カーボンとチタンの“DUO構造”をフェースに採用
ルール“ギリギリ”の初速性能で飛びに定評のあるプロギアから注目の新シリーズ「RS DUO」が登場。令和の試打職人こと石井良介に新開発「4層複合フェース」の実力を検証してもらった。
プロギアの「RS」シリーズは2014年の初代「iD nabla RS」に始まり、これまで独自のテクノロジーでルール“ギリギリ”の反発性能を追求してきた。2024年発売の7代目「RS JUST」シリーズでは、フェース中央に最大たわみ点・最高CT点・重心を配置する「4点集中フェース」を採用。最強クラスの初速性能を実現した一方で、「チタン」単一でフェースの性能を高めることに限界が見えていた。そこでプロギアが考え出したのが、4つの素材を複合する全く新しい構造のフェースだった。秘密裏に開発が進められ、ついに最新シリーズ「RS DUO」で、4層複合の「DUO フェース」をリリースするに至った。

「DUO フェース」は、最深部の「チタン」とアウターの「カーボン」を、中間層にある「特殊弾性接着剤」と「ナイロンメッシュ」がつなぐ4層複合構造を取っている。アウターとコアでそれぞれの素材特性を生かしながら、中間層の2つの素材による「SOFT DUOインナー」が厚みを均一につなぐことで、単一素材のフェースでは到達できなかった初速性能を可能にした。
まずアウターのカーボンがインパクト初期にボールを受け止め、さらにスピン量を安定させる。次にコアの極薄に仕上げられた「チタン」が大きくたわみ、ボールの過度な変形を抑えることでエネルギー効率を最大化して、圧倒的な高初速を実現。2つの素材が生み出す「ダブルインパクト」によって、「RS DUO」シリーズは「RS」シリーズ史上最高に飛ぶドライバーに仕上がった。
プロギアが行ったテストでは、前作に比べて、フェースの高初速エリアが約1.3倍に拡大。最大飛距離でも、平均飛距離でも大きな伸びを記録しているという。
「DUO」という言葉を目にして、2003年に大ヒットを記録した「TR-X 370 DUO ドライバー」を想起した人も多いだろう。当時まだ珍しかったチタンボディにカーボンクラウンをコンポジットする「DUO構造」を搭載し、高初速・強弾道の飛びで一世を風靡した。「DUO」は元々「Dual Composite(デュアルコンポジット)」の略語で、異素材複合構造を意味している。最新の「RS DUO」は、フェースの「DUO構造」によって初速性能を極限まで高めた新しい時代の始まりを告げるドライバーなのだ。
誰が打っても、どこに当たっても驚きの高初速
ルール“ギリギリ”の高初速を追求してきたプロギアが満を辞して世に送り出した「RS DUO」の実力とはどれほどのものなのか。令和の試打職人こと石井良介にコースでテストしてもらった。まず打ったのはスタンダードモデルとなる「RS ドライバー」だ。

「プロギアらしいスッキリした顔で、フェース向きが閉じても開いてもおらず、真っすぐなので非常に構えやすいです。打ってみると、心地良い金属音と共に圧倒的な初速でボールが飛び出していきます。『トラックマン』を所持して、さまざまなメーカーの新製品をテストしていますが、正直ここまで初速が出るのかと驚きました。これまでの『RS』シリーズも初速という魅力を持っていましたが、今回はそのさらに上を行く印象。どこで打っても初速が出ているのは間違いありません」

石井はこれまで「RS」シリーズの初速性能に惚れ込み、歴代モデルを購入していて、その特性を熟知している。そんな中で、明らかな違いを感じたのは打ち出されたボールの質だという。
「アウターの『カーボン』の効果なのか、今回は“キュッ”とフェースに乗る感覚がありました。その分、ぶ厚い当たりでボールが前に飛んでくれます。前作までは初速性能の高さがありつつも、少しボールの“軽さ”がありました。決してスピンが多過ぎるわけでもなかったのですが、アゲインストのホールに行くと風に負けそうな印象を持っていたのです。一方、新しい『RS DUO RS ドライバー』は打音も含め、ボールに重さがあります。スピン量も適正から少なめに抑えられるので、ぐんぐん前に伸びてくれます。見た目も性能も悪いところがなく、完成度の高いドライバーです」
今回、石井にはヘッドスピードを44m/s前後に落として試打をしてもらった。「RS ドライバー」の弾道データは以下の通り。
「RS DUO RS ドライバー」

