出場人数が70→50→30人と絞られ、年間王者を決める
プレーオフシリーズに出場できるのはレギュラーシーズンのポイントランキング上位70位までです。予選カットはなく、順位に応じた獲得ポイントはレギュラーシーズンより50%アップ。
2戦目の「BMW選手権」に進出できるのは上位50位まで。
さらに「BMW選手権」を終えて上位30人までが最終戦の「ツアー選手権」に出場することができます。
現在ポイントランキング46位の久常涼は、もうひと頑張りして最終戦に進出したいところです。
そして「ツアー選手権」は全員がイーブンパーからスタートして、4日間72ホール終了時点の最上位者が「年間王者」となります。
以前はレギュラーシーズンの成績などに応じて“ハンデ”が与えられていた
プレーオフシリーズ開始当初はレギュラーシーズン終了時点で、ポイントをランキングに応じたものにリセットするシステムでした。
2009年からはリセットのタイミングが最終戦の「ツアー選手権」前に変更されました。
いずれも半年以上に渡る戦いで積み重ねたポイントを尊重するシステムでしたが、これだと最終戦の優勝者と年間王者が異なるケースが発生し、2人が並ぶ表彰式はどちらが主役かよくわからない…というシーンが見られました。
そこでプレーオフシリーズが3戦となった2019年からは「ツアー選手権」前までのランキング1位は10アンダーから大会をスタート。以下、ランキングに応じて開始時点のスコア(何アンダーか)が決められ、これを加味した72ホール終了時点の最上位選手が年間王者となりました。
表彰式に残るのは年間王者だけ、の一見シンプルなシステムも、「ツアー選手権」をハンデ抜きの最もいい“グロス”のスコアで回った選手とどちらが「真の王者」なのか? という議論も起きます。
そこで昨年からは「ツアー選手権」は全員がイーブンパーから、横一線でスタートする形に変わりました。
長く続いたそれまでのシーズンの積み重ねが反映されないのはどうなのか…とも思えますが、アメリカのチームスポーツのプレーオフや、サッカーのワールドカップの決勝トーナメントは、それまでの成績にどれだけ差があろうが「0対0」から始まります。
激戦を勝ち抜いた選ばれし30人だけによる「ツアー選手権」もこれに倣った、ということでしょうか。
1月開幕→11月までのシーズンがなぜ9月のプレーオフで終わるように変わったのか
2006年までのPGAツアーは1月にハワイで開幕し、11月までシーズンが続くフォーマットでした。
それが2007年からは8月中旬でレギュラーシーズンが終了し、ポイントランキング上位者によるプレーオフシリーズを行うフォーマットに変わりました。
当時のプレーオフシリーズは全4戦。試合毎に出場できる人数が絞られていくのは現在も同じです。
当初はプレーオフシリーズが終わるのは9月中旬。今年は8月中に全日程が終了と、2006年以前に比べるとシーズンが終わるのが2か月以上も早くなりました。
大胆にも見えるこの変更は、アメリカのメジャースポーツの「シーズン制」に対応することが理由です。
大谷翔平のMLBは春~秋 八村塁のNBAは秋~夏 シーズンの“クライマックス”が被らないように
大谷翔平が活躍する野球のMLBはシーズンが春から秋。八村塁がプレーするバスケットのNBAは秋から夏と、アメリカのメジャースポーツは「シーズン」をズラすことで、常に何かが見られるようになっています。
さらに秋から2月にかけてはアメフトのNFLもあるので、11月に終わるとなるとMLBのワールドシリーズもあって、どうしてもゴルフの注目度が下がってしまいます。
それをNBAとNFLが始まる前にプレーオフシリーズという“クライマックス”を持ってきたことはビジネス的にも大きな成功をもたらしました。
タイガー・ウッズのメジャーVよりシェフラーの2位が高額!? プレーオフ導入によるビジネス的成功
2006年の賞金王だったタイガー・ウッズの年間獲得賞金額は994万1563ドル(8勝)でした。
今年のシェフラーこれまで2勝で2051万1275ドルを稼いでいます。
2006年のウッズの優勝賞金で最高額だったのは「全英オープン」の133万8480ドルだったのに対して、今年のシェフラーは「マスターズ」などの2位でも軒並み200万ドルを超えていることから、プレーオフ導入がビジネス的に成功をもたらしていることがわかります。
年間王者は賞金とは別に1000万ドルのボーナスがゲットできます。
松山英樹は約1か月前の「全英オープン」終了時点のポイントランキングは今シーズンワーストの37位だったのが、その後4戦連続トップ10で16位に上げてきました。
残り2戦。年間王者のトロフィーを高々と掲げる姿を見せてほしいものです。
(文/森伊知郎)














