マイケル・ジョーダンは地球上最強の『グレート・ナッツ』NBAのMVP受賞式を欠席してゴルフ三昧

入会審査の設問による合計ポイントでAからDのナッツのランクに。Aランクは3千ポイント以上で。トムからは僕へも折にふれ激励カードが届き、今も大切にしている。

先輩会員トム・ジュエルとのプレーでフロリダの自宅を訪ねた際は「メンバーは家族同然。思いきり楽しもう！」と大歓迎。強烈なハグでキスされそうな勢いだった。夫人も加わり仰天エピソードの数々。

結婚式の翌日「ゴルフの面白さを教えてあげる」と寒波来襲で誰もいないゴルフ場に連れていかれ「気分も氷点下の新婚旅行だった」と笑顔。

彼は家庭とバランスを保ちながらも過激なゴルフライフを送り97年度に悲願の年間狂者に輝いた。

歴代狂者も凄い。92年受賞マール・ベイルは88年全米50州全て右でプレーし、89年は同じコースを左でプレー。90年は1日右と左で各110ホールをプレー。91年は年間1290ラウンド、打球練習約6万6000球。

91年はベン・ホーガンの広報担当パット・シーリングが、94年はA・パーマー歯科主治医ブラッド・バストウらが受賞、彼らは情熱、体力、気力を備えたスーパーナッツばかりだ。

雑誌セレブリティゴルフの表紙になったマイケル・ジョーダン。NBA現役時代からセレブゴルフツアーに出場。PGAツアーのプロアマ出場やライダー杯へも副主将やアドバイザーとして米チームに同行（今秋を除く）。会員番号はNBA栄光の背番号に敬意を表し＃0023。

メンバーの誰もが「キング」「ゴッド」と崇め、桁違いの生涯獲得ポイントで殿堂入りしたのは89年王者マイケル・ジョーダン。

88年オフに150ラウンド。オールスターゲーム前に極寒ユタ州での記者会見を罰金承知で欠席し、温暖ラスベガスでプレー。同年NBAのMVP受賞式を欠席しパインハーストで2ラウンド。

2週間の滞在中は早朝レッスンと計540ホール。野球マイナーリーグ時代はアリゾナ州のゴルフ場内に住み、毎日プレー。

92年PGAツアーのチャリティを行った際も会見をドタキャンし母デロリスさんが代行。「息子はプレーに行ったから」と聞き唖然。シカゴの邸宅地下は巨大な練習施設で24時間体制、プロ顔負けの練習＆プレーを30年以上も継続。

結婚式（2度目）当日も1時間前までプレーなど、想像を絶するゴルフライフを継続中。1ホールでも多くプレーするため自身のゴルフ場まで実現、地球上最強のグレート・ナッツに違いない。もう、凄すぎて言葉が見つからない。

会員＃0175、1997年3万ポイント超で悲願の年間狂者に。JCペニー百貨店離職後、ゴルフに没頭するためNY州からフロリダ州に移住。米国トップ100コースを複数回制覇。

プレーだけでなく著名人サインボールのコレクター。PGAとLPGA選手130人以上とプレー経験。M・ジョーダンとは一緒に練習したことも。

豊富な経験と温厚な人柄でゴルフ場コンサルタントやゴルフ専門職育成カレッジの相談役など多方面で活躍。妻と3人の娘はあきれながらも全面サポート。

●文／佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。2022年まで32年間NHKゴルフ解説者。2023年からBS放送局『BSJapanext』にて「大正製薬 Presents PGA TOUR TV Program PGA ツアー」の解説者に。※2024年からは「フォーラムエイト Presents PGA TOUR TV Program PGA ツアー」。