◼️ヘッド体積/450cc◼️ロフト角/9度、10.5度◼️長さ/45.5インチ◼️シャフト/
VENTUS FOR PRGR(S、SR)、Diamana™ FOR PRGR(S、SR、R)◼️価格/10万7800円(税込)
「RS」弾道データ
| クラブスピード | 44.5m/s |
|---|---|
| ボールスピード | 66.6m/s |
| キャリー | 240yds |
| トータル | 269.3yds |
| ミート率 | 1.5 |
| 打出角度 | 10.7度 |
| スピン量 | 2478rpm |
| 最高到達点 | 24.3yds |
| 着地角 | 32.5度 |
ヘッドスピード44.5m/sに対し、ボール初速は66.6m/sをマーク。ミート率は圧巻の「1.50」でランを含めたトータルの飛距離は269.3ヤードに到達していた。
続いては「RS MAX ドライバー」のテストだ。
「やや投影面積が大きくなり、フェースアングルも少し左に向いてつかまる印象が増しました。スライスに悩む人にとって、安心感のある顔だと思います。通常、こういった寛容性を重視したモデルはスピンが増える傾向にありますが、『RS MAX ドライバー』は、つかまったボールでスピンを抑えることができます。初速性能はスタンダードモデルと遜色ないレベルで、打音はやや高めの音になっています。打っていて爽快ですし、フィーリング性能と実際の弾道が一致するので使っていて全く違和感がありません。つかまりが欲しいゴルファーに試してほしいですね。また、ロフトによって性能が少し変わることも特徴的です。10.5度はつかまりなどのお助け感が強く、9度はぶ厚い当たりで飛距離が伸びます。好みに合わせて選ぶと良いでしょう」
「RS DUO RS MAX ドライバー」

◼️ヘッド体積/460cc◼️ロフト角/9度、10.5度◼️長さ/45.5インチ◼️シャフト/
VENTUS FOR PRGR(S、SR)、Diamana™ FOR PRGR(S、SR、R)◼️価格/10万7800円(税込)
「RS MAX」弾道データ
| クラブスピード | 43.7m/s |
|---|---|
| ボールスピード | 65.7m/s |
| キャリー | 237yds |
| トータル | 259.4yds |
| ミート率 | 1.5 |
| 打出角度 | 11.2度 |
| スピン量 | 2844rpm |
| 最高到達点 | 27.2yds |
| 着地角 | 36.3度 |
「RS MAX ドライバー」もヘッドスピード43.7m/sに対してボール初速65.7m/sをマークして、ミート率は「1.50」。スタンダードモデルよりもややスピン量が増えるが、吹け上がることがないので、トータルの飛距離もしっかり出ている。
最後は、数量限定販売となる強弾道モデルの「RS F ドライバー」だ。
「置いた瞬間にフェースが少し右を向きますので、左を気にせず叩ける顔になっています。打音も小さめのこもった音になっていて、重く強いボールが打てます。同じ4層複合構造のフェースを搭載しながら、モデルの特性に合わせたフィーリングに調整されているのはすごいですね。弾道は低スピンの潜るような強い球です。重心が前にあるおかげか、最もヘッドが軽く感じられて、同じ感覚で振ってもヘッドスピードが出てくれます。『DUO フェース』による初速性能の高さがありつつ、スピンも自在にコントロールできる操作性が備わっていて、使い勝手の良さが抜群です」
「RS DUO RS F ドライバー」

◼️ヘッド体積/440cc◼️ロフト角/10度◼️長さ/45.5インチ◼️シャフト/
TOUR AD FOR PRGR(S、SR)◼️価格/10万7800円(税込)
「RS F」弾道データ
| クラブスピード | 44.5m/s |
|---|---|
| ボールスピード | 66.6m/s |
| キャリー | 244.4yds |
| トータル | 272.4yds |
| ミート率 | 1.5 |
| 打出角度 | 12.3度 |
| スピン量 | 2243rpm |
| 最高到達点 | 26.9yds |
| 着地角 | 33.9度 |
「RS F ドライバー」も他の2モデルと同じくミート率「1.50」をマーク。3モデル中、最も低スピンで強い弾道が打てるので、トータル飛距離は272.4ヤードを記録した。パワーヒッターが最大級に飛距離を伸ばせるモデルと言えるだろう。

