マスターズの平均飛距離は334ヤードで1位!マキロイはヨコの動きで低く、長く加速!
スエーしない理由は「反対の足」にある
マキロイは30代になってもドライバーの飛距離が伸びています。スイングとしては20代の頃よりシンプルになって、下半身や腰の余計な動きが削ぎ落とされた印象です。
飛距離が伸びただけではなく、左右の曲がり幅も少なくなりました。そのポイントはヨコの動きです。マキロイはバックスイングでは少し右に動き、ダウンスイングでは左に戻りながらボールを打っています。最近の選手は地面反力を使ったり、インパクトでジャンプしたりしてタテ方向のパワーを使う選手が増えていますが、マキロイはヨコ方向がメイン。ヨコ方向に動くことで、インパクトゾーンではヘッドを低い軌道で長く加速させることができる。タテ方向の動きはパワーを出しやすいのですが、ダウンブローが急角度になるのでインパクトが「点」になりやすい。マキロイはヨコ方向のパワーを最大限に使うことでインパクトゾーンが「線」になっています。
右肩は右足の真上


ヨコ方向のパワーを使っているのがよくわかるのが腰の動きです。インパクト直前(写真04、写真05)では腰を回すのではなく、腰をスライドしています。回転のパワーではなく、ヨコ方向に移動するパワーを使っています。
ヨコ方向の動きにもデメリットはあります。それは動きすぎるとスエーしてしまうこと。しかし、マキロイはヨコ方向に動いても、スタンスの幅におさめています。またバックスイングで右に動くときは右足を少し斜めにしながら踏ん張って軸がズレないようにしています。ダウンスイングで左足を斜めにして支えています。マキロイは上半身でヨコ方向に動きつつ、下半身で動きすぎを制御できる。その結果、飛距離と方向性を両立させるスイングを完成させました。

レイドオフとは真逆のスイング!シャフトクロスを生かして左腕の回転と右手の押しでマン振り!
マキロイはコンパクトなスイングながら、トップでシャフトがクロスする。「コンパクト・クロス」は本来あまり良くないとされる形だが、マキロイはそれを逆に利用し、フルスイングにつなげている。
右に倒れる力を左腕を引いてカバー
「コンパクト・クロス」が良くない理由は、トップでシャフトがクロスした後に、それを戻す距離が短くなるからです。スイングが大きければ、クロスしてもダウンスイングでスクエアに戻す余裕があります。女子プロで飛ばす選手に多いスイングタイプといえます。
では、なぜマキロイは「コンパクト・クロス」で飛んで曲がらないドライバーショットが打てるのか? ポイントはダウンスイングでの腕の使い方です。トップでシャフトがクロスしていると、ダウンスイングではシャフトが右に倒れやすくなるのですが、マキロイは左腕を思いっきり回しながら引くことで右に倒れる力と拮抗させています。拮抗する力によって、マン振りしてもスイング軌道が安定する。その上でハーフウェイダウン以降は右手のヒラで下に強く押す力を加えて、拮抗する力を最大限に高めています。
上記で紹介したヨコの動きも、シャフトをクロスさせる動きも、最先端の理論ではありません。今はタテの動きとレイドオフと呼ばれるシャフトを寝かせる動きが主流です。しかし、マキロイは自分の体型、体の柔らかさを生かした「コンパクト・クロス」を進化させてきた。それが唯一無二のドライバーショットを可能にしています。
右ヒジが体から離れないからインサイドから打てる


胸の開きを抑えている



ローリー・マキロイ
1989年5月4日生まれ。北アイルランド出身。PGAツアー30勝、欧州ツアー21勝、メジャー6勝を達成。昨年のマスターズで初優勝してグランドスラムを達成すると、今年のマスターズでは2連覇を達成。

解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
























