シングルになる前は、同伴者に褒められるナイスショットを追い求めていた
シングルプレーヤーになる前の私にとって、ナイスショットの基準はかなりわかりやすいものでした。ドライバーなら芯に当たって飛距離が出ること、アイアンならピンに向かって真っすぐ飛ぶこと、アプローチならベタピンに寄ること。そういうショットを打てると、自分でも気持ちがいいですし、同伴者からも「ナイスショット」と言われます。正直、その一言を聞くと、そのホールはうまくいきそうな気がしていました。
逆に、少し当たりが薄かったり、狙いより右や左にズレたりすると、たとえボールが次を打てる場所に残っていても、自分の中ではミスショットに分類していたように思います。つまり、ショットの良し悪しを「打った瞬間の手応え」や「ショットの見た目」で判断していたのです。ただ、今振り返ると、この考え方がスコアを不安定にしていた部分もありました。
ナイスショットを打ちたい気持ちが強いほど、飛ばそうとして力んだり、ピンを狙いすぎたり、少しでも良い結果を求めすぎたりします。その結果、1発の会心のショットは出ても、同じラウンドの中でOB、林、バンカー、難しいアプローチといった大きなミスも出やすくなっていました。ナイスショットを増やそうとしていたはずなのに、実際にはスコアを崩す原因も増やしていたのだと思います。
ナイスショットなのにスコアにつながらない場面がある
80台がなかなか安定しなかった頃を思い返すと、同伴者から「ナイスショット」と言われたのに、結果的にはボギーやダブルボギーになったホールが意外とありました。たとえば、ドライバーで会心の当たりをしても、少し曲がって林の近くまで行けば、次のショットでは木が邪魔になります。飛距離は出ているので見た目には悪くありませんが、セカンドでグリーンを狙えなかったり、横に出すだけになったりすれば、スコアメイクとしては成功とは言えません。
アイアンでも同じです。ピンに向かってきれいに飛んだ球が、少しだけショートして手前のバンカーに入ることがあります。同伴者からは「惜しい」と言われるかもしれませんが、そこから寄せるのは簡単ではありません。アプローチでも、寄せようとしすぎてカップをオーバーし、下りの難しいパットが残ることがあります。こういう場面では、打った瞬間の手応えや見た目の良さと、スコアにつながるかどうかは別物だと感じます。
この経験を重ねるうちに、ショット単体で見たナイスショットと、スコアにつながるナイスショットは違うのではないかと思うようになりました。打った瞬間の手応えが良くても、次の1打が難しい場所に残ってしまえば、スコアはまとまりません。逆に、少し当たりが薄くても花道に残る、ピンから遠くてもグリーン中央に乗る、フェアウェイど真ん中でなくてもセカンドが普通に打てる場所にある。そういう地味なショットの方が、結果的にはパーやボギーで収まりやすいのです。
80台が安定し始めてから次が楽になる場所に置くことを重視するようになった
80台が安定し始めてから、私の中でナイスショットの基準が少しずつ変わりました。以前は「どれだけ良い球を打てたか」を重視していましたが、今は「次のショットがどれだけ楽になるか」を考えるようになりました。ティーショットなら、フェアウェイど真ん中でなくても構いません。浅いラフでも、セカンドでグリーン方向に打てる場所に残っていれば合格です。アイアンも、ピンに絡まなくてもグリーン中央や花道側に残れば十分です。アプローチも、無理に1メートル以内を狙うより、次のパットを落ち着いて打てる場所に乗せることを優先します。
ゴルフはミスのスポーツです。18ホールすべてで完璧なショットを打つことは、アマチュアにはほぼ不可能です。だからこそ、成功した時の最高地点だけを考えるのではなく、ミスした時にどこへ残るかを先に考えるようになりました。右に曲がってもセーフなのか、ショートしても花道に残るのか、オーバーすると難しいアプローチになるのか。こういうことを考えて狙いを決めると、ショットに完璧さを求めすぎなくなります。
もちろん、毎回この通りに打てるわけではありません。それでも、最初から「完璧に打てた時だけ成功」という狙い方をするより、「少しミスしても次がある場所」を狙った方が、ラウンド全体では崩れにくくなります。多少曲がってもいい、少し芯を外してもいい。それでも次の1打で無理をしなくて済むなら、スコアメイクとしては十分ナイスショットです。そう考えられるようになってから、ラウンド中の気持ちもかなり楽になりました。
シングルに近づいたのはナイスショットの数よりも大きなミスが減ったから
シングルプレーヤーに近づく過程で実感したのは、スコアを安定させるために必要なのは、100点のショットを増やすことだけではないということです。もちろん、会心の当たりが出れば気持ちいいですし、バーディーチャンスにつながることもあります。ただ、100点を狙いすぎて30点のミスを出してしまうと、スコアは一気に崩れます。それよりも、70点くらいのショットを続けて、次の1打を普通に打てる場所へ運び続ける方が、結果的にはボギー以内で収まりやすくなります。
私の場合も、80台が安定し始めた頃から、ナイスショットの数が急に増えたというより、ダブルボギー以上につながるミスが減った感覚の方が強いです。ティーショットで無理に飛ばさず、セカンドが打てる場所に置く。ピンを狙いすぎず、グリーンの広いところを使う。アプローチで寄せにいきすぎず、まずは確実に乗せる。こうした地味な選択が増えたことで、スコアカードに大きな数字を書かなくて済むホールが増えていきました。
とはいえ、こういう考え方に変わったからといって、OBがゼロになるわけではありません。次のショットを打ちやすい場所に置こうとしても、曲がる時は曲がりますし、安全に打ったつもりのショットが想像以上に曲がることもあります。そこがゴルフの難しいところです。ただ、OBを完全になくすことはできなくても、OBにつながりやすい狙い方や無理なクラブ選択は減らせます。昔の私は、同伴者に褒められるナイスショットを追い求めていました。しかし、今は自分の次の1打が楽になるショットこそ、本当のナイスショットだと思っています。シングルになる途中で変わったのは、スイングだけではありませんでした。自分の中で「これはナイスショット」と思える基準が変わったことも、スコアが安定し始めた大きな理由だったと思います。
それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。
もう少しでシングル(ペンネーム) 東京都内在住の40代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは4.5。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営(https://low-handicapper.com/)。
















