9I/39度 PW/44度 |
シャフト | カーボン:MCI B65 スチール:N.S.PRO MODUS3 TOUR105、N.S.PRO 950 neo |
長さ(#5) | 37.75インチ(MCI B65)、38インチ(N.S.PRO MODUS3 TOUR105) |
バランス/重さ | MCI B65(S200):D1/369g(#5)、D1/380g(#7) N.S.PRO MODUS3 TOUR105(S):D2/408g(#5)、D2/422g(#7) |
価格 | ●MCI B65 6本セット(#5〜9、PW):132,000円(税込) 単品(#4):22,000円(税込) ●N.S.PRO MODUS3 TOUR105 6本セット(#5〜9、PW):118,000円(税込) 単品(#4):19,800円(税込) ●N.S.PRO 950 neo(特注専用) 1本:19,800円(税込) |
テスター
高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ。東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門紙やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。
取材・文/野中真一
撮影/相田克巳
協力/サザンヤードカントリークラブ
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