今シーズンはQTランキング76位で参戦→第1回リランキング2位→そして初優勝!

この日の吉澤は初優勝がかかっている選手とは思えない落ち着いたプレーぶりでした。

1打リードで迎えた13番パー4では2打目を深いラフに外してしまいますが、この状況でもキャディーと笑顔で話す余裕を見せます。

この後のアプローチは寄せ切れなかったものの、確実にパーセーブすると、続く14番。

さらにはこの日の難易度1位で2つしかバーディーが出なかった15番と連続バーディーを奪って勝利を決定づけました。

2003年生まれで2023年のプロテストに合格。

3年目の今シーズンはQTランキング76位での参戦でしたが、5月の「リゾートトラスト」で河本結にプレーオフで敗れて2位に。

第1回リランキングの節目となる6月の「ニチレイ」でも8位に入り、リランキングで2位に浮上すると、念願の初優勝を達成しました。

すでに“女王の条件”を達成している数字とは

その吉澤のスタッツを見てみると、「予選ラウンドの平均ストローク」部門で2位の菅楓華。昨年の女王で4位の佐久間朱莉や、「AIG全英女子オープン」を制した5位の桑木志帆らを抑えて堂々の1位になっているのが光ります。

この部門の昨シーズンの1位は佐久間朱莉で、その前は3シーズン連続で山下美夢有でした。

竹田麗央も年間女王となった2024年は2位になっています。

シーズンは約半分を経過したところですが、吉澤は現段階で女王への条件をクリアしているといえるのです。

さらに1ラウンドあたりの平均バーディー数も菅に次ぐ2位に。

こちらも昨シーズンの1位は佐久間で、その前2シーズンが山下なので、こちらも女王取りへ近いポジションにいることがわかります。

リランキングをクリアしてからの大躍進

リランキングをクリアしてからの大躍進

さらに特筆すべきはリランキングをクリアしてからスタッツが劇的に良くなっていることです。

「ニチレイ」終了時点での平均バーディー数は3.1290で部門ランキングは17位でした。

それが今大会終了後は平均3.6667で2位へとジャンプアップしています。

「ニチレイ」以降の直近6試合での平均バーディー数は実に4.5というすごいペースになっています。

予選ラウンドの平均スコアでも直近5試合、10ラウンドで60台が8回なので、こちらもどんどん良くなっています。

ポイントランキングは12位ですが、初優勝で自信をつけたことでこちらも今後はどんどんと駆け上がっていくことが予想されます。

「上手くなるための練習環境」で確実にレベルアップ

リランキングをクリアして次週以降の試合にコンスタントに出られることが確定した「ニチレイ」では「ツアーの練習環境は、上手くなれるための練習環境。予選会に出てダメだと一日で帰らなきゃならないけど、そこで1週間ずっといられるようになるのは大きい」と話していました。

その言葉通りに充実した練習環境でレベルアップしたことがスタッツに現れています。

「緊張してドキドキかと思っていたけど、淡々としていた」初優勝

短いウィニングパットを決めた後のガッツポーズはどこか控えめでした。

プロ3年目。57試合目での初優勝の感想は「想像では緊張してドキドキして、解放感のあるものかなと思っていましたけど、淡々とした感じでした。18ホールやったら優勝した、という感じでした」というものでした。

初優勝はあくまで通過点、ということでしょうか。

今後のさらなる活躍に期待です。

(文/森伊知郎)