左腕一本で振るとクラブを引っ張る格好になってスイング軌道が安定する
前回、自分のグリップに合ったスイングが省エネスイングになるという旨のお話しをしました。その前段で左手一本での素振りをおすすめしましたが、読者の方から「なぜ左手一本なのか、もう少し詳しく知りたい」というご要望があったので、今週はそれにお答えする回にしたいと思います。
“素振りの段階から省エネスイングになっておらず、気持ちよく振れない人もいるかもしれません。そんな人は左手一本(利き手と逆の手一本)で片手素振りをやってみてください。なぜ左手一本なのかというと、器用に使える右手一本だと手先でクラブをコントロールできて、どんな振り方にも対応できてしまうからです。左手一本で素振りをした際に違和感があったら、インパクト前後で手が返った方がしっくりくるか、あまり返らない方が振りやすいかを感じてください。できない動きを無理にする必要はありません”
というのが、左手一本素振りについての前回の件でした。
ゴルフスイングにおいて左腕はリードアームと言われます。スイングの軌道であるスイングプレーンをリードするのは左腕というわけです。なぜリードアームなのかといえば、左腕一本で振るとクラブを引っ張る格好になってスイング軌道が安定するからです。これに対して右腕一本で振るとクラブを押す格好になり、ダウンスイングでヘッドが被ったり、それを嫌がってクラブを寝かしすぎる、といったエラー動作が入りやすくなります。

左腕一本ならエラー動作が0になるとは限りませんが、力を効率よく使うという観点から見ると、押すより引く方が、力がいらないぶん楽ですし正確性もある程度担保されます。何より余計な力が入らない方がオンプレーンになるというのは、素振りがオンプレーンになりやすいことからしても明白です。すでにこのコラムで、素振りは省エネスイングそのものと述べましたが、素振りがオンプレーンになりやすいことを考えればオンプレーンスイング=省エネスイングと言ってもいいのです。

ですから左腕一本で素振りをする時には、気持ちよくヘッドをターゲット方向に振ってあげましょう。タメを作るとかは考えず、どんどんリリースして前に振るイメージでOKです。タメを作る、あるいはダウンスイング時にシャフトと腕でできる角度(アーム角)をキープしてインパクトする、などといった意識をもつと、クラブがリリースされずにインパクトで手元が前に出てフェースが開きます。また、ドライバーは長いので振り遅れてしまいます。省エネスイングを実践すべく軟らかいシャフトを使っていればなおさらです。クラブヘッドが手元を追い越してはじめて正しい意味でアーム角がキープされ、振り遅れもなくなるのです。

左手一本で気持ちよく振れると、ダウンスイングからインパクトでクラブヘッドが下りてくるのを待ってあげる感じになります。体が後からついてくる格好になるため体がブレなくなり、力を入れるタイミングも自然とわかってきます。いずれにせよ左手一本で振る時には細かいことは考えず、クラブを先行させることだけ実行してください。


解説:中村 修
(なかむら おさむ)
1968年3月26日生まれ。千葉県出身。26歳でゴルフを始め、2005年にPGA入会。PGAティーチングプロB級会員。コーチとして桑木志帆の指導に携わっていた経験もあるが、執筆もこなす。ゴルフクラブに対する造詣も深い。


















