届きそうなら狙うのが攻めだと思っていた

以前の私は、ロングホールのセカンドでグリーンに届きそうな距離が残ると、かなりの確率で狙っていました。3Wや5Wでうまく打てば2オンできる。そこまで届かなくても、グリーン手前まで運べれば3打目は楽になる。そう考えていたからです。今振り返ると、判断の基準はかなり単純でした。グリーンに届くかどうか、ナイスショットすればチャンスになるかどうか。そのあたりだけを見て、クラブを選んでいたように思います。

もちろん、ロングホールで距離を稼ぐこと自体が悪いわけではありません。うまく当たってグリーン近くまで運べれば、バーディーチャンスにつながることもあります。実際にそういう成功体験があるからこそ、また次も狙いたくなります。届きそうな場面で長いクラブを持ちたくなる気持ちは自然ですし、私もずっとその考え方でした。

ただ、問題はナイスショットした時ではありません。少し当たりが薄い、少し右や左に曲がる、思ったよりランが出ない。そういう普通のミスが出た時に、そのショットが本当に次の1打を楽にしていたのか。今振り返ると、そこまで考えられていませんでした。グリーンに近づけることばかりを考えていて、次にどんな距離が残るのか、ミスした時にどこまで傷口が広がるのかをあまり見ていなかったのです。

ロングホールのセカンドで長いクラブを持つことは、たしかに魅力があります。うまくいけば一気にチャンスになります。しかし、当時の私は成功した時のイメージが強すぎて、失敗した時の残り方まで考えられていませんでした。届きそうなら狙う。それが攻めだと思っていたことが、レイアップを覚える前の私のゴルフだったと思います。

近づけたつもりが、次の1打を難しくしていた

ロングホールのセカンドで2オンを狙った時、少しミスしてよく残っていたのが30〜40ヤードのアプローチでした。グリーンには届かなかったものの、かなり近くまで運べているので、一見すると大きな失敗には見えません。むしろ、グリーン手前まで運べたのだから悪くないと考えていた時期もありました。ただ、アプローチが得意ではなかった当時の私にとって、この30〜40ヤードはかなり嫌な距離でした。

30〜40ヤードは、フルショットでは大きすぎるので、振り幅や力加減で距離を合わせる必要があります。うまく打てればピンに寄ることもありますが、少しでも緩むとダフる。反対に、当てにいって手元が止まるとトップする。自信を持って振り切れる距離ではないので、インパクトで迷いが出やすかったのだと思います。2オンを狙ったはずなのに、3打目で乗せられず、4打目のアプローチを打つ。そんなことが何度もありました。

もうひとつ痛かったのが、OBや1ペナのリスクです。長いクラブでグリーン方向を狙うと、少しの曲がりが大きなミスにつながります。フェアウェイウッドで右に出てそのままペナルティエリア、左に引っかけてOB。こうなると、30〜40ヤードが残るどころの話ではありません。チャンスを作りにいったはずの1打で、スコアを一気に崩してしまいます。ロングホールはパーを取りたいホールなのに、セカンドの判断ひとつでダブルボギー以上が見えてしまうのです。

この経験を何度か繰り返すうちに、グリーンに近づけることが必ずしも成功ではないと感じるようになりました。近くまで運んでも、次に苦手な30〜40ヤードが残ればパーオンできるとは限りません。さらに、曲がった時にOBや1ペナがあるなら、その1打はチャンスではなくリスクにもなります。届きそうだから狙うという判断は、自分にとってかなり危うい選択だったのです。

70~80ヤードを残す方が、私にはパーオンしやすかった

そこで考えるようになったのが、ロングホールのセカンドをあえて残り70〜80ヤード地点に刻むことでした。以前なら、グリーンに届きそうな距離で短いクラブを持つのは、もったいないと感じていたと思います。せっかく2オンの可能性があるのに、自分からチャンスを捨てるように思えたからです。ただ、実際のスコアを考えると、私にとっては30〜40ヤードを残すより、70〜80ヤードを残す方が明らかに打ちやすかったのです。

