「最後まで自分を信じて、楽しんで」プレーオフ制する
プレーオフ2ホール目。
ヘンセライトがパーパットを外し、入れればメジャー制覇の1メートル弱のパーパットはボールをセットするとすぐに打ち、決めました。
プレーオフの1ホール目はティショットを右に曲げるピンチも2打目を落ち着いてフェアウェイに戻すと3打目を1メートルにつけてパーセーブして2ホール目につなげ、勝利に結びつけました。
「最後まで楽しんでプレーできた。いい意味で気負わずにプレーできました」との言葉通り、ピンチにも動じず、落ち着いたプレーでメジャーの大舞台で勝利を手にしました。
「全部バーディーを取るつもりで」
「全ホールバーディーを取るつもりで」3打差を追いかけてスタートした最終日は1番を寄せワンでパーセーブ
2番では2打目をピタリとつけてバーディーを先行させます。
4番と5番は連続ボギーで6番と7番のパー5では伸ばせない苦しい展開も9番パー3でバーディーを奪うと、バックナインは13番のバーディーのみでボギーを叩かないステディなゴルフで70で回り、通算5アンダーでホールアウト。
わずかにラフに入ることもあったため記録上のフェアウェーキープは14ホール中9回でしたが、パーオンを逃したのは3回だけ。
サンドセーブは2度の機会でいずれも成功。4日間の通算でも5回中でミスは1回だけというショットのキレでリンクスでのメジャーを制しました。
現在の“最強”ゴルファーを凌駕するゴルフを見せる
決勝ラウンドの2日間は「全米女子プロ」と「エビアン選手権」でメジャー連勝中。
今大会でメジャー3連勝を狙うという現在の女子ゴルフ界で「最強」と言って間違いないユ・ヘランと同組になりました。
さらに3日目は最終組。最終日も最終組の二つ前という優勝争い真っ只中ですから緊張に押し潰されかねない状況です。
それでも2日間74だったユに対して桑木は73、70とスコアで上回りました。
さらに本来のパー5がパー4の設定になって3日間の難易度が1位だった15番ではユがティショットを刻んだのに対してドライバーを振り抜いて約40ヤードも前方にボールを運ぶ攻めの姿勢を見せたのは立派のひと言です。
100年前の「全英オープン」は“球聖”ボビー・ジョーンズ 2003年にはアニカ・ソレンスタムが勝った地での快挙
イギリス中部。マンチェスターの北西約100キロに位置するロイヤルリザム・アンド・セントアンズGCでは過去に11回の「全英オープン」が開催されています。
その最初、ちょうど100年前の1926年に行われた大会を制したのは「球聖」と呼ばれ、「マスターズ」の創設者でもあるボビー・ジョーンズでした。
1974年はゲーリー・プレーヤー。1979年と1988年はセベ・バレステロスが優勝しています。
2003年の「全英女子オープン」ではアニカ・ソレンスタムが優勝して史上6人目(当時)の生涯グランドスラムを達成しました。
世界の男女ゴルフ界のレジェンドと呼ばれる名選手たちが勝ったのと同じ地でメジャー制覇を達成したのは快挙であり、栄誉といって間違いありません。
LPGAツアーの5年シードを獲得し、年間女王争い佳境での予選会出場も回避
桑木は日本ツアーでのポイントランキングで首位に立ち、初の年間女王を目指す一方で11月のアメリカLPGAツアーの最終予選会(Qシリーズ)挑戦の意向も示していました。
ただし今年はQシリーズの日程が早まり、「大王製紙エリエール」と日程が被ることに。
最新のランキングでは2位の菅楓華と約18ポイント差。6位の河本結までも約110点差という大混戦は終盤までもつれる可能性が高い状況で欠場を余儀なくされます。
それもメジャーを制したことで5年シードを手にし、Qシリーズ出場の必要もなくなりました。
またメジャー優勝で3日間の4倍の800ポイントを獲得し(加算は1週間後)、年間女王争いでも大きなアドバンテージを得ました。
メジャーで82を叩き「悔しくてギャン泣き」から1年2か月での快挙
昨年6月に参戦した「全米女子プロ」では初日に82の大叩き。
2日目にラスト2ホールの連続ボギーで1打足りずに予選落ちして「帰りの車でギャン泣き」してから約1年2か月。
まさに悔しさを糧にしてのメジャー制覇でした。
(文/森伊知郎)













