ゴルファーの皆さんは、どのくらいの頻度でクラブを買い変えていますか?
現在のゴルフでは、新しいクラブが発売されるたびに、
「もっと飛ぶかもしれない」
「もっと簡単になるかもしれない」
「スコアも良くなるかもしれない」
と、期待を込めてクラブを変更することでしょう。
また、
「最近調子が悪い」
「以前より飛ばなくなった」
「スコアが落ちてきた」
という時に、クラブを変えたら、改善するのではないか?と考える方も多いと思います。しかし、ゴルフが上手くなるために、本当に必要なことは逆かもしれません。実は、上達していくためには、クラブを変えないことも非常に重要だと考えてみてはいかがでしょうか?
なぜクラブを変えないことが重要なのか
ゴルフでは、クラブに慣れるということが非常に重要になります。
同じクラブを長く使い続けることで、
- 当たりの違いで、どのくらい飛ぶのか?
- 逆に、ミスした時のどのくらい飛ばなくなるのか?
- 当たり具合で、どのように球筋が変化するのか?
- そもそも、どのような球筋が出やすいのか?
ということを、理解できるようになります。
例えば、
「今日はいつもより飛んでいる」
「今日はいつもより飛んでいない」
「いつもより曲がっている(曲がっていない)」
などの、変化にも気づくことができます。これは、自分自身の変化、調子のバロメータを判断するためにも非常に重要な要素です。しかし、クラブを頻繁に変えてしまうと、
今起きている変化が、クラブによるものなのか?自分自身の変化によるものなのか?その他の要因なのか? 判断することが難しくなってしまいます。
世界No.1であり続けたタイガー・ウッズの例
ここで、非常に参考になる例があります。
タイガー・ウッズは、学生時代から現在まで、アイアンのロフト角を決して変えていません。
また、アイアンシャフトも「Dynamic Gold X100」を長く使用しています。もちろん、これは単純に昔から同じクラブを使い続けているという意味だけではありません。
重要なのは、
世界No.1であり続けた選手が、そのクラブが自分の基準となるために、基礎となるスペックを決して変えなかった
ということです。アイアンのロフト角やシャフトは、距離感や球筋、クラブのフィーリングに大きく影響します。そこが変わってしまったら、自分の基準を1から作る必要があるでしょう。
自分の基準を保持するために、かえてはいけないものは何か? をタイガーが示してくれていると考えてはいかがでしょうか?
合ったシャフトは簡単に変えない
タイガーが示してくれたように、シャフトを変えないということは非常に重要です。自分に合ったシャフトが見つかったなら、簡単に変えるべきではありません。
シャフトを変えることで、振った時の感覚や、タイミングが変わってしまい、球の出方はもちろん、自分の感覚の中の球筋や、距離感も変わることでしょう。
せっかく自分の基準ができつつあったのに、振り感が変わるものにしてしまうと、またゼロから新しい基準を作り直す必要があります。
合ったものを見つけたなら、それをできるだけ長く使い続けることで、その基準がさらに磨かれると考えていただけると嬉しいです。
じつはボールも同じ
これはクラブだけではありません。ボールも同じ考え方です。
ボールを変えると、
- 飛距離
- スピン量
- 打感
- アプローチの感覚
が変わります。また、クラブを変更した時にも、ボールが変わってしまうと、
クラブが変わった影響なのか。ボールが変わった影響なのか。判断できなくなります。
自分の基準を作るためには、ボールも簡単に変えないことが重要です。
では、絶対にクラブを変えてはいけないのか?
もちろん、そういう意味ではありません。合っていないクラブを使い続ける必要はありません。自分に合っていないことが分かったクラブは、すみやかに変更するべきです。
また、自分自身が大きく変化した場合には、クラブを見直す必要もあります。といっても皆さんが考えるほど、大きく変化することは実は少ないです。毎日の積み重ねがあれば、小さい変化が続くだけで、大きく変わると気づくことはないでしょう。
とはいえ、たとえば、
「最近少し飛ばなくなった」
と気づくと、道具で何とかならないか?と考えがちです。しかしながら、そういった理由だけで、すぐにシャフトを極端に軽くするような変更は注意が必要です。
なぜなら、振り感が大きく変わってしまい、例え調子が良くなったとしても、自分の基準は作り直さなくてはなりません。飛距離が落ちたのであれば、残念ながら、これまでの自分のクラブの基準を見直して、それに沿ったゴルフを目指しましょう。
それは、決して新しい基準を作ることではなく、継続した流れの中での変化の一つとして受け入れていくことになります。
まとめ
クラブを変えないことは、古いものを使い続けるという意味ではありません。自分に合ったクラブを使い続けることで、自分の当たりや、その結果の距離感を保持することができ、また、球筋をつかむこともできるようになるでしょう。また、自分自身の変化に気づくことができます。
ゴルフでは、新しいものを追い続けることだけが正解ではありません。
自分に合ったものを見つけ、それを大切に長く使い続けることも、上達していくための大事な要素だと考えていただけると嬉しいです。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。