70〜80ヤードなら、ウェッジでフルショットに近い感覚で振れます。もちろん、完全なフルショットではない場合もありますが、30〜40ヤードのように手先で距離を合わせる感覚は少なくなります。体の回転を使って、ある程度しっかり振れる。自分の中で距離感も出しやすい。そうなると、グリーンに乗せる確率は自然と上がります。ロングホールで大事なのは、セカンドでどこまで飛ばしたかではなく、3打目をどれだけ安心して打てるかだと感じるようになりました。

ただし、レイアップするといっても、ただ短いクラブで前に進めばいいわけではありません。残り70〜80ヤードをどこから打つかまで考えるようになりました。同じ80ヤードでも、フェアウェイから打つのか、ラフから打つのか、ピンを狙いやすい角度が残るのかで難易度は変わります。せっかく得意な距離を残しても、深いラフや傾斜地からでは、思ったようにウェッジを打てないこともあります。だからこそ、レイアップにも狙いどころがあります。距離だけでなく、次に打ちやすい場所を残す意識が必要です。

また、残すべき距離は人によって違います。私の場合は70〜80ヤードが打ちやすかっただけで、100ヤードが得意な人もいれば、もう少し短い距離の方が合う人もいると思います。大切なのは、何となく刻むことではありません。自分がグリーンに乗せやすい距離と場所を残すことです。そう考えると、レイアップはグリーンを狙わない選択ではなく、次の1打でグリーンを狙いやすくするための準備になります。

この考え方に変えてから、レイアップへの抵抗がかなり減りました。グリーンを狙わないのではなく、3打目でグリーンを狙いやすくするために刻む。2オンをあきらめるのではなく、パーオンの確率を上げるために得意な距離と場所を残す。そう考えると、レイアップは逃げではなくなります。むしろ、自分の得意不得意を踏まえてスコアを作りにいく、攻めない攻め方だと思えるようになりました。

レイアップをミスしても、刻んだ判断まで否定しない

レイアップを選んだからといって、必ず思い通りの場所に運べるわけではありません。刻むショットでも、ダフることはありますし、少し曲がることもあります。実際、残り70〜80ヤードを作るつもりで刻んだのに、少しダフって100ヤード以上残ったこともあります。以前の私なら、そこで刻まなければよかったと後悔していたかもしれません。

でも今は、レイアップのショットをミスしても、刻んだ判断そのものは後悔しないようにしています。もちろん、なぜダフったのか、なぜ右に出たのかといったショットの確認はします。ただ、刻んだ判断まで否定する必要はないと思っています。なぜなら、それはマネジメントのミスではなく、単純にショットのミスだからです。もしグリーンを狙っていても、同じようにミスショットは出ていたかもしれません。

むしろ、レイアップを選んだことで、そのミスがOBや1ペナにならずに済んだなら、判断としては十分意味があります。良いマネジメントをしてもミスショットは出ますし、逆に悪い判断でもたまたまナイスショットで助かることはあります。大事なのは、1打の結果だけで判断の良し悪しを決めないことです。刻んでミスしたから失敗ではなく、狙うよりも大きなミスになりにくい選択をした、と考えるようになりました。

この考え方は、ティーショットをミスした後やトラブルショットでも同じです。グリーンを狙えそうでも、少しでも無理があるなら、まず次に普通のショットを打てる場所へ戻す。横に出す、花道に運ぶ、得意な距離を残す。これもロングホールのセカンドで覚えた考え方と同じです。そういう判断をしても、もちろんミスは出ます。それでも、取り返そうとしてさらに傷口を広げるより、ボギーで止める可能性は高くなります。

攻めない攻め方とは、消極的にプレーすることではありません。自分のミスの傾向や得意な距離を分かったうえで、次の1打が簡単になる場所を選ぶことです。届きそうだから狙う、行けそうだから打つ。そのゴルフから一歩進んで、どこに置けば次が楽になるかを考える。私にとって、刻む勇気を覚えたことは、シングルに近づくうえで大きな転機だったと思います。

それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。

もう少しでシングル(ペンネーム) 東京都内在住の50代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは4.5。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営(https://low-handicapper.com/)。