ツアー通算5勝も、QTランキング162位で今大会がシーズン初戦

ツアー通算5勝の実績も今シーズンはQTランキング162位の服部は、今大会がシーズンの初戦でした。

それでも前日の第1Rを66で回って1打差の2位で発進すると、この日も69と伸ばして首位と1打差で最終日を迎えることになりました。

2015年の「CAT」以来となる優勝を果たせば、ツアー制施行後では金田久美子(11年189日)と藤田さいき(11年35日)に次いで歴代3位となる10年316日のブランクでの勝利となります。

ッグには左用のVOKEYが

右利きの服部ですがバッグには左用のクラブが1本入っています。

それも最新ではなく、2018年に発売となったタイトリストの「VOKEY SM7」。

現行モデルは「SM11」ですから、4代前ということになります。

なぜ左用の「SM7」がバッグインしているのかというと、2013年に陥ったアプローチイップスが原因です。

「ごまかし、ごまかしでやっていて」で2015年には「CAT」で通算5勝目を挙げていますが、2017年にシード落ちすると、2019年は出場した8試合全て予選落ちのドン底に。

自己最高の賞金ランキング10位となった2012年には61.4488%だったリカバリー率は41.5842%になってしまいました。

56度のボーケイだけ左用(撮影/森伊知郎)

アプローチイップスを克服すべく、一般のショップで購入

そこで2019年のシーズンが終わると「左打ちも試してみよう」と一般のゴルフショップに足を運び、この「SM7」とキャロウェイの2本を購入したそうです

ツアー5勝の実績があれば、メーカーにお願いすればすぐに支給されそうなもの。

それでも律儀な性格から「まさか試合で使うとは思っていなかったですし、試合で使う予定のないクラブをください、とは言えないので」との理由で普通に購入しました。

オフのテストは思いのほか好感触だったため、コロナ禍からの再開初戦だった2020年の「アース・モンダミン」で初使用。4日間で16回の“寄せワン”でのパーを記録しました。

バンカーショットは右で 左右打ち分けの“境界線”は50ヤード

バンカーショットは右で打ちますが、他のショットでは約50ヤードが“境界線”で、それより短い距離は左打ちするのが大まかな基準なのだそうです。

そのためちょうど50ヤードぐらいが残った時は、左右両方で素振りすることもあるのだとか。

今大会は出番なし 最終日も「ないことを願っています」

今大会では2ラウンドともグリーンを外したのが1回だけ。

この日の1回はバンカーだったので、今のところ「SM7」の出番はありません。

2023年の「NEC軽井沢」以来、約5年ぶりで迎えるひとケタ順位での最終日に向けて「本当にいい位置で回れるので、しっかり伸ばして頑張りたいです」と意気込みを語る一方で「SM7」についてはやはり緊急事態用的なクラブなので「明日は出番がないことを願っています」とも。

やや野次馬的な視線では、左右二刀流での劇的な復活優勝! を見たいと思ってしまいますが、この2ラウンドのショットのキレからすると、出番はないかもしれません。

(取材・文/森伊知郎)

日本女子ツアー ブランク優勝記録(ツアー制施行後)

順位 氏名 期間 優勝大会
1 金田久美子 11年189日 2022「三菱電機レディス」
2 藤田さいき 11年35日 2022「大王製紙エリエール」
3 中嶋千尋 9年297日 1998「健勝苑レディス」