青木瀬令奈は練習グリーンにきたら、まずグリーンの芝の硬さをチェックする!
スティンプメーターやコンパクションの数値はグリーンの速さの情報源
スタート前にグリーンの速さをチェックしておくことが大事ですが、クラブハウス前の練習グリーンの近い場所に掲示されているスティンプメーターとコンパクションの数値にも必ず目を通しておきましょう。
ご存じの方も多いと思いますが、スティンプメーターとはグリーンの速さを計測する器具のことで、細長いレールの端にボールをセットし、レールを斜めに傾けてボールがコロがして止まった場所までの距離を表示しています。
目安としては、次のようになります。
・7・5フィート以下⇒遅いグリーン(一部のパブリックコース、冬場など)
・8~10フィート⇒中くらい~やや速いグリーン(一般営業のコース)
・11~12フィート⇒速いグリーン(プロトーナメント)
一般営業のゴルフ場の場合、9フィート前後が多いですが、トーナメントコースでは難度を上げるために12フィートくらいの速さにセッティングされるケースがよくあります。
コンパクションは正式には「グリーンコンパクション」といって、ゴルフ場のグリーンの表層の土壌がどれだけ締まっているかを数値で示したもので、ボールのコロがりや止まり方に大きく影響します。一般的に数値が高いほどグリーンの表面が硬く、ボールが弾んで止まりにくいグリーンとなります。
コンパクションの目安も説明しておきましょう。
・~23⇒柔らかい
・23.5~24⇒標準的
・24~25⇒やや硬め~硬い
・25以上⇒非常に硬い(トーナメントレベル)

グリーンの硬さは天候にも大きく影響します。雨の日はグリーンが柔らかくなるし、晴天が続いて風も吹いたりするとグリーンが硬くなります。
そうしたパットに関する情報を事前に仕入れておくと、スタート前のパット練習の効率がさらにアップします。その日のグリーンの速さにマッチした距離感の基準を作りやすいということです。
青木瀬令奈プロの場合、練習グリーンにきて真っ先に何をするかというと、グリーンの芝を素手で触って感触を確かめます。練習グリーンの端の近くのところで、カラーの上とグリーンの触った感じの違いを確認するのです。ボクは青木プロの専属キャディ兼コーチをつとめるようになって10年目ですが、このルーティンはまったく変わっていません。
カラーはわりと柔らかいけど、グリーンは硬いなと思ったら結構速いグリーンです。芝を触ってみて、今日は芝の芽がちょっと立っているななど、手による「肌感」をチェックすることで距離感のイメージがすぐにつかめます。
パットだけでなくアプローチやアイアンショットなどのイメージ作りにも大きく役立ちます。今日はグリーンが柔らかいからピンデッドに攻めようとか、グリーンが硬いから手前から攻めようなどといった作戦を立てやすくなります。


カップを見たままストロークする練習でタッチ合わせの感覚がつかめる
青木プロくらいのレベルになるとグリーンの芝を触っただけで、「今日は9フィートくらいだな」とか「11フィートくらいだから結構速いな」などと長年の経験ですぐにわかります。そこでプレー当日の距離感の基準をもとにして、グリーンの速さと自分のフィーリングをリンクさせてタッチを合わせるのです。
ちなみにコースプレーではカップイン前にグリーン面を触ると、芝目などをテストしたと見なされて2罰打となるケースがあるので触らないようにしましょう。
前回はスタート前のパット練習は「10歩の距離と、1メートルの真っすぐの2つだけで十分」という話をしましたが、10歩の距離を打つときはカップの近くに止めるつもりで打つことを第一に考えましょう。
打つ前にカップを見たままで素振りを2~3回繰り返して、目で見た感覚でストロークします。この「目で見た距離感」というのが重要で、カップを見ないでボールを見たまま素振りを繰り返しても距離感のイメージは出てきません。
スタート前のパット練習に時間の余裕があれば、カップを見たままでボールを打ってみるのもいいと思います。慣れないとフェースの芯を外しそうで怖いかもしれませんが、練習でタッチつかむという意味ではとても効果的です。


なおコースプレーにおいては、ロングパットを打つときはピンを立てたままの方がいいでしょう。遠くのカップを見るだけでは距離感のイメージが浮かびにくいですが、ピンを立てておけばターゲットを立体的に見ることができ、タッチも合わせやすくなります。
こうしたことを踏まえて、スタート前のパット練習でグリーンの速さやコロがす距離に応じてボールのスピード感覚を整えておくようにしましょう。


大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。





















