正しいハンドファーストインパクトではシャフトがターゲット方向に8度ほど傾く
「スイングでは何が一番大事? どこにこだわるべき?」と聞かれたら、私は「ハンドファーストのインパクト」と答えます。上達を目指す過程で全てのゴルファーが耳にし、頭を悩ませるのがハンドファースト。スイングを学べば学ぶほど、その重要性が説かれます。でも、その割にはハンドファーストの意味や具体的な形が明確にイメージできるアマチュアゴルファーは少ないのが現状です。
多くの人は「インパクト=クラブヘッドがボールに当たる瞬間」とボンヤリ考えている程度。インパクトでアドレスを再現したり、手だけが前に出た形をイメージしている人もいますが、どれも間違いです。理想的なインパクトを形成するには、正しいハンドファーストを体に覚え込ませることが絶対条件で、これができて初めて本当の意味での飛距離アップと方向性の安定を両立できると私は考えています。

例えばインパクトがアドレスの再現と考えると、インパクトは“点”になります。この発想だとインパクトで起き上がるアーリーエクステンションになり、手打ちや、すくい打ちを引き起こします。その結果、ロフトが寝た状態でボールに当たるわけです。ダウンスイングからフィニッシュにかけての流れが分断されてしまうのも、スイングにとって大きなマイナス要因となります。では、プロや上級者のハンドファーストのインパクトとは、どのような物理的・身体的条件を満たしているのでしょうか。まずは客観的なデータを紹介しましょう。
トッププロによる7番アイアンのインパクトを、最新の弾道測定器とスイング解析器で分析した平均値を見ると、ハンドファーストの度合い(シャフトの傾き)は8度前後。アドレス時のシャフト位置より、手元がかなり目標方向へ先行した状態でボールをとらえています。また、腰の位置はアドレス時から10cmほどターゲット方向(左サイド)に移動。同時に腰は、およそ40度ターゲット方向へ開いています。でも、肩の向きはスクエアか気持ちオープン。胸や頭の位置はアドレス時とほぼ変わっていないと言えます。静かな上半身と躍動する下半身で強力なねじれを生み出していることがわかります。

これで「何となく手が前にある」という曖昧なイメージが明確な姿にシフトしたと思います。これを実際のスイングに落とし込むにあたって意識すべきは、切り返しからダウンスイングでの動き。頭や胸を突っ込ませず、上半身の軸をその場に残したまま、下半身だけターゲット方向へ回すとハンドファーストのインパクトになります。
インパクトをゾーンとして意識することも大切です。ボールを打とうとせず、インパクトの形のままヘッドを低く長く通過させる。こうイメージすることで、自然とシャフトが8度~10度傾いてハンドファーストになります。ハーフスイングなど小さな振り幅から始め、腰の開き具合や手元の位置を確認しながら、正しい形を体に染み込ませていきましょう。

フルショットの場合、インパクトはゴールではなく、エネルギーをボールに効率よく伝えるための通過点です。ハンドファーストのイメージをアップデートし、正真正銘のインパクトを手に入れてください。

勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。

















