ゴルフクラブを選ぶ時、多くの方はまずモデルを選びます。そして、その後にシャフトやスペックを選びます。つまり、

①モデル選び

②スペック選び

という順番です。

使いたいクラブ(メーカーやモデル)があると、どうしてもそうなりやすいです。

しかし、本当にその順番で良いのでしょうか。

フィッティングを続けていると、その前に考えるべきことがあると感じています。それは、どのように構えるのが自然なのか。です。

もちろん、ゴルフでは毎回同じショットを打つわけではありません。高い球も打ったり、低い球を打ったり、ドローもフェードも打ちます。

その打ちたい球筋や、ライコンディションの状況によってボール位置も変わります。

そのため、「理想のボール位置」というものは状況によって変わります。

しかし、その一方で、人にはそれぞれ自然に構えられる場所があります。

身長や、腕の長さや、柔軟性や、体の傾きは人それぞれ違いますし、人は完全な左右対称ではありません。

また、生活習慣によってついたクセもあれば、様々な動きの制限もあるでしょう。そうした要素によって、自然に立てる位置や姿勢は人それぞれ異なります。

フィッティングで最初に確認したいことは、その人にとっての自然な構えがどんなものか? です。ただし、自分ではそれがなかなか分かりません。だからこそ、人に見てもらう必要があります。

前傾角度や、手の上下左右の位置や、ハンドダウンの度合い、そして、腕と体のスペースなど、そういったことをチェックしてもらいましょう。

逆に、クラブに合わせて構えることになると、例えば、長く見えれば離れたくなりますし、アップライトに見えればハンドアップで構えたくなります。

また、レッスンなどで理想の構えを教わった結果、構えの形ばかりを意識しすぎてしまう方もいます。

どんなクラブを渡されても、自然ではなく、ぎこちない構えになってしまいます。

そうなれば、思ったところに振り上げたり、振りおろすことが難しくなってしまいます。

本来の順番は、

⓪ 自然に構えられるアドレスをつかむ

① それに対してのスペックを決める

② モデルを選ぶ

です。

自然な構えができる人は、ボール位置を少し変えても対応できます。その結果、高い球も、低い球も、そしてドローもフェードも打てるようになりやすいです。

つまり、対応できる範囲が広くなります。

また、もちろん長さが変わりますから、クラブによって構えは変わりますが、それは自然の流れで変わるものです。

ドライバーではこう構える、アイアンではこう構える、ウェッジではこう構えるなど、クラブが変わったことに影響されすぎる状態では、14本のつながりは作れません。

前傾角度、手の位置、ハンドダウンの度合いなど、アドレスの特徴が、14本でつながっている人ほどゴルフ場での安定感が高くなります。だからこそ、まずは自然に構えられるようになること。そして、その構え方で14本でつなげていくことが重要だと考えています。

当方のフィッティングがパターから始まるのも、そのためです。

パターは最も短く、最もシンプルなクラブです。

だからこそ、どのように立つのか、どのようにボールを置くのか、どこに手を置くのかなど、その人の自然な構えが見えやすいのです。

そして、その自然な構え方は他のクラブにも大きく影響します。

その構え方を基準として、ウェッジ、アイアン、ドライバーへとつながるようにしていきます。クラブのスペックとは、飛距離や方向性だけを決めるものではありません。

まずは、

その人がクラブをコントロールできるかどうか。

そのために合わせるべき、と考えています。

だからこそ、構え方にクラブを合わせる必要があり、そしてクラブのスペックは、制御できる長さ、制御できる振り重さを目指すことになります。フィッティングとは、クラブを人に合わせることだと言われます。

しかし、本当の意味で、「人に合わせる」とは、その人が自然に構えられる状態を作ることだと考えています。

そして、その構え方を14本でつなげていくこと。それこそが、

究極の「人に合わせるフィッティング」なのだと考えています。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。