「打ち比べると3モデルそれぞれに違った特性が備わっていて、設計意図の明確な違いを感じます。ぜひお店などで試打して、違いを体感してほしいですね。どのモデルも初速性能はピカイチですし、打感もそれぞれの良さがあります。過度にスピンが増えるモデルがないので、パワーのあるゴルファーが『RS MAX ドライバー』と『RS F ドライバー』の二択で悩むこともありそうです。夏など体が動く時期は『RS F ドライバー』、疲労がたまった時や体の動かない冬に『RS MAX ドライバー』といった具合に使い分けるのも面白いですね。いずれにしても、抜群の使い勝手と飛距離性能でPRGRの最高傑作とも言えるドライバーに仕上がっていることは間違いありません」
ウェイト交換で振り心地を調整するのもおすすめ
「RS DUO」シリーズのドライバー3機種は位置こそ違うが、いずれも2つの交換式ウェイトを搭載している。石井はベストマッチな「RS DUO」を探す上で、ぜひウェイト交換を試してほしいと話す。

「2つのウェイトを入れ替えて打つと、ヘッド挙動やシャフトのしなりに明らかな違いが出ます。スイング中に重さを感じる部分が変わるので、別のヘッドになったかと思うほうど振り心地が変わります。もちろんヘッドそれぞれの基本的な性能は変わりませんので、性格の違う双子くらいに考えると良いでしょう。ウェイトを替えることで好みの振り心地にチューニングすれば、より一層『DUO フェース』の性能を引き出すことができます」
「RS DUO」シリーズの初速性能を活かすためにウェイト交換がおすすめと石井

「RS ドライバー」と「RS MAX ドライバー」はソールの前後にウェイトが配置されている。通常は後方に重い「8グラム」のウェイトが付けられているが、それを前方に移すことで重心深度を浅く調整することができる。石井の行ったテストでは、300〜500回転ほど、スピンが少なく抑えられていた。つかまりの良いヘッドで、よりスピンを抑えた強弾道を求めるなら、試してみる価値があるだろう。

「『RS ドライバー』はウェイトを入れ替えると、ヘッドが後ろに落ちなくなり、ロフトをキープしたまま叩きやすくなります。一方、ウェイトを入れ替えた『RS MAX ドライバー』は、シャフトの挙動も含めて、ボールを包み込む動きが強くなります。スピン量だけでなく、つかまり度合いも変わるので、スイングやミスの傾向に合わせて選んでください」
一方、「RS F ドライバー」はヘッド前方のフェース寄りのエリアで、トゥ・ヒールにウェイトが搭載されている。通常はトゥ側に「8グラム」、ヒール側に「3グラム」という設定でフェードバイアスを強めているが、ウェイトを入れ替えることでつかまりをプラスすることができる。

「RS F ドライバー」の標準セッティングで右のミスが出るなら、ヒール側に重いウェイトを付けて、つかまりをプラスしよう
「『RS F ドライバー』はウェイトを交換しても、浅重心による強弾道は変わりません。ただ、ヒール側に重い『8グラム』を付けると、重心距離が短くなってお助けモードになります。『MAX』ほどつかまるわけではありませんが、叩けるヘッドの中では程よいつかまりをプラスすることができます」

PRGRでは、シャフトスリーブも独自の「X(クロス)カートリッジ」を採用している。4つのネジ穴を備えたシャフトスリーブで、フェースのヒール側の反発性能を落とすことなく、ロフトを±0.75度、ライ角を+1.5度に調整することができる。

4つのネジ穴を備えたPRGR独自のシャフトスリーブ「Xカートリッジ」。石井は「RS F ドライバー」でロフトを「+0.75度」する調整がお気に入り。
「ボクの場合、『RS F ドライバー』のロフトを『+0.75度』する調整がすごくハマりました。ロフトを増やすことで打ち出し角が高くなり、ヘッドが持つ低スピンという特性を最大限に生かして飛距離を出すことができます。ドライバー選びでは、初速、スピン、打ち出し角のバランスを適正にすることが大切です。『RS DUO』シリーズはどのモデルも勝手に初速を出してくれますので、自分に合うスピン量や打ち出し角を見極めて調整を加えることで圧倒的な飛距離を出すことができますよ」
かつて同じ「DUO」の名前を冠したPRGRのドライバーは、圧倒的な飛距離性能でヘッドの構造に大きな変革をもたらした。今回新たに発売となる「RS DUO」もまた革新的な4層複合フェースによってゴルフ界に大きなインパクトを残すことは間違いなさそうだ。


























