15番で首位タイに並ぶも…

岩井明愛の最終日はボギー発進。ティショットを右に曲げてアンプレヤブルした3番ではダブルボギーを叩いたものの、その後4バーディーを奪って15番で首位のユ・ヘランに並びます。

初のメジャー制覇へバーディーあるいはイーグルが欲しい18番パー5のグリーン上ではまずユがバーディーパットを決めて通算19アンダーとします。

明愛は19アンダーに並ぶためには4メートルほどのバーディーパットを決めなければならない状況でしたが、ボールは惜しくもカップの右を抜けました。

この瞬間に優勝はなくなりましたが、プレーオフではない正規のラウンドなので完全にホールアウトする必要があります。

パーパットは「お先」できそうな短い距離でしたが、明愛はボールをマークしました。

自身のV逸が決まるも、まだ終わっていない優勝争いへの気配りを見せる

これは、19アンダーに並ぶ可能性を残していたブルック・ヘンダーソンのイーグルパットのラインにスタンスがかかる可能性があったためです。

明愛同様に絶対に決めたいパットを前にしていたら、ラインとタッチの加減の読みに全ての神経を集中させたいはず。

この時に、お先をするために「ここにスタンスを取って大丈夫?」と聞かれたら集中力を乱されてしまうかもしれません。

自身の優勝の可能性はなくなったものの優勝争いはまだ終わっていない。

その“気配り”に応えるようにヘンダーソンは見事にイーグルパットを決めてプレーオフに持ち込みます。

メジャー優勝を望みが断たれた数秒後。頭の中が真っ白になってもおかしくない、極限ともいえるタイミングで取った行動は他の選手にも響いたのでしょう。

ホールアウト後には最終組の7組も前でプレーしていたリディア・コが健闘を称えに来るシーンもありました。

昨シーズンからLPGAツアーを主戦場にして以降ではメジャーで初のトップ10入り。

「まだあきらめずに今シーズンは優勝を狙っていきたい」との意気込みがかなうチャンスは十分にあるはずです。

4位の山下美夢有はフェアウェイキープ率100%! 西郷真央はイーグル締め

4位には山下美夢有と西郷真央の昨シーズンのメジャー覇者が入りました。

山下は最終日フェアウェイキープ率が100%。パーオン逃しも1回だけのゴルフで5バーディー、ノーボギーの66(パー71)。

連覇がかかる3週後の「AIG全英女子オープン」に向けてショットが好調な様子がうかがえます。

西郷真央の最終日はボギー発進のあと3連続バーディー。

後半は2バーディー、3ボギーと出入りが激しくなりましたが、最後はイーグルで締めて昨シーズンの「シェブロン選手権」を制したメジャー覇者らしいフィニッシュをしました。

14位原英莉花はメジャー最高位 16位渋野日向子はシーズン平均の倍のバーディー数!

原英莉花は最終日を67で回り、自身のメジャーでの最高位となる14位でフィニッシュしました。

直近のメジャー試合は予選落ちが続いていましたが、約2か月ぶりにまとまったポイントを稼いだことでポイントランキングも50位から43位にアップ。

下部ツアーから這い上がってのルーキーイヤーで、最終戦に出場できる60位以内をキープし続けたいところです。

渋野日向子は4日間で奪ったバーディー数がトータル19個。

1ラウンド平均では4.75となり今シーズンの2.97の倍近い数字をマークし、メジャーに強い所を発揮しました。

シーズン序盤は7試合中4試合で予選落ちと不調が続いていましたが「全米女子オープン」で17位となったのをきっかけに調子を取り戻すと今大会の成績でポイントランキングも91位からシード圏内の80位に浮上しました。

「全英」では誰が勝つ?

LPGAツアーのメジャーは「AIG全英女子オープン」(7月30日~8月2日、ロイヤル・リザム&セントアンズGC)を残すのみとなりました。

昨年の山下。2019年の渋野と優勝者が出ている大会で今年も日本勢の誰かが優勝トロフィーを掲げる姿を見たいものです。

(文/森伊知郎)