球がラフにあっても救済エリアにフェアウェイがあれば、フェアウェイにドロップ可能

球が止まったのはカート道路脇のラフ。救済を受けるべく、ニヤレストポイントを基点とした救済エリアを見ると、そのエリア内には芝が短く刈られたところがあった。ルール通りにプレーをするのなら、フェアウェイにドロップしてもいいような気がするが、同伴競技者からは「ズルい!」といわれそう。そんなとき、アナタならどうしますか?

実は、救済エリア内であれば、ラフにあったボールをフェアウェイに動かしても、ルール上は全く問題ありません。たとえ球が深いラフにスッポリ埋まっていて普通に打つのは難しい状態であっても、救済エリアにフェアウェイがあれば、堂々とその場所にドロップしてもいいのです。

なぜ、そんなことが可能なのか?

その理由は、ゴルフのルールでは、コースは5つのエリア(そのほかにアウトボブバウンズもありますが)に分けられていて、そのコースによってプレーをする際のルールや救済のときに適用されるルールが決まっているからです。

その5つとは、ティーイングエリア、ペナルティエリア、バンカー、パッティンググリーン、ジェネラルエリア。最初の4つは特定エリアと呼ばれ、この4つを除いた全エリア(もちろんOBエリアを除きます)がジェネラルエリアとなります。

このことからも分かるようにラフもフェアウェイもジェネラルエリアとなり、ルール上、その区別はないということです。きれいにカットされているところとボールが見えなくなるくらい深いラフとでは、プレーヤーにとっては大きな違いですが、ルール上は全く同じように扱われるのです。

ゴルファーの中にはこのルールに理不尽さを感じる人がいるかもしれませんが、今年5月に行われた全米プロでもこんなことがありました。

大会初日の10番ホール、ジョン・ラーム(同大会トータル6アンダーで2位タイ)が打った球は深いラフにつかまりました。ところが、球の近くにスプリンクラーヘッドがあったので、ラームはそれが動かせない障害物であることを確認し、「完全な救済のニヤレストポイント」を基点に1クラブレングスの救済を受けることになりました。そして、そのエリア内にフェアウェイがあったのです。

ラームは当然のごとく、フェアウェイの部分にドロップ。結果的にこのホールをボギーになったので、この1打が好スコアの一因ということにはなりませんでしたが、それでも「ちょっとズルくない?」といった声が聞かれました。

しかし、一部のゴルフファンからは、「正しくルールを理解していたからこそ選択できたプレーだ」という称賛の声があったのも事実。いつもいっているように、ルールを正しく理解することが確実にスコアアップにつながるのです。

ゴルフでは“あるがまま”という言葉が重んじられる傾向がありますが、その一方で、いろいろなケースで救済を受けられるルールが設けられています。どういう場合に救済が受けられるか、また、どんな救済が受けられるかをしっかり覚えておきましょう。

文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。